August 08, 2008

UGCの現在地:MikuMikuDance作品における一つの頂点

 また、MikuMikuDance(とRinRinDance)を起用したアニメで注目すべき作品が登場した。

【初音ミク・鏡音リン】 3人がバンドを結成したようです 【はちゅね】



 これはビックリ。ここまでやるかという作り込み。特にキーボード等の小道具のディテールがマニアックで素晴らしすぎる。ま、単なるEL&P好きな年寄り世代向けのおっさんホイホイでしかないという話もありそうだけど(笑)。

 また、照明やリンの投げキッスの演出手法にアイマスの影響が見られるのは、とてもニコ動っぽくて興味深い。

 ともかく、ボーカロイド音楽ビデオ作品の歴史の中で、一つの頂点を極めた作品と評しても過言ではないと思う。

 惜しむらくは、歌詞においてもっと無駄に難解で哲学的かつ意味不明な言葉を多用するなど、往年のプログレ楽曲はかくありきみたいな演出があれば、さらに作品としての幅が広がったのかもしれないけれど、それはファンとしてちょっと求めすぎなのかもしれない…。

B000AMZ20Q恐怖の頭脳改革(K2HD紙ジャケット仕様)
エマーソン・レイク&パーマー
ビクターエンタテインメント 2005/09/28

プログレッシヴ・ロックの頂点に輝く名盤中の名盤と言える5thアルバム(73年発表)。LPレコード発売当時の特殊ジャケットを再現した紙ジャケット仕様。

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June 16, 2008

これは良いひよこ

 「初音ミクみく」さんの6月16日付けエントリー「三浦建太郎氏が『ひよこかみなり』に夢中らしい件について」で知った、これは名曲!

【鏡音リン】ひよこかみなり【オリジナル】



 鏡音リンのあの難しい声質を最大限に活かしているのが素晴らしい。往年の変態バンド「レジデンツ」を21世紀に再構築したような、無駄にハイパーなポップ感が最高。しかし、「ひよこかみなり」って何?(笑)

B00066VUOICommercial Album
The Residents
Mute U.S.

花の都、サンフランシスコが産んだ「鬼太郎の親父」的目玉男楽団、レジデンツ。
見た目に恥じない変な音が売りw。

  
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June 13, 2008

これは良い曲:ナナナナ

 久々に、ボーカロイド作品で「音楽的」にカッコイイと思う曲に出会った:

【re_arrange/remix】ナナナナ【鏡音リン】



 この曲、実は「表」と「裏」があって、上に挙げたのは裏(リミックス)の方。表のほうはこちら:

【鏡音リン】ナナナナ【オリジナル】



 どちらも甲乙付けがたいけれど、エレピのリフのニュアンスや、曲全体の「間」の取り方で、個人的には裏の方がより好きだ。

 で、この「ナナナナ」という曲、日本のポップスにしては珍しく、「セックス」をストレートに歌っているのに、陰湿になる訳でもなければ、間抜けな表現になることもなく、明るくスマートかつポップでクレバーに仕上がっているのが画期的。

 これはもしかすると、ボーカロイドが歌っていることに負う所が多いのかも。逆に、生身の女の子が歌っていたら、その子のパーソナリティが邪魔してしまい、妙に気恥ずかしかったり、変な色気がまとわりついたりと、こういう風にはならない気がする。  
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May 15, 2008

UGCの現在地:これはなにげにかなりスゴイ

 このネタも著作権のことを考えるといつまでアップされているのか謎なんだけれど、個人的にはかなりキタw

【MikuMikuDance】パラッパラッパーに挑戦してみる(完成版)



 無条件にカワイイっす。あと、やっぱり懐かしいというのがある。ま、パラッパやったこと無い人にはイマイチ面白みが判らないかも。

 しかし、ここまでくると、MikuMikuDanceとRinRinDanceだけでアニメ大作とか作れそうな勢いだな。

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April 19, 2008

UGCの現在地:キオ式リンだとこの辺りまで来た(これ、マジスゴイ)

 ボーカロイド系UGC(要は「初音ミク」「鏡音リン・レン」作品)における動画制作手法に関しては「浦島太郎」状態で、全く知らなかったのだけれど、今のところ人気がある動画作成ツールには、先日取り上げた「MikuMikuDance」のほかに、「キオ式3Dモデル」、「Skylineスクリプト」、「ARToolKit」などがあるらしい。ブログ「初音ミクみく」さんの2月29日付けエントリー「『初音ミク3D化計画』における『四天王データ&ツール』をまとめてみた」が詳しく参考になる。

 で、その中の「キオ式モデル」を活用して作られた最新の鏡音リン作品がコチラ:

【鏡音リン】「色の無い街」3DCGPV【キオ式リン】



 このクオリティの高さはマジでスゴイ。

 楽曲、演奏、動画と、全てが素晴らしい。MTV辺りの音楽番組でそのまま放映されても、他の商用PV作品と遜色がないばかりか、それらの中でもトップクラスに位置するのではないかと思える。

 それにしても、自分の勉強不足を思い知らされたのは、この「色の無い街」という楽曲が、去年の12月3日に初公開されていたということ(初音ミク歌唱によるオリジナルはコチラ)。

 ディストーションがかかったエレピによるイントロからグイグイくる。演歌っぽさとロックテイストのバランスを両立させた日本人好みのメロディと歌詞もイイ。まさにU2の「I Still Haven't Found What I'm Looking For」に匹敵する神曲と言えそうだ。

 これだけの水準の作品が無料のUGCとしてコンスタントに発表されるようになると、ただ「売るためだけ」に作られた類の商用音楽は、かなり厳しい立ち位置に追い込まれるのじゃないだろうか。まぁ、まだ、こういうUGC作品を何の偏見もなく、商用音楽と同じ価値観でフラットに聴く人はごく限られているので、ブランドありきの商用音楽ビジネスは今しばらく安泰なのだろうけれど…。  
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January 12, 2008

プロの仕事

 まじで音楽業界のプロの手による作品が登場:

【鏡音リン鏡音レン】リンリンシグナル【Full Ver.】オリジナル

Rin Rin Signal


 個人的には、後半でちょっとフェイクっぽい使い方(「リンリン」とか「ウヒャー」とか)してるのが、すごく色っぽいと思った(エロっぽいじゃないよ…)。

 とりあえず、Arai氏が非常に興味深いコメントを書かれているので以下にそのまま引用:

VOCALOIDのエディタが使いにくいので、パラメーターはほぼ弄ってません。レンの声質のバラツキがあまりにも酷いので、DBXの強力なコンプを通したらアッサリ揃いましたwバラツキがなければ意外にリンよりレンのほうが調教しやすいかも?あとピッチベンド書くのがめんどかったので実際に人が歌ったのをRecしてAutoTuneで音程のデータを吸い出して、それをVOCALOIDに追従させる事によって、かなり自然な歌い方に出来たと思います。歌詞の聞き取りやすさを重視したかったので、DAW側のオートメーションで全ての子音の部分を強調してあります。

 なんともプロならではの効率的な作業(笑)。

【鏡音リン・レン】Time&Spaceオリジナル曲第2弾

 サビの歌いまわしがスゴイ。こちらのコメントも以下にそのまま引用:

今回の技術解説>サビのコーラスは13本重ねてそれぞれの音質を極端に加工、スライスしてピッチシフトとタイムストレッチをランダムにかけてばらけさせ、かなり本物っぽいコーラスに出来たと思います。

 これは、「サンレコ」でボーカロイドに関するかなり突っ込んだ内容の特集記事や連載が始まるのも時間の問題だろうな…。

 PS. 「初音ミクニュース」さんの情報収集には、いつもたいへんお世話になっております。感謝です。  
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NHKは「おしりかじり虫」なんかに無駄なリソースを投じている場合じゃないと思う

 雨の休日、久々にニコ動巡りをしてみたら、ステキな作品が見つかった。

【鏡音リン】ピンクスパイダーに絵をつけてみた【PV】

Pink Spyder


 元作品は「【鏡音リン】 ピンクスパイダー 【オリジナル曲】」で、この曲を気に入った人が新たに動画をつけたのが上記の作品。

 まさに、この曲こそが、「みんなのうた」で紹介されたり放送されたりする、本来のあるべき「歌」のような気がする。

 こういうことが起きるのをここ数カ月、目の当たりにしまくると、やはり「創作」の未来はUGCにあるのかもしれないなと思ってしまう。

 少なくとも、「創造のルネッサンス」は、既存の権利者団体連中の周りにあるのじゃなくて、本当に音楽や絵が好きで好きでしょうがなくて自らモノを創りだしている当事者の側にある。創造に「リサイクル」なんて言葉は相応しくないしね…。  
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December 29, 2007

本領発揮な鏡音リン・レン作品が遂に登場

 世界中が初音ミクを注目するきっかけになった名作「VOCALOID2 初音ミクに『Ievan Polkka』を歌わせてみた」の作者の人が、満を持して新作を発表!

VOCALOID2 鏡音リン・レンに「Ievan Polkka」を歌わせてみた(仮ver.)

Ievan Polkka sung by Rin


 素直に「これはスゴイ!」と表現するしかない堂々たる歌いっぷり。

 「鏡音リン・レンは初音ミクみたいには歌えないのでは?」という危惧も、これでアッサリと吹き飛ばされてしまった。ともかく、まずは実際に聴いてみるべし。

 いやぁ、「神」クラスのボーカロイド職人な人達はやっぱり半端じゃないな……。


 PS. 蛇足な話としては、この音、コンプ等の外部エフェクトで全体のエッジをかなり立ち上げてるっぽい。実際のボーカロイドソフトをいじったことがないので断言は出来ないけれど、パラメータをいじったぐらいじゃ、ここまでパキッとした仕上がりにはならないと思う。
  
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December 28, 2007

鏡音レンが秘めた大いなる可能性

 作者曰く「お遊びってことで」とのことだけど、この作品が示す「鏡音レン」の可能性は非常に大きいような気がする:

鏡音レンに胡麻和えを歌ってもらった

kagamine len sings


 実際にはピッチを変えて再生しているらしいので、レンの素の声ではないらしいけれど…。

 二次元萌えのBL大好きな人達とかに向けての訴求力はかなりのものでは? まさに、男性アイドル歌謡界への黒船登場だな(笑)。


 PS. 全然気がつかなかったのだけど、投稿された日付とか見ると、釣りネタだった。悲しー(笑)  
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