February 20, 2021

西浦博・川端裕人「理論易学者・西浦博の挑戦 新型コロナからいのちを守れ!」を読んだ

 ちょっとタイミングを逸した感もありつつ、やはり読んでおこうと思い入手。


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理論疫学者・西浦博の挑戦-新型コロナからいのちを守れ! (単行本)
中央公論新社

厚生労働省クラスター対策班「8割おじさん」の真実。未知のウイルスとの闘い、サイエンス・コミュニケーションへの挑戦、政治家・官僚との葛藤まで、本音で語る!「科学者の社会的使命とは何か?」自らに問いながら走り抜いた半年間の記録。(製品紹介文より)


 もはや第三波の流行が起きてしまっている状況なので、やや過去の事態を追認するような読書になってしまったけれど、流行第二波が起きつつあった2020年の夏頃までの時期に政府がどのような態度でCovid-19対策に臨んでいたのか、またそうした政治状況に対して西浦氏をはじめとした感染症対策に関わる専門家達がどのような活動をしていたのかが垣間見えて興味深かった。

僕たち専門家はただただ感染を制御しようと必死に次の対策を打ち出してきました。経済が心配になるのは分かっていましたが、経済的被害のシミュレーションをするんだったら、別の人がやってくれないといけないわけです。でも、振り返ってみても、そういう要素はどこにもありません。

 残念ながら政府は感染拡大防止よりもGoTo政策による経済振興を選んだ結果が2021年2月現在の状況なので、今後もあまり状況は変わらない可能性が高いという諦観を抱かざるを得ないし、さらにオリンピック開催で世界中から競技関係者や観客が来日すればさらなる厳しい感染拡大状況を覚悟する必要があるのかもしれない。

 単純に考えれば今はあまり明るい材料が無い社会状況に見えるけれど、持つ者にとっては日経平均株価が約30年ぶりに3万円台を越える美味しい時代でもあって、このままさらに物事は進んで行きそうで、持たざる自分としては正直なかなか辛いなと思ってしまう。
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