December 05, 2024

ワウのコンデンサーを全部入れ換えてみた

 ふと思い立ってトゥルーバイパス化したVoxのワウペダル「V847A」、使っていて改めて気づいたのはペダルをつま先側に踏み込んだときにサーというノイズが結構大きく聞こえる。




 もう少しノイズを小さくできないかと思い、かなり適当な感じで国内外のエフェクター改造情報を漁ってみたら、コンデンサーの品質がイマイチだとノイズが乗りやすいという話を見かけた。そこで思い切って、標準で装備されているコンデンサーを全部載せ替えてみることにした。とくに電解コンデンサーはノイズの元になりやすいということなので、少し高品質なものを選んでみた。

 で、いざ載せ換えようと思ったら、どれも最初に付いていたものよりもサイズがかなり大きくて、そのままだとうまく収まらない。なんとか工夫したけれどかなり無理な配置になってしまった(笑)。

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 結果は、あっさりノイズが減ったので大成功。ついでに、踏み込んだときの鳴り方も高音成分のヌケが良いのに耳には痛くない感じになったのはかなり好感触。入れ替え作業はかなり手間だったけれど、うまくいって良かった。ワウを使うのがこれまで以上に楽しいことになりそう。  

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November 28, 2024

最近気に入っているピック:JIM DUNLOP JAZZ III

 エレキギターを弾くときは長らく「Dunlop Primetone Small Tri」の1.3mmを愛用してきたのだけど、ここ数年は家で弾くときはピックを使わなくなってしまった。理由は、家で適当にダラダラ弾くときにピックで弾くのはなんだかシャカリキ過ぎるような気がしはじめて、試しに指で弾いてみたら悪くない感触だったというのがきっかけ。一度指で弾くようになると、家でわざわざピックを持つのは面倒くさくなってしまったというのもある…。

 ただ、外に出てセッションだったりスタジオ遊びで弾くときは、やはり他の面子の演奏が熱いとこちらも思わず力が入る。そんなときに指弾きだとまだまだちょっと負けてしまう気がしてピックで弾くことになる。でも、一度指弾きに慣れてしまうと、かなり小ぶりだと思っていたPrimetone Small Triでも、ちょっと大きくて持て余す感じになってしまった。

 それで、色々と小ぶりのピックを試してみたら、昔は小さすぎてとても自分には使いこなせる気がしなかったダンロップのJAZZ IIIが良い感じだった。素材や厚さの違う種類をあれこれ買ってきて、弾き心地や鳴り方を比べていったら、TORTEX素材の1mm前後が今の自分には合っていると感じた。

 最近はその日の体調や参加する演奏のノリに合わせて、0.88mm、1.00mm、1.14mmの中から今日はこれが調子良さそうかなと感じるものを使うようにしている。

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 写真の左端の0.88mmのピックは使っているうちに表示が全部剥げてしまったので、白のペイントマーカーで「8」と書いて間違わないようにした。そのうち他のピックも表示が見えなくなったら数字を書くことになりそう(笑)。

 本当は黒いのがタッチも好きなのだけど、なぜか1.14mmは黒いものが手に入らないので紫色のやつを使っている。ダンロップ以外からもJAZZ IIIタイプは色々出ているけれど、弦に当たる感触がダンロップの黒のTORTEXが一番好感触だったので、今はダンロップ製で揃えている。自分のような技量程度でもピックの素材の違いが弾き心地に影響することに改めて気づいてちょっと驚いたりもした。  
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November 05, 2024

ストラトタイプのトレモロユニットを手のひらビブラート対応のフローティング設定にする

 ストラトタイプのトレモロのセッティングは本当に悩ましい。これまで持っているストラトタイプのギターについては、トレモロユニットをベタ付けにしたり、フローティングにしてみたり、または疑似ハードテイル化してみたりと試行錯誤の連続。

 極端なアーミングはほとんどしないけれど、折角トレモロが付いているならたまにコードをジャラーンと鳴らした時に軽いビブラートをかけたいと思うことがある。アームを使って揺らすほどではない感じなので、弦をミュートさせないような感じで手のひらをユニット部にのせて軽く力を入れるてゆるゆると動く感じのフローティング設定にできると楽しい。そういう使い方が出来ると知ったのはGreg Kochがデモ演奏で多用しているのを見て。以下のデモ演奏はかなり誇張したやり方をしてるけれど、もっと微かで繊細な効かせ方もできるし、自分はアームを外した状態でこの奏法をやるのが好きだ。



 ということで、改めてフローティングのセッティングを詰め直すことにした。これまでスプリングの本数は4〜5本で真っ直ぐに張ることにこだわっていたけれど、考え方を全く変えて今回は3本斜め張りを試してみた。スプリングは4〜5本張りのときは弱めのものを選んでいたけれど、3本斜め張りでは標準装備されていた少し堅めのものに戻した。

 この状態で緩いフローティング状態にしてアーム無しの手のひらビブラートをやってみたところ、これまでよりもふんわりした鳴り方で気持ち良い。この状態でしばらく試奏しているうちにスプリングの共鳴音が気になってきたので、スプリングとボディの間にフェルト生地を挟み込んでスプリングを軽くミュートするような状態にしてみたら、アンプから出る音がクリアな感じになって、より自分好みの音になった。

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 ということで、一時は我が家にある3本のストラトタイプのギターはベタ付けか疑似ハードテイル化されていたのだけれど、今では全部がこの3本斜めがけスプリング&フェルト生地ミュート仕様のフローティング設定になってしまった。また、そのうち気に入らなくなって、違うセッティングになるのかもだけど(笑)。  
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October 12, 2024

ワウのトゥルーバイパス化でスイッチングノイズが大きくなった

 Voxのワウペダル「V847A」の切替スイッチをトゥルーバイパス化してインジケーターLEDを追加する改造をした。



 とりあえず上手くいったのでスタジオで使ってみたら、エフェクトのオンオフ時にスイッチを押すと、バチン!とかなり大きなノイズが出るようになってしまった。

 気になるので調べてみたら、これは3PDTスイッチをエフェクターに安易に使うと必ず出てしまう症状らしい。以下のWebページの解説がとても判りやすかった。



トゥルーバイパスについて

スイッチングノイズとは「ボフ」とか「バチッ」っと言うノイズになります。
このノイズはあまり大きいとスピーカーに負担を掛けて最悪スピーカーが壊れます。

では、スイッチングノイズは何故発生するのでしょうか?
ギターのジャックを抜き差しする状態と言ったら分かりやすいでしょうか?
原因は無接続状態の発生と電位の変化です。

 この問題の解決方法として、上記のページでは「カップリングコンデンサ」の導入や、より良質なスイッチ部品の採用を勧めている。しかし、今回の自分の場合は上記ページで「本来のトゥルーバイパスの意図からかけ離れたもの」と批判されている抵抗をスイッチに付ける配線を試みることにした。理由はといえば、単純に配線が簡単だから(笑)。

 検索で得た他の情報を参考にして、入力信号からグラウンド(アース)側へ1MΩの抵抗を介して結線してみる。試しにスイッチを切り替えてみると、これまでの「バチン!」という音から「パチン」程度に小さくなったような気がする。ただし、この配線が影響しているのかインジケーター用LEDの明るさが暗くなってしまった。

 残念ながら配線の現状を完璧には理解してないのでこの問題をスッキリと解決できなかったけれど、とりあえずはこれでしばらく使ってみることにしよう。いずれちゃんと勉強して完全な解決を目指したいと思いつつ、そんな日が来ることは永遠に無さそうな気もする……。

追記)
 その後になって冷静に考えればLEDが暗くなるということはLEDの回線に抵抗が入ってしまっているということなので、そもそもが結線が間違っているということになる。改めて配線を見直してみたところ、LEDの回線部分以外の場所に抵抗を追加することができたので、無事大きなスイッチングノイズをある程度回避しながらLEDの明るさは元に戻すことができた。やれやれ…。これでまたしばらく使ってみることにする。  
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Micro Q-Tronの改造:ボリュームポットを追加する

 ずいぶん昔からElectro-Harmonix製エンベロープフィルター「Micro Q-Tron」を持っているのだけど、エフェクトをオンにするとガツンと音量が大きくなるため、演奏の途中でオンオフを切り替えるのがかなり億劫なエフェクターだったりする。かといって、ずっとオンのままで使うと効果のかかり方が非常にピーキーでピッキングの強弱やボリュームノブの扱いに神経質にならないといけないので演奏がすごく難しくなる。このあたりは本機を実際に使っている人だと共感してもらえる話だと思う。

 当然世界中のユーザーからこの問題は指摘されていたようで、現行の後継モデルにあたる「Nano Q-Tron」だとちゃんとボリューム(VOL)ツマミが最初から装備されている。

 そんなわけで、今持っているMicro Q-Tronを改造して、エフェクトオン時の音量を調整できるようにボリュームツマミを追加しようと考えた。ネットを検索すれば簡単にやり方が見つかるかと思ったら、なかなか判りやすい情報がヒットしない。

 あれこれ検索していたら、ユーザーフォーラムの一つで、メイン基板からフットスイッチ用基板への配線の途中に10kΩのポットを追加するのが良いらしいという文章を発見。しかしその投稿には画像が無かったのでさらに画像検索で「micro q-tron volume pot mod」と検索してみたら、フランス語のユーザーフォーラムでかなり判りやすい画像が見つかった。

Audiofanzine
Mod Micro QTron => ajout potentiometre de volume

 こうした情報を参考に、もし作業に失敗したら復旧不可能になるのを覚悟しつつでフットスイッチのケーブルを切断して、余っていたギター用ポット(500kΩ)を試しに接続してみたところ、上手くエフェクトオン時だけ音量を調整できることが確認できたので、改めて小さなサイズの10kΩポットを入手して本格的な改造を実施した。

 追加するボリューム調整用ポットの位置をどこにするか悩んだのだけど、やはり他のツマミと同じように筐体トップに配置する方が操作性が良いだろうと思われたので、フットスイッチ左側の余白になっているところにドリルで穴を開けた。本当は他のツマミにできるだけ近い場所にしたかったのだけど、中の基板の構造上、どうしてもこのあたりにしかポットを配置できなかった。ちょっと中途半端な位置で格好悪いのは仕方なし…。

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 これで懸案だったエフェクトをオンにするとドカンと音量が上がってしまう問題は無事解決。もっとも、音量の問題とは別にエフェクトのかかり方を丁度良い具合に設定するのがなかなか難しい。どうしたらきれいに思い描いたような感じに鳴らせるのか…。このエフェクターに関してはまだまだ課題が山積みのままだ(笑)。


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エフェクター エンベロープフィルター Micro Q-Tron 【国内正規品】
ELECTRO-HARMONIX

小さなQ-Tron。ピッキングの強さに正確かつ素早く反応するエンベロープ・コントロールド・フィルターです。
入力信号の大きさに応じてカットオフ周波数が変化し、同時にフィルターのピッチも変化します。
LO/BP/HPの3モードに加えてQも調整可能で、コンパクトながら多彩なサウンドを実現しました。(製品紹介文より)

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NANO Q-TRON エンベロープフィルター オートワウ ギターエフェクター
ELECTRO-HARMONIX

Nano Q-Tron は、1970 年代からエンベロープ・フィルターを製造し、エンベロープ・フィルター・エフェクトのパイオニアであるelectro-harmonix の伝統あるサウンドを継承したペダルです。 ユーザーの演奏スタイルやピッキングの強弱に敏感に反応し、入力された信号のボリュームによってフィルター・スイープのカットオフ周波数や中心周波数をコントロールします。これにより繊細な表現からダイナミックなパフォーマンス、オートワウからウルトラファンキーなサウンドまで様々なトーンを作り出します。(製品紹介文より)

  
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October 02, 2024

ワウペダル(Vox V847A)のトゥルーバイパス化をしてみた

 ふと思いつきで長い間使わずにいたVoxのワウペダルをトゥルーバイパス化してみた。

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 ペダル自体は10数年前に入手した「V847A」という中国工場で製造されている普及モデルでとくに珍しいものではない。

 V847Aは元の「847」には無かったACアダプター対応機能が追加された一方で、基板が表面実装に変更されたために従来のように一つ一つのパーツを交換して改造するということが困難になったことから、エフェクター通の間では人気が無い。それでも一部のコンデンサー等を交換したりということは可能だ。

 今回のトゥルーバイパス化では、スイッチ変更のついでにLEDインジケーターを追加し、あとは基板上にあるコンデンサー交換も試みることにした。

 交換しようと思うコンデンサーはネット検索して色々調べてみると、スチロールコンデンサーがワウには向いているらしい。

エフェクターによく使われるコンデンサ【10種類】一覧

スチロールコンデンサ

ポリスチレン(スチロール樹脂)、もしくはアルミスチロールを誘電体とするフィルムコンデンサです。

個人的にフィルムコンデンサの中では音質は最高と感じているのですが、あまり容量が高いものがないのと熱に弱く壊れやすいのと、お値段も高く現在ではあまり製造されていないようです。

ワウのコンデンサに使うと最高とみんなおっしゃってますね。最高ですよ!!!

 残念ながら現在流通しているスチロールコンデンサーで簡単に入手できる種類は少ない。マニア向けじゃない手頃な価格で手に入りそうなのは小容量のものしかなく、V847Aで使われているコンデンサー全部を交換というわけにはいかないことが判明。とりあえずすぐに見つかった入手可能な容量(0.01μF)の2つだけを交換してみることに。電解コンデンサーの方もオーディオグレード品に変更を考えてみたけれど、音質がハイファイになってイナタイ感じのワウとかけ離れたものになると嫌なので今回は見送ることに。

 スイッチ交換とLEDインジケーター追加については以下のYouTube動画を参考にした。まったく同じV847Aの改造事例だ。この動画で抜けているのはLEDを付けるために必要な穴開けの工程ぐらいで、ほかに必要な作業はほぼ全部説明されているのでとても助かった。



 LED用の穴については自分の場合、直径5ミリのLEDを入手したので、電動ドリルで5ミリの穴をスイッチの側に開けた。

 また、付け替えた3PTDスイッチは、元に付いていたスイッチより長さが2ミリ弱短く、ペダルを踏み込んでスイッチを切り替えるのが困難になってしまったため、スイッチの頭に1ミリ厚のゴムを丸く切って2枚重ねてセメダインスーパーXで貼り付けて元の長さと同じ程度になるようにした。

 改造の結果、バイパス時のこもった音が解消され、エフェクトオン時にはLEDが赤く光ってくれるのでオン・オフの違いを一目で確認できるようになった。また以前のスイッチは固くて踏み込むときに大変だったけれど、新しいスイッチは適度な固さで切り替えやすくなった。

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 コンデンサー交換の効果としては、いくらか音に深みが出たような気がしなくもないけれど、これはプラセボ効果かも(笑)。あとはペダルを踏み込んで高音が強調されるときに出る不要なサーッというノイズが気持ち小さくなったようにも感じる。もっともこれらの変化は、改造前と改造後の音を録音して比べるというようなことはしていないので、あくまでも主観的な判断…。

 また色々な機会にワウを使ってみることにしようと思う。ただ、ワウペダルはデカいし重たいのであまり持って歩きたくないという問題があったりして(笑)。


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VOX ヴォックス ワウ・ペダル V847

プロ・ミュージシャンのサウンドに対する要求がそれまでに比べて一気にバリエーションを見せ始めた1960年代、世界に先駆けてWAH WAH PEDALをリリースしたのがVOXでした。その独特の効果はアーティストたちの圧倒的支持を集め、数々の名演を残し、それと共にVOXのWAH WAH PEDALもスタンダード・モデルとして、長い間支持され続けてきました。(製品紹介文より)


  
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August 26, 2024

ギター用ワイヤレスを試してみて感じたこと

 ギター用ワイヤレスシステムが安価になってセッション等の場でも使う人がすごく増えた。かなり前に一度借りて試したことがあるけれど、そのときは明らかなレイテンシを感じて自分はちょっとダメだなと思った。でも最近は中国製の廉価品でもかなり性能が改善しているという話を色々な場で聞いたので、物は試しということで国内外いずれのレビューでも比較的安定した評価のある製品を入手してみた。

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 2〜3mの範囲であればレイテンシを体感することはないし音切れなどの不具合も生じないことを確認。ケーブルをひっぱるのが嫌な人にはこれはかなり魅力的だと思う。

 音質に関しても、ただ音を鳴らすというだけであれば不満を感じるところはほぼ無い。

 けれど気になる点がある。ワイヤレスシステムでは従来のケーブルを使ってギターとアンプを繋いだときに生じる電気特性が失われる。どういうことかというと、通常のパッシブスタイルのピックアップを備えたエレキギターから出力される電気信号はハイ・インピーダンスという特性がある。この特性のおかげで、ファズやワウのようなエフェクターに接続した時に独特の鳴り方が成立している。

 ところが、ワイヤレスシステムを通すとその時点でギターの信号はロー・インピーダンスになってしまう。このため、ファズやワウはケーブル接続で聞こえたような鳴り方をしてくれなくなる。ギター側のボリュームを操作したときのアンプの反応も微妙にケーブル接続のときとは異なって感じる。

 なるほど、ギター用ワイヤレスシステムを使うということは、その時点である種のバッファー回路を通すことと同じなんだなと理解した。ワイヤレス接続時の方がケーブル接続時よりもハイ上がりなニュアンスに聞こえるのもそういうことなんだろう。

 メーカーや機種によってはケーブル接続したときのニュアンスを実現する「ケーブルトーン」機能みたいなものを搭載しているワイヤレス製品もあるようだけれど、そうしたモデルのレシーバー側の出力信号がパッシブ型ピックアップ搭載ギターの出力と同じようなハイ・インピーダンスにわざわざ変換処理されているとは思えないので、やはりファズやワウに接続したときの鳴り方は本来とは異なる感じになるのだろうと想像する。

 このあたりの問題を解消するためには、ロー・インピーダンス信号を改めてハイ・インピーダンスに変換するためのエフェクターを別途かませるしかなさそう。

 一つ、ワイヤレス接続で大きなメリットは、ギターとアンプをケーブルで接続したときに発生するノイズがほぼ無くなるというのがある。これはエレキギターの特性でついて回るグランド(アース)処理が発生しないからだろう。当然、グランドが繋がっていないのでグランドの極性があってないマイク等に触れて感電するということも防止できるはず。

 個人的にはケーブル接続でもとくに面倒と思うことはあまり無いし、よほど何かの事情でワイヤレス接続が望ましいというような機会以外は今後もケーブル接続でいこうと思う。

追記(2024/9/1):

 その後色々試してみて感じたのは、フェンダー系シングルコイルピックアップよりもギブソン系に限らずハムバッキングピックアップの方がワイヤレスで音質面に影響が出にくい印象。フェンダー系シングルコイルだと低音がごっそり削がれてしまい、アンプやオーバードライブ系エフェクターでプッシュすると倍音成分が汚い歪み方をするのがちょっと辛い。あとはインピーダンスをいじれるエフェクターをかませたときにどうなるのかは気になるけれど、当面そちら系の機材は安価では手に入らないので保留。  
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August 21, 2024

最近あまり話題にならなくなったSHOD系オーバードライブを試してみた

 個人的な体感としては10年ぐらい前にギター用エフェクトペダルと言えば、Mad Professorの「Sweet Honey Overdrive(略してSHOD)」が洋邦問わず人気のあるモデルの一つだった。でも最近はあまり騒がれなくなったように感じる。まぁ古くなったので当然もっと新しいモデルが注目されるというのはあるだろうけれど、SHODよりずっと古くさいTSとかはいまだにやたら人気があるのは不思議。

 それはともかく、あまり皆が使わないからかえって自分にとっては新鮮な気もして、でも正規のSHODは量産モデルでもそれなりに高価なので、クローン系で手が出しやすいJOYOの「Sweet Baby」を中古で探して手に入れてみた。このペダルが発売された当時は新品でも3000円台だったのに、今は中古でも4000円台中〜後半で、とにかく楽器の値段は上がるばかりだなとしみじみするばかり…。

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 実際に使ってみると、シングルコイルでもハムバッカーでも使いやすくて驚いた。ピッキングのニュアンスそのままにクリーントーンからちょっと歪んだぐらいまでを自由に行き来できるし、ギター側のボリュームやトーンのつまみに対して面白いように追随してくれる。自分の苦手なアンプのJCにつないでも真空管アンプぽい鳴り方をさせることができたのも良い感じ。

 ちなみに上の画像のSweet Babyのツマミ位置は、シングルコイルピックアップでガツンと鳴らすときに割と良い感じだったセッティング。もしかしたらDriveはもう少し下げて3時ぐらいが良いかも。

 実は過去に何度かMad Professorの本物や某日本製メーカーのクローン等々を試奏したことあるけれど、どれもいまいちピンと来なかったのは何だったのだろう。もしかしてJOYOの作り具合が今の自分の演奏に一番マッチしているということなのか?

 ここまで良い感じだと改めて本物を試してみたい気もするけれど、今が丁度良い感じなのだから、わざわざ無駄なことする必要もないだろうし、足りることを知るべきだろうと自分の物欲を戒める今日この頃(笑)。  
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July 10, 2024

ハムバッカーのポールピース調整はフラットが基本らしい

 ギブソン由来のハムバッキングピックアップには、ネジで高さを調整できるアジャスタブル・ポールピースが備わっている。動かせるパーツはいじってみたくなるのが人情ということで、これまで色々と高さを調整してきたけれど、どうもイメージするような感じにセッティングが決まったという印象がない。

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 そうしたら自分にとってはかなり衝撃的な情報がYouTube動画にあった。まずは、ギブソンでハムバッキングピックアップを開発したセス・ラバーは、そもそもあのポールピースを調整可能にするつもりはなかったようだ。調整を可能にするよう求めたのはギブソンのマーケティング担当者達で、要は見た目のギミックでセールスアピールしたかったということらしい。

 厳密にはポールピースを上下させればピックアップの磁界に影響を与えることは間違いないが、微妙な差でしかないという。そのあたりのことはセス・ラバー本人が色々とインタビューで答えているのだけど、すごく長文の英語記事なので自分も全部は理解していない。興味のある人は以下のSeymour Duncanのサイトにあるインタビューを読んでみると色々発見があるはず。



 で、先のYouTube動画の話に戻ると、ポールピースの高さを上げて弦に近づければ弦に対する磁力が強まって音が大きくなると考えがちなのだけど、ハムバッキングピックアップの場合、磁石はピックアップの最下部にあり、ポールピースを持ち上げればその分だけ磁石から遠ざかることになるため逆にポールピース自体が及ぼす磁力は弱くなるということが磁気測定器の値から判る。つまり、音を大きくしようとしてポールピースの高さをあげると、逆に磁力的には弱くなるから音が小さくなる可能性がある。問題の磁気測定シーンはYouTube動画では9分30秒過ぎから。



 弦のアールに合わせてポールピース毎に高さを調整するけれど、それはフェンダーのシングルコイルピックアップのようにポールピース自体が磁石の場合には効果があっても、ギブソンタイプのハムバッキングピックアップではあまり意味がないということになりそう。それよりは全部のポールピースを同じ高さに調整した上で、左右のピックアップ固定ネジを使ってピックアップ全体の高さを調整して音のバランスをとる方が理に適っているようだ。ピックアップ全体の高さは6弦側を少し低くして弦から遠ざけ1弦側を弦に近づけ、そうすることで弦の太さに起因する音の大きさのバランスをとるのが標準的なセッティングになる。

 今まで自分は弦毎にポールピースの高さをかなりバラバラに調整してきたのだけれど、試しに全部を同じ高さに揃えてみたところ、これまでどうも不満だった点が解消しすごくヌケの良い感じに鳴ってくれたので、ああこれまでの調整は無駄だったのだなとしみじみ思ったり。

 当然、各人によって求める音の好みは違うから、このポールピースの高さを全部同じに調整する方法がベストとは言えないけれど、これまでハムバッカーの鳴りがどうもイマイチと感じている人ならば一度試してみる価値はあると思う。  
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March 30, 2024

メモ:カールコードエミュレーションボックスの使い所

 実験としてカールコードエミュレーションボックスを作ったわけだけど、これをどこに繋ぐかで結構効果が違ったので簡単にメモしておく。



 まず、そもそもの発端であるジミヘン的なサウンドの要のFuzz Face系ファズの場合、やはりファズの前段にかませるのが妥当な印象。

 しかし、他のオーバードライブ系やディストーション系のペダルだと、前段にかませるとギター側のボリュームを落としたときのトーンの落ち具合が極端で、この場合は何らかのトレブルブリード回路、もしくは50sワイヤリングを施したギターが欲しくなる。普段の効率の良いケーブルを使っている状態だとそこまで自分は感じたことないので、昔の効率の悪いケーブルを使っていた時代はトレブルブリードは切実な機能だったんだろうなと想像する。

 一方で、オーバードライブ系/ディストーション系ペダルの後段にカールコードエミュレーションボックスを繋ぐと、耳に痛い成分がちょうどマスキングされるような感じで好印象。

 試しにワウで同じように後段に繋いでみたら、踏み込んだときの高音で耳に痛い成分が緩和されるのを発見。ワウは常時この効果が欲しいと思ったので、思い切ってワウの内部でスイッチのところに2200pFのコンデンサをかませて、ワウがオンになったときだけコンデンサが機能するように配線してしまった。もしかしてビンテージのワウが美味しい音なのはこういうことなんだろうか?(笑)

 家で鳴らせる音量が限度があるので、今度またスタジオかどこかのセッションに行った機会に実験してみようと思う。

 で、ちょっと違うけれど方向性としては似たような考え方の実験をしているYouTube動画があった。やっぱり皆考えることは同じぽい(笑)。

  
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March 27, 2024

気分はジミヘンなカールコードエミュレーションボックスを作る

 ジミ・ヘンドリックスをはじめとして60〜70年代のロックな人達はギター用シールドケーブルとして今から考えればかなり伝導効率の悪そうなカールコードを愛用する人達が多かったのはよく知られている。

 なんとなればフェンダーからは当時のジミヘンが使っていたものを模した30フィート(約9.15m)長のカールコードが製品化されていたりもする。長いし重たいしで個人的にはあまり使いたくない代物だけど格好良さは捨てがたい気もする。


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B07HCGKY97Fender(フェンダー) シールドケーブル Hendrix Voodoo Child™ Cable, White

ジミ・ヘンドリックスは、その型破りなプレイと唯一無二のサウンドでロックシーンに大きなムーフメントを起こしました。
VoodooChiIdに代表されるElectricLadyLandの発表50周年を記念して、彼を象徴するアイテムの-つであるヴィンテージスタイルのカールコードを発売します。(製品紹介文より)


 どうしてカールコードの話なんかを持ち出したかというと、あのカールコードこそが実は当時のロックな音を再現するための重要な要素である可能性があるということ。そのあたりは以下のブログ記事が色々と蘊蓄を披露しているので読んでもらえればと思うのだけど、ポイントとしては30フィートもの長さのコードを使うとそれだけで静電容量が大きくなり音質にも大きな影響を及ぼすという事実。推定で2200pF〜3300pFの容量になっていた可能性があるらしい。

ピックアップの負荷容量(Load Capacitance)の違い
Jimi Hendrix's gear, Wah Pedal and FuzzFace with multiple coiled cables

 それならカールコードを手に入れてどれぐらいギターの音質に影響があるのかを試してみたいと思うのが人情。しかし、わざわざ高価なカールコードを手に入れても、長いし重たいしで実際に使う機会はあまり無さそうな気がする。それなら同じ静電容量をコンデンサで作り出して試してみればいいじゃないかということで、家にある有り物のパーツ類を使ってかなり適当なカールコードエミュレーションボックスなるものを作ってみた。

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 回路図にすると以下のような感じになるのだろうか? 自分はこの手の知識が全然無いので間違っているかも…。

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 使ったパーツは昔間違って買ってそのまま放ったらかしにしていた2200pFのコンデンサと1kΩの抵抗2つを並列につないで500Ωにしたもの。抵抗をはさんだのはクソ長いケーブルなら抵抗値もいくらかあるだろうという適当な当て推量から。なので抵抗なんて本当は不要なのかもしれない。(追記:シールドケーブルにおける直流抵抗はほとんど意味が無いようなので500Ωの抵抗は外すことに)

 さらにジミヘンは30フィートのケーブルを3本使っていたようなので、本来であればこのなんちゃってエミュレーションボックスも3つ作らなければならないのだけど、ケースとジャック類は1箱分しかなかったのでまずは1つだけ作成した。

 完成した箱とイマドキな伝導効率の良い3mのケーブル2本を使ってアンプで鳴らしてみたら、確かに音が少し甘くなる。本当にこれが30フィートカールコードの音なのかどうか正確なところは不明だし、単に音が劣化してるだけという話もあるけれど、ともかく気分はジミヘンだ(笑)。  
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November 08, 2023

どうでもいい話:エレキギターのピックアップの高さ

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 エレキギターのピックアップの高さの調整は見た目以上にシビアで0.5mmでも高さが違うとかなり音のあり方が変わる。

 歪み系エフェクターをガッツリかけて出音が完全につぶれているような弾き方をするならあまり気にならないのかもしれないけれど、クリーンからクランチ程度の出音でピッキングの強弱を使い分けるような弾き方の場合、ピックアップの高さ設定がそのまま出音にずいぶん影響してくる。

 とくに低音弦側のピックアップの高さ設定は露骨に鳴り方に影響する。弦へ近づけるようにピックアップの高さを上げるとコードストロークしたときに低音ばかりが聞こえるようになるし、コードストロークしたときのバランスを重視してピックアップを下げて弦から遠ざけると、今度は単音弾きしたときにパンチがなくなる。どこでバランスをとるかがとても厄介。

 高音弦側のピックアップの高さは低音弦側に比べると、かなり適当でも大丈夫な気もするけれど、低音弦側に負けないように音量を稼ごうとして弦に近づけすぎると、ピックアップの磁力で弦が引っ張られて音が伸びなくなる。さらに近づけすぎると思い切り弾いたときに弦がピックアップに当たって妙なノイズが出たりと演奏そのものをスポイルしてしまう。

 あとはネック(フロント)側とブリッジ(リア)側でピックアップの高さをそれぞれ調節して、ピックアップを切り替えたときに音量差があまり出ないようにする必要があるけれど、これもあまり音量差の点ばかりを重視して調節すると、ネック側とブリッジ側で一番美味しい音質を得られなくなったりする。やはりどこかで妥協点を見つけてバランスを取るしかない。これも一番良いポイントを見つけるのが難しい。

 いずれにしても、演奏スタイルや使うアンプとの相性、歪み具合をどうするかなどで、最適なピックアップの高さは変わってくる。最後は個人の好き好きで決めるしかない。

 色々な書物やネット情報で出てくる「弦とポールピースの間で何ミリ」という値はあくまでも調整を始めるときの出発点の基準でしかなくて、その数字の通りにしても必ず万人にとって良い音が出るとは限らない。難しいのは、自分がどういう音を出したいのか最初のうちはイメージできないから、ピックアップの高さを変えて音質や音量が変わるのは判るとしても、どの状態が自分にとって当たりなのか決められないというところだと思う。絶対これが正解というのはないので時間をかけて試行錯誤してやってくしかないよね…。


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フェンダー Fender Guitar & Bass Multi-Tool ギター/ベース用マルチツール メンテナンス工具キット

フェンダーのモデルだけでなく、他のほとんどのメーカーやモデルにも使用できるように設計された14-in-1のコンパクトツールです。付属のトラスロッドサイズの六角レンチはボールエンド式で、簡単にアクセスできるようになっています。標準サイズとメトリックサイズを備えたこのマルチツールは、ポケットサイズの工具箱として、楽器の修理や技術的な作業のニーズに重宝します。(製品紹介文より)

  
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October 16, 2023

ストラトタイプのトレモロブリッジのスプリングの強さはビブラートのかかり具合に影響するという話

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 ストラトタイプのトレモロブリッジの調整というのは本当に厄介だと感じる。

 あれこれ調整して一度はフローティング状態にしてみたのだけれど、結局自分の演奏スタイルと馴染まないのでまたベタ付けに戻してしまった。



 で、その後とある楽器店で懲りずにストラトタイプのトレモロブリッジを搭載したギターを試奏していた時、楽器店の人との会話で、ストラトタイプのトレモロブリッジでビグスビーやジャズマスタータイプのような緩やかなビブラート具合にはできないものかという質問をしたところ、スプリングの強度を弱くしてやるとアームを動かした際に戻ろうとする速度が遅くなるので、いくらかニュアンスが変わるということを教えてもらった。具体的にはスプリングを弱いものに変えたり、本数を減らしてみると良いとのこと。

 今家にあるストラトに使っているスプリングはRawVintage RVTS-1というかなり弱めのものに付け替えているけれど5本掛けにしている。試しに1本外して4本掛けにしてみた。

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 なんと驚くことに、自分が求めていたメローなビブラートのかかり具合になるではないか!

 今までの弾き心地はなんだったんだろう。長年ストラトでアーム操作による緩いビブラートは超高度な技で自分には無理なんだとばかり思い込んでいたけれど、それは単に自分の無知によるダメなセッティングの結果でしかなかった。これまでなんとなく苦手だったストラトが俄然好きになってきた(笑)


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RawVintage トレモロスプリング RVTS-1 / Tremolo Springs

製造から数十年が経っているヴィンテージ・ギターは、パーツなどの消耗品は機能性に問題が生じてきます。これによりパーツの交換が必要になった時に多くのヴィンテージ・ユーザーの皆さんが恐れるのは、パーツを変えたせいで音色がガラリと変わってしまう事でしょう。(製品紹介文より)

  
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October 15, 2023

Klon Centaur的なエフェクトペダルについて思うこと

 市場取引価格で100万円を越えることもそれほど珍しくない「Klon Centaur」というエフェクトペダル。その価格高騰のバカバカしさを風刺的に示した動画もあってこれはこれで面白いけれど、エフェクター1つで数千万円相当になる可能性もあるというのはさすがにちょっと行き過ぎな感は拭えない。



 自分は本物のCentaurの音をリアルに聴いたことは一度もないけれど、後継モデルの「Klon KTR」の音は何度か聴いたことがある。そのKTRもどんどん稀少性が高まって今では10万円前後で売買されているらしい。昔2万円ぐらいで手に入りそうな時に買っておけば良かった…。

 で、様々なメーカーが作るクローン的なペダルはいくつか試奏したし、その中から安価なモデルは手にも入れた。

klonclone

 でもいまだにKlon系ペダルの良さはよく判らない。セッションなんかでKTRを他人がデカイ音で鳴らしているのを聴くと良い音だなと感じるけれど、実際に自分で試奏してみるとイマイチ良さを明確に感じることができない。

 上に貼り付けたYouTube動画でも指摘されているけれどバッファーの音が良いのは判るし、それは自分が手に入れたクローンモデルのRIPPERS KENTAでもそれなりに再現していて実感するところはあって、エレアコにつないでバッファー出力(要するにエフェクトオフ状態)だけ使ってキラキラ感を強調するのに使ったりした(WAY HUGE CONSPIRACY THEORYはトゥルーバイパス仕様でバッファー出力の音は用意されていない)。

 で、クローンの2つを使って判ったことは、KENTAにしてもCONSPIRACY THEORYにしても、良いチューブアンプで使ってやらないと意味がないということ。JCみたいなトランジスタアンプではKlon系ペダルの持ち味はほとんど発揮できない。もちろん、耳に痛いようなエッジのある音で鳴らすという用途であればJCとKlon系ペダルの組み合わせは最凶にして最強になるとも思うけれど、それは自分のやりたい音楽ではない。

 良いチューブアンプとKlonの組み合わせの醍醐味は、倍音豊かな鳴りを楽しみつつフィードバックを綺麗にコントロールするみたいなところだろう。で、残念ながらそういうことができる機会は自分の場合、演奏が下手というどうしようもない現実もあったりしててほとんど無い。

 Klon系ペダルは腕に自信のある人が使うべきペダルなんだろうと思うし、だから自分にとってはとても縁の薄いペダルでもある。いつか使いこなせる日が来ると信じて練習するしかないのかな…。


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WAY HUGE CONSPIRACY THEORY オーバードライブ ギターエフェクター WM20

半人半獣の絵に象徴される伝説の名機をジョージ・トリップス流の解釈で扱いやすい小型筐体にて製品化。
ゲインコントロールによりギターからの信号と豊かな倍音をミックスし、クリーミーで透明度の高いオーバードライブサウンドを提供します。
ボリュームとトレブルコントロールのシンプルなコントロールながら、自在なサウンドシェイプに調整可能です。(製品紹介文より)

  
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October 07, 2023

ギター弦のテンション感を調整する

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 弦楽器の弦はかなりの張力がかかっているのだけど、これとは別に弦の張りに対する指の感覚の差異が演奏上かなり影響する。

 弦がピーンと張り詰めている感じが好きな人もいれば、ベロンベロンに緩い感じが好きな人もいるだろう。ギターの場合、切れの良いコードカッティングを求めるならテンション感はそれなりに高い方が好ましいかもしれないし、ベンディングを多用するソロを弾くならある程度テンション感が緩いほうが演奏しやすいかもしれない。

 しかしながら、コード弾くときはテンション感を上げて、ソロを弾くときはテンション感を低くするみたいなことは今のギターに備わっているテクノロジーではほぼ実現不可能。どこかでバランスを取りつつ各人の好みのテンション感で固定された調整をするしかない。

 で、やり方は楽器毎に色々あって、ギブソン系ギターなどで採用されているブリッジとストップテールピースが分割された構造のモデルであればテールピースの高さを細かく上下させることでかなり自由にテンション感を変えることができる。一方、フェンダー系のブリッジを採用したモデルだとそういう調整ができない構造なので、ヘッド側のストリングテンショナーの取り付け位置を動かしてやるとか、ストラト型トレモロブリッジを採用したモデルならフローティングの高さやスプリングの強度を変えたりというかなり遠回りな調整方法ぐらいしかない。エレキギター・ベースの弦のテンション感調整についてはネット検索すると色々ヒットするので、各人が納得できるやり方でやるのが良いと思う。中にはそれはちょっと怪しいだろうみたいな調整方法もあるけれど、鰯の頭も信心からという諺もあるので人それぞれ。

 自分の場合、どちらかといえば緩めのテンション感で弾くのが好きなのだけど、持っているギターで1本ブリッジ部を改造したら妙にテンション感が高くなってしまい、あまり弾かなくなってしまったのがある。



 改造した時点で自分でも「以前のイナタイ味わいが無くなってしまい全く違うギターになってしまった」と認識していた訳だけど、それが弦のテンション感が強くなってしまったことに起因しているとは気付かず、遅ればせながらようやく今ごろになって弦のテンション感が強いことに気付いた。

 このブリッジの場合、ベースプレートが3点止め形式で、一番後ろのネジを締めたり緩めたりすることでプレート全体の取り付け角度を調整して弦のエンド位置をサドルに対して相対的に上げ下げしてテンション感を変えることができる。

 ただ、無理矢理改造したため、ベースプレートのネジを回すためには真ん中のサドル取り付けネジが邪魔しているので、そのネジを一旦外す必要があってかなり面倒。一度、サドルを外して適当な感じでベースプレートのネジを回してからサドルを取り付けなおして弾いてみたら今度はテンション感が緩くなりすぎてダメ。またサドルを外してブリッジのネジを回してサドルを付け直す。そんなことを何度か繰り返してようやく自分が納得できるテンション感を得ることができたけどかなり面倒だった。本当ならもう少し微調整したいのだけど、さすがに面倒すぎるので妥協することに(笑)。

 ギターを弾いていて今ひとつ弾きづらいと感じたときは弦のテンション感を色々調整すると驚くほどに弾きやすくなる可能性があるので、興味のある人は根気強く調整してみると良いのかも…。  
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August 08, 2023

JCを真空管アンプのように鳴らすためのオーバードライブペダル探しの現在地

 自分はJC(ジャズコーラス)というアンプがすごく苦手だ。正直に言うと嫌いという感情に近い。

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 なぜか日本国内の練習スタジオやアマチュアも利用できるような小さいライブスペースにはローランド製のJCシリーズギターアンプが常備されている。昔から流通しているのと丈夫で壊れにくいという条件から普及しているのは間違いないけれど、ギターアンプとしては音質に色気が無いし、やたらにクリーンでドライな音は自分の演奏がいかに下手くそなのかを情け容赦なく聞かせてくれる仕様なので、できれば使いたくない。けれどこれしか置いてないところは少なくない。

 なので、いかに嫌いでもJCを使うしかない機会は限りなく多い。仕方がないのでそういうJCの無情な音を誤魔化せるようなオーバードライブペダルをずっと探してきたエレキギター弾き人生でもある。

 で、長年あれこれとオーバードライブペダルを手に入れてみては、JCで使ってみるとほとんど意味無かったねみたいなことを繰り返してきた。これまで手に入れて試してきたペダルとしては、Xotic AC Booster、Behringer TO800(TS808クローン)、One Control Sonic Blue Twanger、Snouse BlackBox(Marshall BluesBreakerクローン)、Rippers KENTA(Klon Centaurクローン)、Caline Pure Sky(Timmyクローン)、BOSS OD-3、Nobels ODR-1、Way Huge Conspiracy Theory(Klon Centaurクローン)、BOSS BD-2、BOSS JB-2、等々。それぞれ個性があり特に真空管アンプ等で使う分には素晴らしいのだけれど、どれも単体でJCにつないで楽しいと感じたことはまず無かった。それだけJCというギターアンプはシビアということなんだろうけれど、ギタープレイが上手い人には自分のこういう気持ちは理解不能なんだろうと思ったり…。

 で、ダメ元で試した次のペダルはWay Huge STO Drive。音の志向としてはNobels ODR-1らしいのだけれど、ODR-1よりもエッジが丸くてちょっとダークな音ということらしい。海外のフォーラムでは音がダーク過ぎて使えねーよというコメントもあったけれど、音がパキパキでクリーン過ぎるJCにはもしかしたら丁度良いのじゃないかという勘が働いて手にれてみた。で、その勘が割と当たったようで、JCにつなげるとJCの個性とSTO Driveというペダルの個性が相殺されて、割といなたい真空管アンプ的なトーンが得られた。もしかしたらこれが自分にとってのJC用オーバードライブペダル探しの終着駅なのかもしれない。

 もっとも、この手の歪み系ペダルは個人によって好き嫌いが激しく分かれるので、自分が良いと感じている音が必ずしも万人に共感されることはないのが難しいところ。とりあえずしばらくはこれでやっていこうかと思う。もっとも、JCじゃないアンプだとSTO Driveはちょっと自分の好みと微妙に違うかもしれないし、全然オールマイティな感じではなさそうなのも悩ましいところ。

 なぜか最近になって新しい公式デモ動画がYouTubeに公開されていたのでリンクしておくことに。




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WAY HUGE STO OVERDRIVE WM25

STOオーバードライブは、シルキーなサウンドのオーバードライブです。往年のナッシュビルのギタープレイヤーに愛用者が多く、ブルースセッションやレコーディングの現場で活躍したオーバードライブペダルを基にジョージ・トリップスがアレンジを加え開発しました。(製品紹介文より)

  
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July 29, 2023

ストラトの回路を改造して2ピックアップでマスターボリューム・フロントトーン・リアトーン仕様にしてみた

 自分はストラトの回路構成がどうも苦手でミドルピックアップを上手く使えないでいたので、思い切ってミドルをはめ殺し状態にして、フロントとリアのみ使えるように改造してみた。

 テレキャスターと同じようにピックアップ切替スイッチを5ウェイから3ウェイに載せ替え、フロントのみ/フロント・リア並列/リアのみで鳴るようにした。

 テレキャスターだと1ボリューム・1トーンの回路になるのだけど、ストラトの1ボリューム・2トーン仕様をそのまま活かして、マスターボリューム・フロントトーン・リアトーンで使えるようにした。ストラトのリアのみで鳴らしたときのキンキンした音があまり好きではないので、リアのトーンをフロントのトーンから独立して少しハイを絞った状態にしておけるようにしたかった。

 回路図を適当に作ってPDF化したので興味のある人は参考にしてください。



 ミドルピックアップは高さを思い切り下げてピックガードと面一にしてしまった。

 とりあえずこれまでのストラトでは自分的に一番使いやすくなったけれど、本来のストラトを好きな人からすると思い切り邪道な感じになったと思う(笑)。  
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July 10, 2023

中古楽器市場のバブル:音楽好きにとっての迷走

Unknown

はじめに


最近の中古楽器市場は、まるで投資の世界のようなバブル状態に陥っている。いわゆる「音楽好きのための株式市場」とでも言うべきか。中古楽器の価格が異常なまでに高騰し、多くの音楽愛好家やプロのミュージシャンが戸惑っている。本稿では、この状況にシニカルな視点を加えつつ、中古楽器市場の高騰について考察してみたい。

価格の宇宙旅行


中古楽器市場の高騰には、いくつかの理由がある。一つは「希少価値」である。ヴィンテージ楽器や限定版楽器は、まるで宝石のように扱われ、高値で取引される。それに加えて、過去の偉大な音楽家が使用した楽器だとか、伝説的なパフォーマンスが行われた楽器などは、その歴史的な価値から需要が高まる。まるで貴重な芸術品を売買するかのような光景が、中古楽器市場で繰り広げられている。

もう一つの要因は「音色マニア」である。音楽愛好家やプロのミュージシャンの中には、中古楽器ならではの独特な音色を追い求める人々がいる。年月を経た楽器は、その経年変化や使用状況によって個性的な音色を持つことがある。これを知った彼らは、中古楽器市場で独自の音色を探し回り、高額で取引される楽器を手に入れようと必死になる。

影響の波紋


中古楽器市場の高騰は、音楽愛好家やプロのミュージシャンに大きな影響を与えている。まず、予算の制約を抱える人々にとっては、中古楽器を手に入れることがますます難しくなっている。夢のギターを手に入れるためには、財布の中身をかなりの量の現金で埋め尽くさなければならないのだ。

また、中古楽器市場の高騰は、「音楽の普及」という理念に反している。初心者や学生ミュージシャンにとって、手頃な価格で楽器を手に入れることが重要である。しかし、高騰した中古楽器市場では、彼らの夢をかなえることは容易ではない。結果として、音楽の可能性に満ちた若者たちが、予算の制約によって音楽から遠ざかることになるのである。

結論


中古楽器市場の高騰は、音楽好きやプロのミュージシャンにとっては迷走の時代とも言える。株式市場のような波乱に満ちた世界に引きずり込まれ、予算や夢をかけた戦いが繰り広げられている。希少価値や音色の魅力は確かに存在するが、それによって音楽が制約されるのは本末転倒ではないだろうか。

もっと音楽を広めるために、手軽に楽器を手に入れられる環境が必要だ。中古楽器市場のバブルは、音楽の醍醐味を追求する人々を苦しめている。音楽愛好家やプロのミュージシャンが、本来の情熱と才能に集中できるような環境を整えることが求められるのである。



 最近の中古楽器の高騰ぶりについて世間の人はどう感じているのか知りたかったので、AI(ChatGPT-3.5)にエッセイを書いてもらった。で、それなりになるほどと思うような文章が吐き出されたので、そのまま全く修正なしでコピペしてみた。なんというか、個人ブログの文章なんてあと数年もすればこういうコピペだらけになるのかもね……。  
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June 11, 2023

ギターの弦高はどうやって決めるべきか

 しばらく前にリンク弦高調整用のゲージを手に入れたということを書いた。

 こういうツールを基準にして調整するというのは自分的には画期的だったのだけど、その後半年ぐらい色々弾いてみて気付いたのは、ゲージはあくまでも平均的な当たりを出すための道具でしかなく、その後は自分のプレイスタイルに合わせてさらに微調整する必要があるということ。

 なんだか微妙に弾きづらい気がしたのでゲージで当たりを出した後に、今度はちょこちょこ弾きながら微妙にサドルを上げたり下げたりしてしっくりくるポジションを調整してみたら、よりしっくりきた。

 気分次第とのころもあるけれど、人間の手というのはミクロン単位の差を感じることができるみたいなので、このあたりは自分で納得いくまで何度でもやり直すしかないのかなと感じた。

 おそらく季節の違い(暑さ寒さや湿度の違い)でも弾き具合は変わってくるだろうからその都度やるしかなさそうで面倒……。  
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January 05, 2023

エレキギターの弦高調整に専用ゲージを導入してみた

 フェンダー系エレキギター、とくにストラトタイプのブリッジの弦高調整は、各弦ごとにサドルのイモネジをちまちまと締めたり緩めたりするのだけど、サドルごとにネジが2本あるのでちょっと面倒くさい。それに指板のアールに合わせるのを目視だけに頼っていると、なかなかピタリと決まらない。

 何か良い方法はないかと調べてみたら、プロは専用のゲージを使うらしい。これで楽ができるのなら試してみるかということで、思い切ってちょっと良いものを手に入れた。

IMG_0555

 使い方は英語だけど以下のYouTube動画を見てなんとなく理解した(笑)。



 要は、指板のアールと同じゲージを弦の上にのせて各弦を弾いて軽くビビるように合わせていけばOKということになる。作業はそれなりに辛抱強くやるしかないけれど、それでも目視だけに頼っていたときに比べると能率は良いし正確だ。

 調整が済んだギターはこれまでよりもずっと弾きやすい。安い買い物ではなかったけれど十分に価値があったなと感じる。


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MUSIC NOMAD (ミュージックノマド) ステンレス製 指板 サドル R測定 ゲージ MN603 【国内正規品】

Music Nomadの高精度指板サドルR測定ゲージには、さまざまな機能と利点があります。正確な測定値(7.25インチ、9.5インチ、10インチ、12インチ、14インチ、15インチ、16インチ、20インチ)と分かりやすい説明書がオンラインでダウンロード可能なので、安心して作業を行えます。(製品紹介文より)

  
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October 17, 2022

ブリッジのアールと指板のアールが合っていないとギターは弾きにくい

 いわゆるレスポールタイプのギターを手に入れて色々いじっているとどうも弾きにくい。何が悪いのか、弦高をあれこれいじってみてもしっくりこない。

 困り果ててブリッジ周りを色々な角度から見ていたら、ブリッジのサドル自体は指板のアールに合わせた高さになっているのだけど、弦そのものの高さが指板のアールと合っていないことに気付いた。とくにネックの両サイドに位置する1弦と6弦が微妙に他の弦よりも高い状態になっている。

 原因は、各サドルの弦溝がちゃんと弦の太さに合わせて切られていないから。とくに6弦は5弦よりもずいぶん高い位置になっているし、1弦もほぼ2弦と同じぐらいの高さになっている。

 細いヤスリで6弦と1弦のサドルの弦溝をほんの少しずつ削っては高さを確認する作業を繰り返し、それぞれの弦の位置が指板のアールにほぼ合うように調整してみた。結果は以下の写真のような感じ。

lp_bridge

 これだけの調整でかなり弾きやすくなった。ギターという楽器はこういう微妙な部分をあれこれいじってやるだけで全く弾き心地が変わるのが面白いというか面倒くさい。フェンダータイプのギターならヤスリがけのような面倒なことをしなくても、サドルにあるネジを調整するだけで済む仕様だけれど、あれはあれでネジの微妙な締め具合の違いでガラッと弦高が変わってしまうのでなかなか厄介だったりする。

 値段の高いギターはこのあたりの調整が出荷前にちゃんと職人の手によって行われているから高くなる訳なんだけど、初心者向けの低価格モデルは一切そうした調整がされていないので弾きにくかったりする。で、弾きにくいと面白くないのでいつの間にか弾くこと自体をやめてしまうという悪循環。だからといって最初からこのあたりがしっかり調整されたギターを手にするのは値段の上でちょっと手が出せないのが悩ましいところ。

 低価格モデルのギターやベースは手に入れた後に自分で調整できないようであれば、一度リペアショップでプロの人に調整を依頼するのが良いと思う。それだけでかなり弾き心地が変わるはずなので。  
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July 18, 2022

続・歪み系エフェクターペダルという沼:Nobels ODR-1

 自分でも病気だなと思うけれど、楽器店で今まで試したことがない歪み系ペダルを見つけるとどうしても試してみたくなる。

 先日、米ナッシュビルのセッションギタリスト界隈で人気がある「Nobels ODR-1」が店頭にあったのを見つけ、思わず誘惑に負けて試奏することに。

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 人気があるのも納得というか、歪み具合を調整する「Drive」ツマミと、トーンにあたる「Spectrum」ツマミをいじった変化のあり方が判りやすく、ちょっとしたクランチからガツンとしたオーバードライブまで、耳が痛くない状態を保ったままで美味しい音を作りやすいと感じる。

 筐体の色が緑色なので、いわゆるTS系なのかと勘違いしてしまうけれど、TSのような中音域ばかりが強調されるタイプではなく、高音から低音までまんべんなく鳴ってくれるので、シングルコイルやハムバッカーといったピックアップの特性をあまり気にせず使えるのも良い。

 開発された経緯は、フェンダーのBassmanアンプの音をコンパクトエフェクターで再現することを目指したそうで、なるほどという感じ。オリジナル回路を設計したのはドイツ人のKai Tachibanaという人で、今は独立してより性能を発展させたモデルを個人で製作販売している。英文だけどインタビューがあるので興味のある人は読んでみると良いかも。苗字からすると日本と縁がある人なのだろうか?

Interview: Kai Tachibana (Nobels, Nordland Electronics)

 製品としては、新たにベースカット回路を備えたオリジナルモデルに加えて、電池内蔵部分を省略したコンパクトモデルや、他社製の派生モデル等、色々と出ているので各人の用途や好みに合わせて一つ持っておくと色々使えそうな気がする。



 もう歪み系ペダルは十分試したつもりだったのでこれ以上買わないつもりだったけれど、1時間ぐらい悩んだ末、結局手に入れることに。まだまだ沼から這い出せなくて困ったものだ…。


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Nobels ODR-1 BC オーバードライブ【国内正規輸入品】

ODR-1は、ジェリー・ドナヒュー、ガスリー・トラップ、カール・ヴァーヘイエン、ジョン・シャンクス、ティム・ピアース、ロビー・マッキントッシュ、クレム・クレムソン、ミッキー・ムーディなど、数十年に渡って多くのアーティストに愛用されてきた秘密兵器です。(製品紹介文より)

  
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June 20, 2022

ストラトタイプのトレモロブリッジをフローティングにしてみた

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 自分はこれまでストラトタイプのトレモロブリッジはボディにベタ付けで使うのを基本にしてきた。さらにストラト特有のバネが音に影響するのを嫌って実験的に「なんちゃってハードテイル化」までしたりもしている。

 ただ、ストラトタイプのトレモロブリッジを載せたギターは2本持っていて、1本をハードテイル化してしまったので、それならもう1本はせっかくなのでトレモロの性能を目一杯使えるようにするのも悪くないと思い、これまでのベタ付け設定をやめて本来のフローティング設定で使えるように調整してみることにした。

 ネット上にはYouTube動画も含めてトレモロブリッジ調整の極意みたいな情報は数え切れないほどあふれている。中にはなんだか根拠不明の複雑怪奇な調整方法もあって、それも試してみたりもしたけれど上手くいかない。アームを動かすとチューニングが狂って元の状態に戻らず安定しない。

 巷にあるトレモロブリッジ調整で多く紹介されているのは、ブリッジのフローティングしている高さを計って特定の何ミリにするみたいなのが多いけれど、これもなんだかしっくりこない。

 そこで一度トレモロブリッジをギター本体から外し、じっくりとブリッジを眺めて気がついたのは、ブリッジのエッジ部分の平面なところがそれなりに面積が大きい。もしかしてフローティングしているときにこのエッジの平面部分がギターの平面部分としっかり接していれば、かなりチューニングが安定するのではないだろうか。

 さらに、ボディに接しているブリッジのエッジ平面部分がアーミングで前後に動く際には、エッジの部分が角張っているよりは多少丸くなっている方が滑らかに動くだろうと考え、サンドペーパーで角の部分を少しだけ削って丸みをもたせてみた。

 加工が終わったブリッジをボディに付け直し、ボディ裏側のスプリング(自分の場合は3本を真っ直ぐに装着)を調整し、ブリッジのエッジの平面部分がボディ面と真っ直ぐ接するようにして、これでチューニングを合わせてみた。何度かアーミングをして、改めてチューニングの具合やブリッジのボディ面への接し方具合を裏のスプリングで調整する。これを何度か繰り返して、アーミングしてもチューニングがあまり狂わない状態を見つけるようにした。

 結果として、フローティングの高さを数値何ミリの基準で合わせるよりも、ブリッジのエッジ面をボディにピタッと合わせる方がアーミングした後のチューニングは安定しているように感じる。

 図で示すと以下のような感じで、上から一番目の状態がベタ付け、二番目が中途半端なフローティングの状態、三番目が丁度ブリッジのエッジ面がボディに接してアーミングしてもチューニングがあまり狂わない状態。

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 これで自分は上手くいったけれど、人によっては違うセッティングの方が良いという人もいるだろう。ストラトタイプのトレモロブリッジのフローティング調整には誰もが納得する正解は無さそうだけれど、ブリッジのエッジ面をボディ面に合わせるというのはかなり理に適ったやり方なんじゃないかと感じる。

 まぁ、トレモロバーあるいはビブラートアーム、海外だと一般に「whammy bar」という代物は、物理的にかなり無理がある仕組みで、あれをグニャリと動かせばチューニングが狂うのは当たり前で仕方ないことだろうけれど、それでも大きく狂うかほんのちょっとだけ狂うかというところで色々と人それぞれの工夫や技があるのだろう。

 それでも、もしアーミングしたいけれどどうしてもチューニングが狂うのは嫌だというのであれば、今はテクノロジーのおかげで電子的にほとんど違和感ないほどにビグスビーのビブラートアームの動作を再現したエフェクターが開発されたので、それを使えばギター側のチューニングが狂うことはなさそう。ただし、それなりに高い出費となるけれど…。




【追記】ストラトタイプのブリッジが載っているギターのフローティング設定はかなり色々と試してみたけれど、結局2本は疑似ハードテイル化、1本はベタ付け設定に戻してしまった。弾いているうちにチューニングが微妙になってくるのが自分のプレイスタイルには合ってないという結論。コードを鳴らしたときにアームでやるビブラートの響きは大好きなんだけど……。


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BIGSBY Pedal ポリフォニック・ピッチシフター・ペダル
Gamechanger Audio

BIGSBY Pedalは、弦のベンディングとビブラート効果を再現する画期的なポリフォニック・ピッチシフター・ペダルです。従来のトレモロシステムとBIGSBYトレモロアームを搭載しています。(製品紹介文より)

  
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June 06, 2022

歪み系エフェクターペダルという沼

 エレキギター弾きで歪み系エフェクターペダル沼にはまっていない人はかなり少ないのではと思う。

 冷静かつ客観的に考えてみると歪み系のエフェクトペダルなんて1つ、まぁもう少し大目に見ても2つもあれば十分なはずなのに、なぜか同じようなものをいくつも手に入れてみては何かが違うという思いに囚われはじめて、またいつの間にか新しいペダルに手を出すという愚行を繰り返してしまう。

 この業というか病気みたいな傾向は、エレキギター弾きですごく顕著で、あとはDAW界隈のサチュレーション系のプラグイン好きな人達がやはり同じかもしれないけれど、それもやっぱりエレキギター弾きからそっちの道に行った人に生じやすいのではないかと想像したり。

 エレキギター弾き以外の人からすると何が違うのかさっぱり判らないであろう本当に些細な歪み方の変わりように気も狂わんばかりのこだわりをもつのがこの病気の怖いところで、実際YouTubeの試奏動画なんかを見ても、たとえば自分の場合はハードロック/ヘビーメタル向けのディストーションは興味がないので、そちら方面に特化したペダルの音質比較だとさっぱり違いが判らなかったりする。でも、軽いクランチやオーバードライブ用ペダルだと気のせいぐらいに微妙な差がすごく気になってしまうという…。

 で、歪み系ペダルにはいくつかのスタンダードがあるのだけど、その1つがいわゆる「Tube Screamer(チューブスクリーマー、略してTS)」系。これを好きなギタリストは非常に多い。でも、自分はTS系がどうも苦手というかどちらかという嫌いだったりするし、そういう話をするとかなり多くのエレキギター弾きを敵に回すことになる(笑)。



 個人的には「Blues Breaker(ブルースブレイカー)」系が好きだけど、こちらはなぜかTS系に比べるとそれほどポピュラーじゃない。理由はTS系に比べると音質変化が少なくてわざわざエフェクトをガツンをかけている感じがしないからなのかも。



 いずれにしても、TS系もブルースブレイカー系もエレキギター弾き以外からすれば、音が歪むエフェクトという以外には大差なさそうだけれど。

 どちらのペダルもコピー/クローン/復刻品/現行品とかであれば色々と出回っていて安い物なら数千円程度で入手可能だけれど、最初に発売されたオリジナルで状態の良いものを手に入れようとすると数万円は出費する覚悟がいる。ネット検索すると、安いコピー品とオリジナルを並べて比較する動画がたくさんあって、そういうのを観るとほとんど音質差なんて無いに等しい結果が判る。それでも高い金を積んでオリジナルを買う人は後を絶たない。個人的にはそこまでするのは全く理解できないけれど、まぁ趣味の品というのはそういうもの。まさに沼(笑)。

 で、最近の自分のお気に入りはTS系でもブルースブレイカー系でもないやつ。今も現行品が安定して流通していて、なおかつ中古もタマ数が多くて安価に入手できるのが素晴らしい。 TS系あたりがギターやアンプとの相性をかなり選ぶ印象あるのに対して、このペダルはそういうのを気にせずかなりオールマイティに使えると感じる。

OD-3 OverDrive  BOSS公式ページ

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 BOSSの公式デモ動画は古すぎてセンスもちょっと自分の使い方とかけ離れすぎてるので、もう少しクランチ/オーバードライブ寄りのデモ動画をチョイス。しかし、これもエレキギター弾き以外の人が聞くとTS系やブルースブレイカー系と何が違うのとなりそう(笑)。



 ちなみに、BOSSの歪み系ペダルには他に「BD-2 Blues Driver」という人気モデルがあるのだけれど、これも自分はかなり苦手でまたまた多くのエレキギター弾きを敵に回していたりする…。


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BOSS OverDrive OD-3

これがオーバードライブの新たな定番、OD-3。デュアル・ステージ・オーバードライブ回路を搭載。美しい倍音と図太い低域、粘りのあるサステインが特徴。コード・カッティング、リフからソロまでオール・ラウンドに使えるオーバードライブ。(製品紹介文より)

  
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May 31, 2022

ギターのコントロールノブ形状は思った以上にプレイに影響がある

 先日、Fender Mustangタイプのギターを借りてバンド状況でプレイする機会があった。

 ムスタングはショートスケールだし普段自分が使うギターとは演奏の勝手が違うので戸惑う部分も色々あったけれど、一番違和感があったのはボリュームとトーンをコントロールするためのノブだった。

mustang_controll

 ムスタングをいじったことがある人なら判ると思うけれど、ノブの外周が普通の円ではなく7角形になっている。

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 この7角形の指への当たり具合が微妙で滑らかに回らずどうしても7角形に沿ってカクカクとなってしまう。そのため、プレイ中に音量調整しようとすると、意図せずして7段階のプリセットで音量を切り換えるみたいな感じになり、直感的に丁度良い音量にサッと決めるのが難しい。

 エレキギターのボリュームポットというのは、わずか数ミリ動かすだけでかなり大きく音量が変わることがあるので、7段階のプリセットみたいな感じで大雑把に動くようだと適切な位置にするのは無理がある。できれば無段階で調整できるようであってほしい。

 そんな訳で、もし自分がムスタングのような7角形のコントロールノブが付いたギターを手に入れることがあれば、あのノブは速攻で交換することになるだろう。たかがノブの違いだけで、まさかあれほど使いずらいことになるとは思いもしなかった。  
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March 09, 2022

実験:ハムバッキングピックアップのマグネットを交換してみた

 うちにあるエピフォンのES-335モドキの「Dot」には「Gibson '57 Classic」風味の「Epiphone Alnico Classic」というハムバッキングピックアップが搭載されている。

 元々、Dotを入手したのは試奏してみて音が悪くなかったからなのだけど、弾いているうちにどうも高音成分のエッジが少しきつい鳴り方が気になってきて、できれば出力の弱いヴィンテージ風な味付けのピックアップに換装したい欲求が高まってきた。

 ただ、その手のリプレースメント用ハムバッキングピックアップは価格が高め。ネック側とブリッジ側の2つセットで入手しようとすると安くても4万円超になって財布にやさしくない。しかも最近はコロナ渦の影響で海外製ピックアップの入手が以前より難しく、たとえ入手可能でも価格がやたらに高騰化している。

 で、色々とハムバッカーについて情報収集していたら、ピックアップのマグネットを交換すると、それだけで音色の傾向を変えることができることが判った。マグネットなら割高な楽器用でも2つで2000円前後から入手できる。ピックアップ交換に比べれば破格に安い。

 ということで、まずはマグネットだけを交換することにしてみた。Epiphone Alnico Classicのマグネットはアルニコ5らしいので、より磁力が弱くてヴィンテージぽい音が狙えそうなアルニコ2を入手して交換することに。入手先はサウンドハウス。

MONTREUX Rough Cast Alnico 2 Magnet for HB

 マグネットの交換方法についてはYouTubeを検索すれば丁寧な説明動画がいくらでも見つかる。自分が参考にしたのは以下の動画で、とくにピックアップカバーの外し方が他と違って半田ごての熱ではなく、刃物を使って力技でガツンと外してしまうのがミソ。



 エピフォンのハムバッキングピックアップはハウリング防止用のポッティング(ロウ漬け)が強力でドップリとロウが使われていて、このせいで半田ごての熱でカバーを止めている半田を溶かそうとすると、カバーの中でロウが溶け出してカバーを外すのがかなり困難になってしまう構造になっている。なので、乱暴だけど、半田部分をノミ状の刃物でガツンと破壊してしまう方が簡単かつ問題なくカバーを外すことができる。実はこれは改造作業中にピックアップを一つダメにして発見したことなので、もしエピフォンのピックアップを改造しようとする人は要注意。結局、自分は一つピックアップをダメにしてしまったので、Reverb.comで同じピックアップの中古品を探して個人輸入する羽目になってしまったのはあまり思い出したくない黒歴史…。

 マグネット交換後の音質変化は予想した以上で、アルニコ5の時と比べてアルニコ2の音は、高音のパキパキしたきつさがなくなると同時に低音のドカンという押し出しもなくなり、良く言えば上品な鳴り方になった。悪く言うと、明らかにパンチがなくなったのでゴリゴリのジェント的な奏法には全く向かない。クリーンからちょっとクランチさせるぐらいの音が欲しい人には最適な感じ。全体的には過剰な高音と低音がなくなった分、素直でヌケが良い音という印象。

 マグネット交換はピックアップそのものの交換に比べると破格に安い投資で劇的に音質を変えることができるので、ハムバッカー(もしくはP-90)で現状の音に不満を感じている人なら、改造の手間と失敗のリスクを恐れないならやってみる価値は大いにあると思う。  
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November 26, 2021

実験:スチール弦アコースティックギターにナイロン弦を張ってみる(追記あり)

 なんとなくナイロン弦の生ギターが弾きたくなって、ネック細めで弦高も低くて楽そうなエレガットの中古を物色しようとネットであれこれ情報を漁っていたら、スチール弦用に作られたギターにナイロン弦を張っている事例をいくつか発見。

 さらに、ギター・マガジンの2021年12月号の中で鈴木茂がギブソンJ-45にナイロン弦を張っているというかなり邪道(笑)な話も出ていて(P87のピックの記事でさらっと触れられている)、こういうやり方は割と普通に皆がやっているのかもしれないと気づく。そういえば、鈴木茂はストラトについてもトレモロユニットのスプリングを外して木材プレートでブリッジ部を完全にブロックして使っているそうで自分とは気が合いそうだ

 それなら自分もわざわざエレガットを手に入れなくてもうちにあるアコースティックギターで実験できるじゃないかということで、スチール弦ギターのブリッジにも対応可能なボールエンド付きナイロン弦を手に入れて張ってみた。

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 ナイロン弦を張るときの注意点はスチール弦と同じようなつもりでペグポストに巻き始めるといつまでたってもユルユルのままで永遠に終わらないということ。ナイロン弦はスチール弦と違ってすごく伸びるので、ポストに巻き始める時点でピンと張ってそこからペグをぐるぐる回すぐらいでもポストの短いスチール弦ギターだとかなりたくさん巻くことになる。いわゆるクラシックギターのスロットヘッドになるけれど、どうやって巻くと良いかは以下のWebページの記事などが参考になる。

当日弾けるナイロン弦交換

 あとはクラシックギターよりもペグポストが短いウクレレの弦の張り方なども参考になるかも。

 で、なんとか無事にナイロン弦を張ることに成功して弾いてみたら、予想したよりはまともな音が鳴ったので実験成功(笑)。しかし、やはり弦のテンションはかなり低く、真っ当なクラシックギター的な鳴り方とは全然違うし音も小さい。もっとも、この小さくてテンションの低いゆるゆるなところが、逆にポロロンと適当につま弾くには丁度良い感じで自分的には狙ったとおり。スチール弦と違って指弾きでも全然痛くないのも良い。まー、真剣に弾きたい人にはまったくおすすめできないのは言うまでもないけれど…。


 しばらく弾いていて今のところネックが弦のテンション不足で逆ぞりしたりという不具合は出てないけれど、イントネーションがかなり怪しい。仕方がないので4〜6弦だけ、割り箸を削った木片にタイトボンドをまぶして気分だけ硬化させたへんてこりんな補正サドルをかませていくらか誤魔化すことに。

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 とりあえず、これで今のところはインチキなナイロン弦ギターのポロンポロンという音を楽しめている。しかし、あまりにゆるゆるだし音程も怪しいので、これに慣れすぎるとちゃんとした生ギターはナイロン弦でもスチール弦でも弾けない身体になりそう(笑)。

PS. 割り箸で作った補正用サドルから出る音がイマイチだったので、他のギターで交換して不要になっていたプラ製ナットを丁度良い大きさに削って新しいサドルを作ってみた。これまでよりも張りのある音になったので良しとしよう。(2022/3/21追記)

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ギター・マガジン 2021年12月号

本誌は、鈴木茂というギタリストとはっぴいえんどの価値をもう一度、我々なりのやり方で見つめ直してみたいと思い立った。そこで鈴木に8時間を超える異例の取材を決行、はっぴいえんどに関するすべてを語ってもらうことにした。鈴木茂のはっぴいえんどに対する強い情熱と愛情を、ページをめくりながら読み取っていただければ幸いである。(製品紹介文より)

  
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November 03, 2021

実験:ストラトをなんちゃってハードテイル化(トレモロユニットからスプリングを無くしてみた)

 ストラトキャスターというエレキギターはブリッジ全体がトレモロユニットになっていて通常はボディの裏側にスプリングが3〜5本張られている。この特殊な構造が実はストラトの独特な鳴り方に大きな影響を与えているのはストラト好きなら多くの人が知るところ。

 しかし、このトレモロユニットが作り出す独特な音質やしっかり固定されないブリッジ構造そのものを好まないギタリストのためにトレモロ無しのハードテイルモデルも存在していて、有名なところでは昔のロバート・クレイのシグネチャーモデルはそういう仕様だった。また、ジョー・ボナマッサがハードテイルのストラト好きを公言している。



 ただ、日本国内市場ではハードテイルモデルはあまり流通していないし、手頃な価格で入手できるコピーモデルで探すとなると相当難しい。

 そこで、ハードテイルにすると音がどう変わるのか試してみたくて、うちにあるストラトで実験してみた。

 実は元からクラプトンモデルみたいにスプリングは張っているのだけど、トレモロユニット自体が動かないように手頃な木のブロック(実は割り箸…)を挟み込んでいて、その状態から単にスプリングを外すと鳴り方がどう変わるのか試してみた。

 で、なんと、スプリングの有無でやはり音質が微妙に変わる。スプリングを外すとちょっとざらついて耳に痛いような高音成分が減ったと感じる。スプリングを1本だけ戻して弾いてからそれを外して弾き較べてみると、やはり高音成分のニュアンスが違う。個人的な好みからすると、スプリングを全部外した状態の方が、すっきりして真っ直ぐな鳴り方に感じる。逆に言えばスプリングが無くなると、皆がストラトに求める「ぽさ」が消えるということなのかもしれないけれど…。

 注意点としては、スプリングを外してしまうと弦アースの結線が途切れてしまいノイズが出てしまうので、これをなんとかしなければならない。一番簡単な解決方法は、スプリング止めに半田付けされているアース線をブリッジブロックの方へ無理矢理半田付けしてしまうこと。これでスプリングが無くても弦アースを確保できるようになった。さらに不要となったスプリング止めの金具も全部外してしまい、ボディ裏がかなりすっきりした(笑)。

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 ストラトのトレモロユニットは、スプリングを交換するだけで音が変わるし、またスプリング部分を隠すための裏ぶたを外すだけでも音が変わる。当然、スプリングが無くなればまた音が変わる。ストラト(というかフェンダーのエレキギター)は、木ネジだったりネックプレートなんかもそうだけど、色々と音とは直接関係なさそうなパーツでも交換すると音がガラッと変わったりするので、実験素材としてかなり楽しい楽器だと思う。

 残念ながらホンモノとは構造が全く違うので、本来のハードテイルストラトと同じ鳴り方ではないだろうけれど、個人的にはこのスプリング無しの状態がうちのストラトで一番自分好みの鳴り方になったと感じるので、しばらくはこれで弾いてみることにする。


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RawVintage トレモロスプリング RVTS-1 / Tremolo Springs

製造から数十年が経っているヴィンテージ・ギターは、パーツなどの消耗品は機能性に問題が生じてきます。これによりパーツの交換が必要になった時に多くのヴィンテージ・ユーザーの皆さんが恐れるのは、パーツを変えたせいで音色がガラリと変わってしまう事でしょう。(製品紹介文より)

  
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November 02, 2021

エフェクターペダル「Sonic Blue Twanger」は考え方を変えれば結構面白かった

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 発売されて直ぐに手に入れたOne Control製のエフェクターペダル「Sonic Blue Twanger」は何度か使ってみたけれど、どうも自分には上手く使えなくてそのまま押入にしまい込んでいた。

 どういうエフェクターなのかについては、One ControlのWebサイトにある解説を読んでもらう方が判りやすいと思うけれど、60年代中期のフェンダー製アンプの音の雰囲気を狙ったプリアンプ的なもの。

 どうしてもオーバードライブ系ペダルみたいにガツンと歪むようなセッティングにしたくなるのが人情だけど、それをやると単に耳に痛い音しか出てこないので、かなり扱いが難しい類のペダルだと感じる。

 なので、オーバードライブ的な使い方を期待して手に入れた人は自分と同じように使わなくなるか、それとももっとドライにすぐ売り払ってしまうパターンが多いのかも。自分も店頭で事前に試奏していれば、おそらくその時点で購入は見送ったのかもしれない。しかし、ネット通販でポチったので入手してみたら上手く使えなかったというありがちなオチ。

 で、長らく押入の中に放置していたのだけれど、ある日ふと思い出して改めてセッティングを色々といじってみたら、もしかしたら割と面白いペダルなのかもしれないという気づきがあった。

 このペダルに用意されているのは「VOLUME」「TREBLE」「MASTER」の3つのツマミと、ボディ横にある「RHYTHM/LEAD」の切り換えスイッチ。厳密にはちょっと違うのだけど、VOLUME=ゲイン、TREBLE=トーン、MASTER=マスターボリュームとほぼ同意で、RHYTHM/LEADでゲインのタイプを変更できる。

 入手してすぐはLEADモードでVOLUMEをガツンと上げて歪ませてみたら個人的に嫌いなタイプのディストーションになるので、RHYTHMモードにしてあまり歪まない感じにして使っていたのだけど、この音が自分にとってはひたすら地味でわざわざエフェクターをかませて使う意味が見いだせなかった。だったらアンプで音作るよねということで全く使わなくなった。

 今回改めて試したのは、LEADモードでVOLUMEをあまり上げず(9時前後)、MASTERも8時ぐらいと低め。というか、このエフェクター、やたらに出力があって、ちょっとツマミを上げると爆音が出るので、MASTERは全然上げられない。現行モデルは3世代目(筐体グラフィックが変更されている)になるので見直しがあったりするのかもしれないけれど、初代モデルはMASTERのポットの抵抗値の選択が失敗してるようにしか思えない。なのでひたすらツマミは低めの設定にせざるを得ないのがもどかしいのだけど、それでギターアンプ側はフラットなトーン設定にしてギターを鳴らしながらTREBLEを9〜3時ぐらいの間で回してスイートスポットを探るという感じ。

 この設定でアンプのクリーンな音に微かに歪みのエッジが乗るような感じで調整してやると、まさにフェンダーのチューブアンプを少しだけプッシュしたようなニュアンスの音になる。なるほど、こういうエフェクターだったかと初めて気付いた(笑)。

 ここからガツンと歪ませたいのであれば、Sonic Blue Twangerの前に、各自好みのオーバードライブ(TS系やブルースブレイカー系が合いそう)、もしくはファズなどを刺してやれば、かなり美味しい音に仕上がると思う。決してSonic Blue Twangerだけで歪みを作ろうとしないのがコツ。Sonic Blue Twangerだけで歪ませると耳障りな音にしかならない。もっともそういう音が欲しい人はそれで良いのかな(笑)。


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One Control SONIC BLUE TWANGER ブースター ギターエフェクター

●特徴
・ブラックフェイス期のヴィンテージアメリカンアンプトーンを再現(製品紹介文より)

  
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August 28, 2021

Danelectroタイプのブリッジを改造してみた

 「Squier Vintage Modified Jaguar HH」というモデルのエレキギターを少しずつ改造して使っているのだけど、購入当時からずっと気になっていたブリッジ部を改造してみた。

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 このギターはオリジナルのFender Jaguarと違ってブリッジ部がトレモロユニットではなく、6駒サドルのDanelectroタイプになっている。ただ、サドルの可動範囲が狭くイントネーション調整に支障があるなどあまり気に入ってはいなかった。

 改造にあたってはネット上で色々検索してみたら、ギブソンタイプのチューンオーマチックに載せ替えるというかなり大がかりなものもあったけれど、自分の技量ではちょっとそこまでやるのは自信が無い。もう少し簡単なのはないかと探したら、オリジナルのDanelectroのブリッジを改善するためのキットが色々あって、これがなかなか良さそうだったけれど、この方式だと当方のJaguarに載せるためにはブリッジの形に合わせてピックガード加工が必要なのと、ネックの差し込み角度をシム等で変更する必要のあることが判明(ネックの仕込み角度が標準的なフェンダーの浅いものと異なりややギブソン的な深い感じになっている)。これはこれでちょっとハードルが高い。

 他にもっと簡単な方法はないかと調べていたら、ダンエレ型のブリッジベースはそのまま活かして、サドルだけテレキャスター用の3WAYタイプに付け替えるという手法を発見。作業でもっとも面倒なのはサドルを固定するためのネジ穴を3つ開けること。これならバイスでブリッジベースを固定して気長にゆっくりとハンドドリルで穴を開ければなんとかなりそうだったので早速試してみることに。テレ用サドルのネジ直径は3ミリだったので、3ミリの金属用ドリルでじわじわと穴を開けてみたら上手くいった。

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 これまでブリッジベースは3本のネジを使って、ギター本体に対して斜めに傾けて角度を付けて固定して弦高を調整する仕様だったのを、ベースを完全にボディにピッタリとくっつける形で固定して弦高はテレ用サドルのイモネジで調整。イントネーション調整もオリジナルよりもやりやすくなった。

 新しい弦を張って鳴らしてみたら、ずいぶんと鳴り方が変わった。前はなんとなくビヨ〜ンという味わいの響きだったのが、シャキーンと真っ直ぐな感じですごくソリッドボディなエレキの音に。サスティーンもずいぶん伸びた。なんというか、以前のイナタイ味わいが無くなってしまい全く違うギターになってしまった。この改造が自分的に良かったのか悪かったのかなんとも評価が難しい……。

 まぁ、しばらく使ってみればまた感じ方は変わってくるだろう。


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Montreux Brass Tele saddle set テレキャスター用ブリッジサドル 3個セット 9183

弦長補正に効果的な、テレキャスター用サドルのリプレイスメントです。素材はブラスになります。段差で補正するタイプですので、サドルを傾けるタイプに比べ、見た目がオリジナルに近いというメリットがあります。(製品紹介文より)

  
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