November 26, 2021

実験:スチール弦アコースティックギターにナイロン弦を張ってみる(追記あり)

 なんとなくナイロン弦の生ギターが弾きたくなって、ネック細めで弦高も低くて楽そうなエレガットの中古を物色しようとネットであれこれ情報を漁っていたら、スチール弦用に作られたギターにナイロン弦を張っている事例をいくつか発見。

 さらに、ギター・マガジンの2021年12月号の中で鈴木茂がギブソンJ-45にナイロン弦を張っているというかなり邪道(笑)な話も出ていて(P87のピックの記事でさらっと触れられている)、こういうやり方は割と普通に皆がやっているのかもしれないと気づく。そういえば、鈴木茂はストラトについてもトレモロユニットのスプリングを外して木材プレートでブリッジ部を完全にブロックして使っているそうで自分とは気が合いそうだ

 それなら自分もわざわざエレガットを手に入れなくてもうちにあるアコースティックギターで実験できるじゃないかということで、スチール弦ギターのブリッジにも対応可能なボールエンド付きナイロン弦を手に入れて張ってみた。

IMG_0493

 ナイロン弦を張るときの注意点はスチール弦と同じようなつもりでペグポストに巻き始めるといつまでたってもユルユルのままで永遠に終わらないということ。ナイロン弦はスチール弦と違ってすごく伸びるので、ポストに巻き始める時点でピンと張ってそこからペグをぐるぐる回すぐらいでもポストの短いスチール弦ギターだとかなりたくさん巻くことになる。いわゆるクラシックギターのスロットヘッドになるけれど、どうやって巻くと良いかは以下のWebページの記事などが参考になる。

当日弾けるナイロン弦交換

 あとはクラシックギターよりもペグポストが短いウクレレの弦の張り方なども参考になるかも。

 で、なんとか無事にナイロン弦を張ることに成功して弾いてみたら、予想したよりはまともな音が鳴ったので実験成功(笑)。しかし、やはり弦のテンションはかなり低く、真っ当なクラシックギター的な鳴り方とは全然違うし音も小さい。もっとも、この小さくてテンションの低いゆるゆるなところが、逆にポロロンと適当につま弾くには丁度良い感じで自分的には狙ったとおり。スチール弦と違って指弾きでも全然痛くないのも良い。まー、真剣に弾きたい人にはまったくおすすめできないのは言うまでもないけれど…。


 しばらく弾いていて今のところネックが弦のテンション不足で逆ぞりしたりという不具合は出てないけれど、イントネーションがかなり怪しい。仕方がないので4〜6弦だけ、割り箸を削った木片にタイトボンドをまぶして気分だけ硬化させたへんてこりんな補正サドルをかませていくらか誤魔化すことに。

IMG_0496 2

 とりあえず、これで今のところはインチキなナイロン弦ギターのポロンポロンという音を楽しめている。しかし、あまりにゆるゆるだし音程も怪しいので、これに慣れすぎるとちゃんとした生ギターはナイロン弦でもスチール弦でも弾けない身体になりそう(笑)。

PS. 割り箸で作った補正用サドルから出る音がイマイチだったので、他のギターで交換して不要になっていたプラ製ナットを丁度良い大きさに削って新しいサドルを作ってみた。これまでよりも張りのある音になったので良しとしよう。(2022/3/21追記)

IMG_0513s


Amazon affiliate
ギター・マガジン 2021年12月号

本誌は、鈴木茂というギタリストとはっぴいえんどの価値をもう一度、我々なりのやり方で見つめ直してみたいと思い立った。そこで鈴木に8時間を超える異例の取材を決行、はっぴいえんどに関するすべてを語ってもらうことにした。鈴木茂のはっぴいえんどに対する強い情熱と愛情を、ページをめくりながら読み取っていただければ幸いである。(製品紹介文より)


このエントリーをはてなブックマークに追加