March 27, 2024

気分はジミヘンなカールコードエミュレーションボックスを作る

 ジミ・ヘンドリックスをはじめとして60〜70年代のロックな人達はギター用シールドケーブルとして今から考えればかなり伝導効率の悪そうなカールコードを愛用する人達が多かったのはよく知られている。

 なんとなればフェンダーからは当時のジミヘンが使っていたものを模した30フィート(約9.15m)長のカールコードが製品化されていたりもする。長いし重たいしで個人的にはあまり使いたくない代物だけど格好良さは捨てがたい気もする。


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B07HCGKY97Fender(フェンダー) シールドケーブル Hendrix Voodoo Child™ Cable, White

ジミ・ヘンドリックスは、その型破りなプレイと唯一無二のサウンドでロックシーンに大きなムーフメントを起こしました。
VoodooChiIdに代表されるElectricLadyLandの発表50周年を記念して、彼を象徴するアイテムの-つであるヴィンテージスタイルのカールコードを発売します。(製品紹介文より)


 どうしてカールコードの話なんかを持ち出したかというと、あのカールコードこそが実は当時のロックな音を再現するための重要な要素である可能性があるということ。そのあたりは以下のブログ記事が色々と蘊蓄を披露しているので読んでもらえればと思うのだけど、ポイントとしては30フィートもの長さのコードを使うとそれだけで静電容量が大きくなり音質にも大きな影響を及ぼすという事実。推定で2200pF〜3300pFの容量になっていた可能性があるらしい。

ピックアップの負荷容量(Load Capacitance)の違い
Jimi Hendrix's gear, Wah Pedal and FuzzFace with multiple coiled cables

 それならカールコードを手に入れてどれぐらいギターの音質に影響があるのかを試してみたいと思うのが人情。しかし、わざわざ高価なカールコードを手に入れても、長いし重たいしで実際に使う機会はあまり無さそうな気がする。それなら同じ静電容量をコンデンサで作り出して試してみればいいじゃないかということで、家にある有り物のパーツ類を使ってかなり適当なカールコードエミュレーションボックスなるものを作ってみた。

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 回路図にすると以下のような感じになるのだろうか? 自分はこの手の知識が全然無いので間違っているかも…。

schematic_mod

 使ったパーツは昔間違って買ってそのまま放ったらかしにしていた2200pFのコンデンサと1kΩの抵抗2つを並列につないで500Ωにしたもの。抵抗をはさんだのはクソ長いケーブルなら抵抗値もいくらかあるだろうという適当な当て推量から。なので抵抗なんて本当は不要なのかもしれない。(追記:シールドケーブルにおける直流抵抗はほとんど意味が無いようなので500Ωの抵抗は外すことに)

 さらにジミヘンは30フィートのケーブルを3本使っていたようなので、本来であればこのなんちゃってエミュレーションボックスも3つ作らなければならないのだけど、ケースとジャック類は1箱分しかなかったのでまずは1つだけ作成した。

 完成した箱とイマドキな伝導効率の良い3mのケーブル2本を使ってアンプで鳴らしてみたら、確かに音が少し甘くなる。本当にこれが30フィートカールコードの音なのかどうか正確なところは不明だし、単に音が劣化してるだけという話もあるけれど、ともかく気分はジミヘンだ(笑)。
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