March 07, 2009

渋谷センター街に「メルト」が

 たまたまちょっと用があって渋谷のセンター街を歩いていたら、聞き慣れた歌声が耳に入ってきた。

 よく聴いてみたら、なんとsupercellの「メルト」だった。

 センター街は、タイアップで各レコード会社が売出中の音源を定期的にかけるのだけど、どうやら今週(なのかな?)の曲が「メルト」らしい。

 センター街を歩いてこの歌を耳にしている人々の多くは、この歌声がリアルな人間の歌手によるものじゃなくて初音ミクという音楽ソフトによってシミュレーションされているなんてことにはおそらく気がつかないのじゃないだろうか。

 まさに21世紀的な出来事だなぁと感慨に耽ってしまった……。

 PS. ちなみに、渋谷センター街のWebサイトには、「センター街のテーマソング(※クリック注意。アクセスすると音楽が再生される)」なんてものもある(笑)。

B001OFB6LCsupercell (通常盤)
supercell feat.初音ミク
Sony Music Direct(Japan)Inc.(SME)(M) 2009/03/04

オリコンのアルバム・デイリーチャートで初登場2位だったらしい。週間チャートでどこまでいくのかは謎だけど、良くも悪くも、色々と考えさせられる事態なのかもしれない…。
  

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October 16, 2008

日本でボブ・ディランに一番近い歌手と言えば初音ミク?

 以前にも「初音ミクは日本のボブ・ディランになれるか?」というエントリーを書いたりしたことがあるのだけれど、久々にボカロ作品でそういうベクトルで自分の琴線に触れる作品に出会えた。

じいちゃんの戦争【初音ミクオリジナル曲】



 この楽曲の作者の人(実は松浦晋也氏らしい)の説明によると、この曲の歌詞は、今から20年以上前に新聞に掲載された詩で、当時中学生だった中川さや子さんという人が作ったものだそうだ。祖父から聞かされた「一人の若い兵隊が感じたままの戦争」という状況を、中学生の孫が瑞々しい感性で想像し再現しなおした言葉の力強さが面白い。

 また、その詩の持つ力と、17年前に作曲された楽曲を組み合わせることで、初音ミクが歌う新しい音楽作品に再構築したこの妙が素晴らしい。

 こういう歌を、こういう形で自由に歌える歌手は、日本にそんなに多くはいない。その数少ない歌手の一人が初音ミクなんだなと思う。

 実は、最近ようやくディランの伝記を読んだので、ちょっとばかりこの曲にはやられたという感じ(笑)。

4797330708ボブ・ディラン自伝
ボブ・ディラン著/菅野ヘッケル訳
ソフトバンククリエイティブ 2005/07/16

今後数冊が著される予定と言われている自伝の第1冊目。どこまでが事実かは関係なく、これがディランにとっての「真実」なのだろう。面白い。


 PS. 松浦氏ご本人がブログで自作について語られているのでリンク>「かっとなってやった、から、確信犯へ
  
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August 24, 2008

初音ミクのジレンマ

 Twitter経由で「せんみく(仙台初音ミク音楽祭)」の模様などが報告されるのをボーッと読んでいたら、ちょっと気になる発言があった:

プロの現場でも仮歌を使う KAITOとMEIKOが多い

 これ、前後の文脈から理解するに、プロの音楽制作現場でもボーカロイドを仮歌用に使うのだけれど、その場合は初音ミクよりも、KAITOやMEIKOがより多く使われているということらしい。

 普通に考えれば、上手に歌わせるのが難しいKAITOやMEIKOよりも、調整なしでも割と自然に歌ってくれる初音ミクを使うほうが良さそうに思える。しかし、仮歌というのは、あくまで「仮」なのであって、その後に本番の歌を入れるのだから、仮歌の段階で必要以上に歌唱表現のあり方が固定されてしまうのは避けたい。

 逆に言うと、初音ミクはボーカリストとしてキャラが立ちすぎているため、初音ミクで仮歌を入れてしまうと、意図するかどうかは別にして、そこでその作品が初音ミクのものとして完結してしまう可能性があるということだろう。

 そして、このことがもしかすると、プロの音楽クリエイターの多くが初音ミクを使って作品を発表しない理由なのかもしれない。

 どんなに凝った曲を作って、どんなに斬新なアレンジを施しても、ミクが歌った瞬間に、巷にたくさんある初音ミク作品の一つとして分類されてしまうとすれば、アーティスト性の高いクリエイターにとって初音ミクという「楽器」を使うことは、ちょっとリスキーな行為と言えなくもない。

 奇しくも、「初音ミクみく」さんが8月24日付けエントリーで「平沢進氏のDVD「P-0」にヴォーカルエンジンが使用されている件について」という話を取り上げているけれど、平沢氏の選んだ「ヴォーカルエンジン」は、どうやらMEIKOの模様。

 人の声をシミュレーションするということは、他の楽器を演奏することとは何かが違う。きっと人間の脳は、例えそれが人工のものと判っていても、ある特定のキャラクターを持った人の声として発された音を聞くと、それを声として認識し、そこに何らかの人格を読み取ろうとする癖があるに違いない。そういう人間の生理的な部分に訴えるからこそ、ボーカロイドには様々な可能性があると同時に、他の楽器にはない限界があるのかもしれない。

 考えようによっては、21世紀になっても正義のために戦う百万馬力のロボットは登場しなかったけれど、その代わりに初音ミクが生まれてきたと言える訳で、そういう意味では手塚治虫の想像力は正しかったのだなぁと思う。「鉄腕アトム」には、ロボットがロボットとして存在することのジレンマにまつわる物語が数多くある。


 PS. せんみくに参加されたmyrmecoleonさんからはてブのコメント経由で「プロの現場でも仮歌を使う KAITOとMEIKOが多い」発言の説明をいただきました。ありがとうございます。

 PPS. 初音ミクがSF文学賞の第39回「星雲賞」を受賞したらしい。こんなエントリーを書いたときに何という奇遇…。  
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August 08, 2008

UGCの現在地:MikuMikuDance作品における一つの頂点

 また、MikuMikuDance(とRinRinDance)を起用したアニメで注目すべき作品が登場した。

【初音ミク・鏡音リン】 3人がバンドを結成したようです 【はちゅね】



 これはビックリ。ここまでやるかという作り込み。特にキーボード等の小道具のディテールがマニアックで素晴らしすぎる。ま、単なるEL&P好きな年寄り世代向けのおっさんホイホイでしかないという話もありそうだけど(笑)。

 また、照明やリンの投げキッスの演出手法にアイマスの影響が見られるのは、とてもニコ動っぽくて興味深い。

 ともかく、ボーカロイド音楽ビデオ作品の歴史の中で、一つの頂点を極めた作品と評しても過言ではないと思う。

 惜しむらくは、歌詞においてもっと無駄に難解で哲学的かつ意味不明な言葉を多用するなど、往年のプログレ楽曲はかくありきみたいな演出があれば、さらに作品としての幅が広がったのかもしれないけれど、それはファンとしてちょっと求めすぎなのかもしれない…。

B000AMZ20Q恐怖の頭脳改革(K2HD紙ジャケット仕様)
エマーソン・レイク&パーマー
ビクターエンタテインメント 2005/09/28

プログレッシヴ・ロックの頂点に輝く名盤中の名盤と言える5thアルバム(73年発表)。LPレコード発売当時の特殊ジャケットを再現した紙ジャケット仕様。

当ブログでのMikuMikuDance関連エントリー
UGCの現在地:どんどんリアルな動きを見せるMikuMikuDance作品
UGCの現在地:MikuMikuDanceで影絵アニメ
UGCの現在地:これはなにげにかなりスゴイ
巨人の星を越えた? 初音ミクの野球アニメが登場
UGCの現在地:MikuMikuDanceだとこの辺りまで来た
  
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June 22, 2008

UGCの現在地:なんだかものすごいことになっている

 もう何も言わない。見るべし(笑)。

【唄:初音ミク】Far away 【3DPV】



 もはや完全な商業レベルの域に達しつつあるアニメーション作品。完成するまでに大変な手間暇がかかっているはず。

 老婆心ながら、この作者がこれで燃え尽きてしまわないといいなと思う、いやマジで。

当ブログでの関連エントリー
二次元萌えな動画「キオ式ネルでウッーウッーウマウマ(゚∀゚)」
UGCの現在地:キオ式リンだとこの辺りまで来た(これ、マジスゴイ)
  
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June 15, 2008

UGCの現在地:どんどんリアルな動きを見せるMikuMikuDance作品

 これはまたスゴイことになっている(笑)。

【MikuMikuDance】土俵入り



 この作品は、映像表現において、「絵」と同じように「音」がとても重要だということを教えてくれる作品でもある。

 こちらは、ちょっとマニアックな作品:

【聞こえたら負け】ミクに映像通信がつながりました【初音ミク】



 ある特定コメントをニコ動上で入力するとスクリプトが動作するギミックが仕込まれていて、それがなかなか面白い。それにしても、ずっと見ていると、本当に彼女があちら側で息をして生きているように見えるから不思議…。

当ブログでのMikuMikuDance関連エントリー
UGCの現在地:MikuMikuDanceで影絵アニメ
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巨人の星を越えた? 初音ミクの野球アニメが登場
UGCの現在地:MikuMikuDanceだとこの辺りまで来た
  
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May 27, 2008

ドット絵アニメがほのぼのしてて気持ち良い初音ミク作品

 「渋谷系」なんてものが音楽の世界で流行ったその頃、僕らは緩めでカッコイイ曲を表現するのに「いなたい」という言葉をよく使った。で、この初音ミク作品はまさにそんな「いなたい」感じが溢れてる。すごく良いよ。

「しろいそら」初音ミク/オリジナル曲



 作者のコメントに「fishmans大好きなのでフォロワー的な感じが伝わったならうれしいんですよ」とあって、まさにそんな感じ。個人的には、特に間奏のフェイクがお気に入り。天気の良い日に、ふかふかの芝生の上に寝転がって聴いていたい。

(あえて不躾なリクエストを言わせてもらえば、4分半ぐらいの長さで完結してるともっと良かったと思うけれど、それは望みすぎかもね…)  
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May 23, 2008

UGCの現在地:MikuMikuDanceで影絵アニメ

 「初音ミクみく」さんの5月22日付けエントリー「MikuMikuDancenoの新ネタ登場!それはなんと手影絵!」で紹介されていたこの作品がまさにGJ。UGCの可能性を垣間見せてくれる秀作だ:

【手影絵】MikuMikuDanceで手影絵に挑戦「こぶたぬきつねこ」【初音ミク】



 フリーのCGアニメーション作成ソフト「MikuMikuDance」に搭載されている「影」の機能を使っただけのシンプルな作品ながら、こんな表現方法を思いつく作者もすごければ、こういう作品を実現させてしまうだけのソフトを無償公開している開発者もすごい。

 興味深いのは、「初音ミク」という存在が登場していなければ、MikuMikuDanceというソフトも無かった訳で、つまりは今のこの優れたUGCが続々と生み出されるような状況も起こりえなかったはず。改めて、ミクは21世紀のトリックスターの一人なのだなと思う。

当ブログでのMikuMikuDance関連エントリー
UGCの現在地:これはなにげにかなりスゴイ
巨人の星を越えた? 初音ミクの野球アニメが登場
UGCの現在地:MikuMikuDanceだとこの辺りまで来た
  
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May 15, 2008

UGCの現在地:これはなにげにかなりスゴイ

 このネタも著作権のことを考えるといつまでアップされているのか謎なんだけれど、個人的にはかなりキタw

【MikuMikuDance】パラッパラッパーに挑戦してみる(完成版)



 無条件にカワイイっす。あと、やっぱり懐かしいというのがある。ま、パラッパやったこと無い人にはイマイチ面白みが判らないかも。

 しかし、ここまでくると、MikuMikuDanceとRinRinDanceだけでアニメ大作とか作れそうな勢いだな。

当ブログでの関連エントリー
巨人の星を越えた? 初音ミクの野球アニメが登場
UGCの現在地:MikuMikuDanceだとこの辺りまで来た
  
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April 30, 2008

巨人の星を越えた? 初音ミクの野球アニメが登場

 フリーのアニメ作成ツール「MikuMikuDance」によるこのアニメがスゴイ。

【初音ミク】オリジナル曲 「代打ミク」(PV)



 自分は野球放送を全く見ていないので、このアニメーションがどれぐらい実際の選手達の動きを再現しているのかは判らないが、各々の個性は十分に表現されていて、かなり驚く。

 で、上記作品の元になった静止画メインの作品(同じ作者による)も面白い。コメントで各選手に関する詳しい解説があるので、野球選手を知らない自分には勉強になった。

【初音ミク】オリジナル曲「代打ミク」



 楽曲はストレートな青春歌謡ロックンロールっぽいけれど、初音ミクのあっさりした歌いっぷりのおかげで、J-POPにありがちな応援歌ちっくにならず、かなり好印象なのもポイント高い。野球を好きな人にも、そうじゃない人にも、かなりお薦めな初音ミク。

当ブログでの関連エントリー
UGCの現在地:MikuMikuDanceだとこの辺りまで来た

  
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Is this a hoax or not?

 初音ミクによる歌唱とされている作品。自分的には本物のボーカロイド作品なのかどうか判断できない状態なので、とりあえずクリップしておく:

【初音ミク】 PROLOGUE 【ぼかりす】

  
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April 29, 2008

UGCの現在地:イラストアニメーションだとここまで来た(絵上手いっす)

 ブログ「初音ミクみく」さんの4月29日付けエントリー「手描きPV『ねぎだけでじゅうぶんですよ』が傑作すぎな件について」で紹介されていた作品は、ポップな絵が楽しい。

ねぎだけでじゅうぶんですよ



 ちょっと気になることがあるとすれば、イラストといい、演出の展開といい、上手すぎる点か?(笑)。タグには「プロの犯行」とあるけれど、まぁ、アマチュアでも飛び切りセンスの良い人ならば、これぐらいはサクッと出来てしまう時代なのかも…。

 ニコ動で最後に付けられたコメントにもあるように、正直なところ楽曲の出来はやや「微妙」なんだけれど、そういうことを感じさせないぐらいにトータルな作品として完成されていて、MTV創世記の頃の名作、a-haの「Take on Me」を思い出してしまった。



 a-haのビデオの方のスゴイ点は、この作品が作られた頃はまだまともなCGなんて無くて、アナログな「ロトスコーピング(Rotoscoping)」というアニメーション技術を使って作成しているところ。今見ても非上に良く出来ている。  
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April 18, 2008

UGCの現在地:MikuMikuDanceだとこの辺りまで来た

 今さらさけど、「MikuMikuDance」というフリーの動画作成ソフトが結構スゴイことになっている。(このソフトの説明はITmediaの記事「『神ツール』――初音ミク踊らせるソフト『MikuMikuDance』大人気」辺りを参考にどうぞ)

 で、「敷居の先住民」さんの4月12日付けブログエントリー「いつの間にかMikuMikuDance動画がブレイクスルーしてる件」において、ここ最近の注目すべき作品が一挙に紹介されていて、ニコ動をまめにウォッチしてない身としては非常に勉強になった。

 どれも圧倒的な力作ばかりで、笑わせてもらうやら、感心するやら、とにかくテクノロジーの発達がもたらすUGCパワーの凄さには驚くほかない。

 ただ、気になるのは、ここで紹介されているMikuMikuDance作品の多くは、既存の動画(たとえば音楽PV)をアニメで再現することに主な力が注がれており、全くのオリジナルなプロットに基づいた作品は少ない。

 これはネガティブな見方をすると、どんなにリアルな動きが表現されているとしても、それは「お手本」ありきの優れたコピーでしかないと言えなくもない。

 日本のクリエイティブな世界では、往々にしてその力が「オリジナルを上回る完全無欠の優れたコピー」というベクトルに向かってしまいがちで、それは「職人」技としてはどんなに秀でていても、「表現」としてはイマイチ面白くない。

 自分としては、ちょっとぐらいアニメーションとしての技巧が拙くても、こちらの想像を上回るクリエイティビティを体験させてくれる作品に出会いたい。そういう意味では、「MikuMikuDanceで時代劇を作ってみた」という作品の登場は、まさにショッキングな事件だった。


(ちなみに、同じ作者が元曲からインスパイアされてPVを作った「おかあさんPV(β)h.264版」は初音ミク・ホラーテクノの傑作だと思う)

 まぁ、MikuMikuDanceというソフト自体、公開されたのは2月24日ということで、それから僅か2カ月しか経っていない訳で、まだまだこれから。きっと今以上に数多くの傑作が生まれてくるに違いない。なんというか、トンデモナイ時代になったものだと思う。子供の頃に夢見た未来とはちょっと違うけれど、やっぱり21世紀はスゴイと改めて感心した。  
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April 17, 2008

UGCの現在地:初音ミクだとこの辺りまで来た

 つい最近、「初音ミクベストプロデューサーコンテスト」なるものが開催されたらしい。(結果発表はコチラ

 で、最優秀賞を受賞した作品がこれ:

初音ミクでオリジナル「幸せの種」【Ver.1.1+オマケ】



 その道のプロではない人でも、このように完成度の高い作品をオープンなネット上に公開できてしまう現実は、昔、アマチュアバンドをやっていてどうすれば自分達の音源をレコードにできるのだろうと悩んでいた立場からすると、羨ましいのを通り越して、いまだにSFの世界。

 2008年4月現在の今、UGCとして発表される音楽作品の多くは、商用音楽として発表される作品と比べても、そのレコーディング品質において、もはや大きな差異はないと言って差し支えないだろう。

 より多くの聴衆に聴いてもらえるかどうかを決める要素は、何を歌い、どう演奏するかという本質的な部分だけになりつつある(もちろん、どこでどうプレゼンテーションするのかも重要ではあるけれど)。そして、その作品を聴いて人々が感動できるのであれば、歌い手が人間か機械(初音ミク)なのかも、そろそろ関係なくなりつつあるのかもしれない…。

 まだそういう時期ではないのだろうけれど、いずれ、ボーカロイドが歌っていることを伏せて発表されたオリジナル楽曲が、例えばニコ動の再生数でミリオンを超えるような事件が起きる可能性は否定できない。そして、その時、何かが大きく変わるような気がする。


 PS. 個人的な音楽趣味からすると、初音ミクベストプロデューサーコンテスト応募作では佳作を受賞したこの作品が好きです:

【初音ミク】 はるる 【オリジナル曲】

  
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March 05, 2008

テスト投稿

 livedoor Blogがニコ動プレイヤーに対応したので、早速テストとして「サイハテ」を貼り付けてみる:

  
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March 01, 2008

これは良い:サイハテ

 やっぱり自分が知らないうちにステキな初音ミク作品が発表されていた。日付を見ると公開されたのはもう1カ月以上前。

【初音ミク】 サイハテ 【アニメ風PV・オリジナル曲】

saihate


 正直、初音ミクの歌唱部分だけを取り上げると、ちょっと弱い。でも、何かを伝えたいという気持ちが創作に反映されていて、そのまま作品全体としての力を高めているように感じる。イントロのリフが一発で聞く人の耳に入ってくるのが良い。動画の線と色の使い方も上手。

 一方ですごく難しいなと思うのは、この作品の場合、やはりミクのボーカルにちょっと不満があって、もし人間が同じ曲を歌ったらどうなるのだろうということ。「歌ってみた」の作品では、かなり上手な人もいるようだけど、ミクを越えられているかというとかなり微妙。まぁ、マシンと人間を比べてもしようがないのだけどね…。

 一つの提案というか、ミクの声も含めて現状のままで音素材をプロのエンジニアに委ねて、ミックスし直すとどうなるのかとかが興味ある。もっとも、そういうアプローチは、先日書いたエントリーで取り上げた問題点にそのままつながる訳で、それはそれで痛し痒しかな。  
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February 26, 2008

久々に初音ミクで音楽的にカッコイイ作品に出会った

 最近の初音ミクや鏡音リン・レンの世界は、カラオケに最適な王道J-POP風ポップスか、内輪受けっぽいオチのネタ曲ばかりで、「外に向けて何かを伝えずにはいられないから音楽やってます」みたいな意志を感じる作品が少なくなりつつあるようで興味を失っていた。(もちろん、自分が知らないところで、もっと数多くの良作があるのかもしれないけれど…)

 で、なんとなくリンクを辿っていたら、この作品に出会った。かなり琴線にキタ!

初音ミク が オリジナル曲を歌ってくれたよ「恋は戦争」

koisen


 作者は、初音ミク作品群の中でも超ド級に話題となったあの「メルト」を作ったryo氏。

 イラストの三輪士郎氏と最初から組んで、完成されたビジュアルありきの作品として発表してくるあたりのマジさ加減は、すでにUGCの世界が既存の商用コンテンツと全く同じ立ち位置に至ってしまった感があって驚かざるを得ない。ま、そんな屁理屈をグダグダ書いているよりも、とにかく単純にカッコイイということだけど(笑)。

 で、ふと思ったのは、初音ミクを筆頭としたボーカロイドの存在を否定するつもりは全くないながら(というか、自分はボーカロイド作品がかなり好きだ)、逆にそろそろオリジナルな音楽で最初から人間が唄っている新しい作品を聴いてみたい。それも、エディット無し、一発勝負のライブで。

 PS. 蛇足ながら正直に告白すると、あの「メルト」は個人的にあまりピンと来なかった。老若男女の区別なく初音ミク好きな人達の間で爆発的に話題になっていた時に、何度か聴き直してはみたけれど、どうしても自分はそこまで思い入れることができなかったし、だからブログでもとりあげなかった。その代わりと言っては変だけど、それより以前に発表されたスーパーカーのカバーは気になったりしていた。まぁ、だからどうだという話でもないけれど…。  
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December 28, 2007

初音ミクっていわゆる一つの「奇跡」だったのかも

 ボチボチと鏡音リン・レンを使った作品がネット上にアップされだしていて、今後がwktkな状況だけど、初音ミクとは勝手が違ってプログラミングが色々と大変そうな気配。

初音ミク・鏡音リン・鏡音レン歌い比べ(Be My Angel)

utaikurabe


 こちらの作品を聴かせてもらっての素直な感想は、「初音ミク」がいかに優れたプログラムなのかのを再認識させられたということ。

 初音ミクの場合、プログラミングのノウハウがそれほど解明されていなかった初期の頃から、聴いた者の心をつかんでしまって離さない「人間っぽさ」が多くの作品で発揮されていた。

 ある意味、初音ミクというのは音楽ソフト史上における、とてつもない「奇跡」だったのかもしれない。ああいう「歌声」じゃなければ、ここまで音楽好きな人達の心を射止めることは無かったはずだから。

 大袈裟に言ってしまえば、初音ミクの声には「ソウル」があるんだと思う。言い方を変えれば、21世紀になっても鉄腕アトムは生まれなかったけれど、初音ミクが生まれたってことなのかな?

 一方で、「鏡音リン・レン」はお手軽に人間っぽい歌声を再現するのが難しいようで、ちょっと気になる。まぁ、これまでミクで培われたプログラミングのノウハウが、逆に悪い形で影響しているだけかもしれない。ここは今後の展開に期待。

 ま、それはともかく、何が悲しいかといって、Intelが入ってないマカーなオレの場合、どんなに望んでも、ミクもリンもレンもいじれないということ。マジ泣ける。

 いや、さすがに、これだけのために、新しいパソコン環境に手を出すほどには余裕ないからね……。  
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December 26, 2007

Miku Is A Punk Rocker:新しい日本の音楽シーンは初音ミクから始まるんだよ、きっと

 昼間、ネットにアクセスがまともに出来ないでいるうちに、どうやら事態はとりあえずの解決を見せたらしい。

「初音ミク作品」騒動、ドワンゴとクリプトンが“和解”コメント(ITmedia)

 ドワンゴとクリプトンによる共同コメントでは、特に以下の部分が興味深い:

音楽著作権の処理に関しては、現在のシステム・ルールがネット時代に即応できていない不十分な部分が存在するという認識で一致し、時代に即応した新しいシステム・ルールを構築できないか両社で協力し検討してゆきます。

 この発言は、今の著作権法のあり方に公然と「異議あり」の声を挙げたと言えなくもない。

 同じ戯言の繰り返しになるけれど、初音ミクの登場は、世界から30年遅れてようやくやってきた真の意味での日本におけるパンクロック的なるものの台頭なのだと、自分は信じて止まない。そして、今回の事件は、まさにそういう流れの一つなのだと思う。

 つまらない既成概念に囚われない、真の自由な音楽を楽しめる世界がようやくそこに見え始めてきた。とにかく、有象無象を問わず、面白ければ何でも良いから、ドンドン新しい音楽が生まれてきてほしい。

 とりあえず、エントリータイトルのネタ元、ラモーンズの「Sheena Is A Punk Roker」を:




 PS. 自分のつたない頭では紡ぎ出せなかった色々を、松浦晋也氏が12月25日のブログエントリー「初音ミクと終わりのはじまり」で丁寧に記されている。

1994年に日本でインターネットの一般への開放があった時、「これで世界は変わる」と言っても理解できない人は多かった。あれから13年、そろそろ色々な変化がでてきたな、という気がする。
  
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December 25, 2007

いみんのうた

 某SNS経由で知った作品。

【初音ミク】いみんのうた (α version)



 絵が良いっす。歌もカワイイ。まさにおっさんホイホイ(笑)。どうやらニコ動にはアップされていない模様。できればもっと高音質&高画質で体験したいっすね。  
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December 24, 2007

知らないうちに原盤譲渡してしまっているとしたら最悪

 気になる話があったのでクリップ:

【作者様要確認】初音ミク 新規問題【原盤権について】

genban


 某掲示板辺りでは「原盤権」に関する疑問が提起されている模様。

 確かに、もし、作者がその重要性を認識しないまま原盤権を譲渡する内容の契約にサインしてしまっているのだとしたら、それは色々と困るかもしれない。

 原盤権を譲渡してしまうと、たとえ100パーセント自分だけで作った音源でも、原盤権所有者の許可無しには、その音源を自由に公開したり販売・貸与することができなくなるから…。

 原盤権には、「複製権」「二次使用料を受ける権利」「貸与権」などが含まれていて、この問題があるからこそ、JASRACに楽曲使用料を払っても、そのままではYouTubeやニコ動の動画に市販の商用音源をBGMとして利用できない理由がある。

 まぁ、今のところは、多くの作者が契約をしていないと発言しているようなので、大丈夫だとは思うけれど。

 ちなみにクリエイターにとって一番好ましいと思われる契約のあり方は「非独占的な原盤の貸与」だろう。ただし、普通は独占的な貸与という形でないとレコード会社の方でOKしないのが実情。例外的な大物アーティストのような存在ならば、「CDに関しては原盤を独占的に貸与するが、ネット配信は別途協議」というような条件を認められる場合もありえるかも。  
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December 21, 2007

それでもミクは歌うよ♪

 気持ち良いミク作品があったのでご紹介:

地元の民謡をちょと攻撃的にしてみた【初音ミク】

hadano ondo


 民謡「秦野音頭」をスカでアレンジした好演。

 もし自分が、某D社の親会社でもあるA社の制作ディレクターだったりしたならば、即スカパラを起用してまんまでミクとの共演作品を作ってしまいたい。レコード会社の仕事ってのはそういうもの。で、嫌儲原理主義者とかはそういうのにすごく反発するのだろうけど、オレはミクが真の意味で「メジャー」になるなら何でもアリだと思う。

 ちなみにこの曲、現時点ではJASRACの作品データベースに登録されていなかった…。

 で、同じ作者による最新作がコレ:

【初音ミク】ハト【オリジナル】

hato


 すごくカワイイ、すごくオリジナル、すごくイイ!

 こういう作品が出てくるうちは、まだまだ大丈夫かな。ま、個人的に気になるところがあるとしたら、いまだに作品発表に最適な場が現実的にはニコ動しかないということか…。  
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Who killed Miku?:権利商売をするということ

 事の発端は「初音ミク、JASRACデビュー」(CloseBox and OpenPod)という話からだった。

 この件に関しては、自分のブログでも以前に「著作権処理がどうなっているのかがすごく気になる」というエントリーを書いていて、もし事が起これば、心ない人達が無意味にJASRACを非難したりして荒れるのだろうなとは想像していた。

 ただし、個人的には、多くの人に愛される楽曲を作る才能を持った人が、その賞賛を商業的な形で還元することは良いことだし、そのためには現行の著作権システム上でJASRACを利用せざるを得ないだろうことも理解していたので、まぁ、単純に「来たるべき時が来たな」ぐらいにしか考えていなかった。

 ところが、その後が良くなかった。

 「初音ミク」という商標権が蔑ろにされたまま事態が進行していたらしいという話が浮上。さらには、初音ミクで作品を作っていた著作者複数が掲示板などを通じて、不当な契約形態で着うた等に商業利用されていることを示唆しだした(なお、一部では匿名掲示板であることなどを悪用した愉快犯によるノイズも発生しているようで、この辺りは注意したい)。

 さらに、ここにきて、クリプトン・フューチャー・メディア側がブログ上で「着うた配信の経緯」という、いわば公式な説明を行った。

 以上に対して、ドワンゴもブログ上で「クリプトン社の謝罪に対するコメント」という声明を発表。(←イマココ)

 もはや泥沼である……。

 まず、最初に確定しておきたいのは、「初音ミク」というキャラクターにまつわる商標権および著作権を無視して仕事をすすめたのはドワンゴだということ。これだけは覆しようのない事実。この時点で権利商売をする企業としては大きな瑕疵がある。

 次に、楽曲の「著作権」、および録音された作品の「原盤権」が争われているようだが、これらを著作者から依託または譲渡してもらうに際して、契約書ではなく口頭で担保しようとしている節があって、これは口頭での約束も契約として成立するという法的な根拠があるのかもしれないが、やはり誠実なビジネスのあり方としてはかなり「黒い」という印象が強い。

 仮に正式な契約書を作成するだけの時間が確保できないとしても、契約を前提にした覚え書き等を書面で取り交わすのが、企業の「品格」(この言葉流行りすぎだなw)だと思う。

 個人的には、初音ミク、またはボーカロイドが持つ新しい「音楽」への可能性を強く信じていただけに、今回の事件は非常に残念だ。ま、それだけ、各企業もこの山がでかくて、莫大な金がその地面の中に埋もれていると感じているからこそ、ここまでの醜態をさらしても、自分達の正当化に躍起なのだろうけれど……。

 自分の短い人生で経験したことを振り返るに、権利商売にまつわる契約というのは、ある種、相手の落ち度をどこまで攻め込めるかという性格は必ずついてまわるのだけど、そこで「人としてのモラル」みたいなものを失ってしまうと、たとえその場では交渉に勝てても、その後に信用を失墜するきっかけとなる大きな負債も抱えることが多いなという印象がある。まさに「天網恢々にして…」という諺の通り。

 今はとにかく、一刻も早く事態が収拾され、多くのクリエイターが安心して「初音ミク(さらには鏡音リン・レン)」作品を発表できる環境が整備されることを願わずにはいられない。

4845612321よくわかる音楽著作権ビジネス―基礎編 3rd Edition
安藤 和宏
リットーミュージック 2005/09

マジなミク職人の人とかはこれぐらい読んでおくと良いかもね。買わなくても図書館という手もあるし…。

  
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December 15, 2007

これはイイ忘年会ですね

 忘年会って仕事のつきあいだと思うから我慢するけど、あまり楽しくないのが多いよね。でも、こういう会ならオレも「なぜ呼ばなかった?」と問い詰めたいかも(笑)。

はちゅねみく に 忘年会に来てもらった

bonenkai


 いやぁ、ニコ動の「コラボ力」ってやっぱりスゴイわ…。  
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December 14, 2007

これはスゴイ、まじスゴイ、テラすごいwww

 往年の電気グルーヴに匹敵するような馬鹿パワー全開120%の作品が登場。さぁ、音楽と映像による目くるめく快感に身を任せよう!:

初音ミク オリジナル曲「Frogging Dance」(いきなりまとも歌詞Ver.)

Frogging Dance


 いやぁ、初っ端からスゴイけど、途中もスゴイし、後半はかなりスゴイ(笑)。個人的にはサビの「さぁ Frogging Dance 踊りましょう」のメロが唐突な展開でかなり気に入った。なんだか昔のイギリスのヒット曲でこういう中世のお祭りっぽい曲があったのだけど、タイトルもアーティスト名も思い出せなくて悔しい…。

 で、この作者は他にも「初音ミク オリジナル曲『恋のレラレラ』」なんていうのを作っていて、これもポップで変なところが良い感じ。ちょっと木村カエラっぽいニュアンスの曲っすよ。


 PS. 思い出せないでいた曲は、イギリスじゃなくてカナダのバンド、Men Without Hatsの「The Safety Dance」だった。YouTubeにビデオがあったので貼っておくけど、これもかなり変(笑)。


  
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どうして自分はこんなに初音ミク作品が好きなんだろう?

 よくよく考えてみると、この数カ月、パソコン上だけという条件に限定すれば、そこで聴いている音楽の9割以上は初音ミクを使ったオリジナル作品だ。

 そして実のところ、自分の場合、これまでパソコンで音楽を聴くという行為はあまり縁が無かった。けれど、この数カ月はパソコンで音楽を聴く機会がやたらに増えている。

 つまり、それは何を意味するかというと、この数カ月で自分が聴いた音楽に占める初音ミク作品の割合がすごく高いということなのだ。

 なぜ、自分はこんなに初音ミク作品に魅了されているのだろう?

 その答えは簡単だ。今ネット上で手に入る初音ミクを利用して作られたオリジナル作品のほとんどは、「売るため」に作られた音楽じゃなくて、「聴いてもらうため」に作られた音楽だからだ。だから聴いていて素直に面白い。

 今さら説明するまでもないけれど、商業音楽に関わるクリエイターの多くは、売れれば売れるほど、その次はさらに売れなければならない宿命を背負っている。それが資本主義のあり方だし、音楽産業もそのシステムから逃れることは出来ない。だから、いつの間にか、締め切りまでに作り上げて売らなければならないという事情の方が、誰かに聴いてもらいたいという思いよりも大きくなってしまう。

 それに対して、UGC作品の多くは、単純に「何かを表現したい」という衝動や、「誰かに知ってもらいたい」という欲求だけで動いている。当然ながら、その作品で家族や社員を養わなければならないというしがらみも無い。

 そういう表現したいという衝動や、知ってもらいたいという欲求が、「純粋」だから美しいと思うほどに自分はおめでたいつもりもないけれど、ただ、そこには活動の見返りとしての経済も成立しないから、つまるところは、送り手側も受け手側も単純に「好き」か「嫌い」かだけで作品に関わることになる。単純明快だ。

 商業音楽に拮抗できるだけのクォリティーを持ちながら、まったく商業性の無いアマチュア作品が、これだけの圧倒的な数と勢いで巷に溢れるという事態は、従来の日本の音楽シーンには無かったことだと思う。

 この状況が、面白くない訳がないのだ。

 これまでも何度もこのブログに書いたきた話のぶり返しになるけれど、自分的には「ようやく日本にパンクロックが始まった」というニュアンスに近い興奮がある。(「パンクロック」で通じなければ、その部分を「レゲエ」「ヒップホップ」「テクノ」と置き換てもいい)

 どこまで今の非商業主義的なやり方が通用するのかは判らないけれど、「今」が終わってしまう前に、出来るだけ多くの色々なボーカロイド作品が登場することを期待せずにはいられない。


 PS. ん〜、朝に読み直したらツッコミ所満載で我ながらヒドイね(笑)。ま、夜中に書く文章なんてそんなもんだ。とりあえず、このままにしておこう…。  
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December 13, 2007

直球バラードだけど実はこういうの好き>【亞北ネル】「NO MUSIC,NO LIFE?」

 ひねくれ者のオレだけど、実はこういう曲が普通に好きということで(笑)

【亞北ネル】「NO MUSIC, NO LIFE?」 ver1.0[再生不具合解消版]

No Music, No Life?


 演奏がすごく良い。ベースとかギターとか、まさにオレの琴線に触れるパターン。当然、ミクの歌も自然な感じで良いし、曲の最後に「アキタ、ネル」と素っ気なくつぶやくのもグッとくる。

 ちょっと残念なのは、個人的に「No Music, No Life?」という某レコードチェーンのモットーが大嫌いなことだったりして…。  
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December 06, 2007

初音ミクもしくはニコ動が到達したUGCとしての一つの完成型

 「初音ミクニュース」さんの「12月6日の初音ミク&鏡音リン・レン情報」から、「全てが台無し―雑記帳―」さんの12月5日付けエントリー「『みんなのうた』レベルのすごい初音ミク動画」を経由して、たどり着いたのが以下の作品:

【初音ミク】おやすみのうた【別背景ver】

oyasumi no uta


 この作品はまさに、初音ミクもしくはニコニコ動画が到達した、コラボレーションを有効活用してのUGC(User-Generated Content、日本語だとCGMね…)の一つの完成型なんだろうと思う。この楽曲と演奏、そしてこの動画は、商業コンテンツとして十分というレベルを通り越し、完全にトップクラスの出来に仕上がっている。

 とりあえず、今の時間(夜10時過ぎ)だと「エコノミーモード」でしか体験できないのが残念。(その後、ノーマルモードで見たら、音も絵もさらに良かった)  
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December 05, 2007

YMO〜電気の系譜を引き継ぐミクノ師が登場した模様

 とりあえずカミングアウトしておくと、テクノってあまり好きじゃない(笑)。

 で、今回もコメント欄でMastさんに教えていただいた作品からたどった作者、ちゃぁ さんの一連の作品が素晴らしすぎた。テクノ好きじゃないオレでも関係なしにイイと思う!

【ミク_オリジナル】 cheep shooter

cheep shooter


 まず、ちゃぁ さんの作品は音が良いので、必ずニコ動でヘッドホンなど低音がちゃんと再生される環境で聴くべし。この曲は歌詞も良くて、なんというか、音楽が好きな人からの初音ミクブームへの回答って感じ。グッとくる。

君のハートを打ち抜いて
連れてって見せてあげる
音楽が飛び交う世界
夢の世界へ
この世では見れない
何処にも無い歌の世界
私が連れてって A・G・E・R・U
cheep shooter

 イントロのリフがサーフィンっぽくて、しかもそれがシンセで鳴らされると、年寄りとしては条件反射的にYMOとかを思い出してしまうなぁ(笑)。音色的にも、Suicideの「Dream Baby Dream」あたりのポップでキレイなのに毒があるみたいなところが気持ち良く、裏でドーンとなる爆発音的な効果もナイス。

【ミク_オリジナル】 silly slave

silly slave


 cheep shooterが底抜けに明るい方向に振った曲だとすると、こちらは「あなたの調教があれば 喉がつぶれるまでも歌うよ」とダークな感じ。一度ハマルと中毒性が高い。

【初音ミクオリジナル】 ミクイズム

mikuizm


 cheep shooterよりさらに磨きがかかったリフの力強さにのせて「いつでも どこでも 初音ミク〜」と歌うこの曲はインパクト大! かなりカッコイイ。これはフロアでかかったら、もうヘッドバンギングしながらブレイクダンスするしかない!(って、それなんて踊り?) ま、今もし自分が十代のガキだったら、これを聴いておそらく大興奮してたろう。まるで、生まれてはじめて「ライディーン」やコントーションズの「Dish It Out」を聴いたあの時と同じぐらいの感じで…。

 ちゃぁ さんの作品リストはコチラ。他の作品もそれぞれ個性豊かで面白いので、上記のどれかが気に入った人は是非チェックしてみて。あと、この人はなにげに絵も面白い。最新作の「blue out」は、曲よりも絵が好きだった。

blue out  
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December 01, 2007

初音ミク・エクスプロイテーション:第一期ブームの終焉がなんとなく見えてきたと思う

 「初音ミクニュース」さんの「12月1日の初音ミク&鏡音リン情報」経由で知ったのだけど、AVビデオ業界のあまりの動きの早さに驚いた。苦笑するしかない…:

初音ミクのAVが2作品登場。TMAとイフリートから2月発売(にゅーあきばどっとこむ )

 まぁ、こういうフットワークの軽さがあるからこそのエロ商売とは言え、なんだかねぇ。

 ほかにも「初音ミクフィギュアに予約殺到 2日で1万突破の『異常なペース』」みたいな話を筆頭に、初音ミク関連のニッチ・ビジネスは、今ものすごい勢いであちらこちらに生まれている。

 で、自分の過去の経験に照らし合わせてみると、こういう消費のされ方が始まったということは、すでにブームはピークを越えたということのような気がする。もちろん、実際に世間で初音ミクの認知度が高まるのはこれからだろうけど、もはやそこに新しい「何か」が生まれる可能性は低くて、単に消費しつくすだけの虚しい世界が待っているような…。例えば、あのTBSがまた出てくるとか(もちろん、今度はもっと初音ミク側におもねった態度になりそうだけどw)。

 初音ミクという「楽器」の登場に対して、何か突拍子もない音楽的に価値のある事件が起きるのじゃないかと期待していた自分としては、こういう世間の流れはあまり好ましいものじゃないけれど、ポップ・カルチャーの宿命として、エクスプロイテーションは必ず通過しなければならない儀礼なのだろう。

 その一方で、ボーカロイド関連情報収集サイト「初音ミクみく」さんの12月1日付け記事「うひゃーっ!muzieのpopsが1〜12位まで全部初音ミク!」を読めば判るように、アマチュア作家の間で自分の作品を発表するためのツールとして初音ミクが当たり前なものとなりつつある現実もある。

 今後の期待としては、ただ消費するためのブームが終わった後に、本当の「何か」が始まることかな。そう信じないと、辛いからね…。  
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