October 25, 2020

エレキギターのトーンは要らないか?

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 エレキギターのトーンは要らないか? たぶん若さにまかせてガツンと弾くギタリストには要らないと思う。自分も昔は全然必要なかったのでトーン回路ごとバッサリ取り外してしまったギターを持っている。まぁ、当時はボリュームもゼロかフルテンかで微妙に調整するなんてことはしなかったから当然だった。

 でも、歳をとってくると勢いにまかせてガツンと弾くということができなくなるので、その分色々と微調整をして誤魔化すようになる。これはなかなか悲しい。で、トーンを取っ払ったギターの場合はボリュームをいじると微妙にトーンのニュアンスが変わるのでしばらくはそれでしのいできたのだけど、いよいよ老いには勝てなくてトーンが欲しいと思うようになった。そこで家に転がっているあり合わせのパーツで遠い昔に捨て去ったトーン回路を再構築することに。

 シングルコイルピックアップに適した値(0.047μFあたり)のコンデンサが無かったので、これだけは通販で一番安く手に入るのを購入。送料含めて200円。たぶん秋葉原まで出かければ数十円で売っているような代物だけど、出かける手間と交通費を考えればそちらの方がよほど出費が痛い。

 世の中のギター沼にはまっているような人ならギターのトーン回路に使うコンデンサ(ギター界隈では「キャパシタ」と呼ぶ人も多い)には大いにこだわるのが当然なんだけど、個人的な経験では容量とポットの抵抗値の組み合わせ以外、コンデンサの種類で音質が激しく変わることは一切無かったし、このギターは音が良いなと思って裏蓋を開けて見てみると皆が嫌う安物の小さなマイカコンデンサがぽつんと載っていたりして、ビンテージもののコンデンサなんて必要ないんだなということを思い知らされること限りなし。割と普及してるでかいオレンジドロップでさえも場所をとるから邪魔なだけだと思うようになった。

 無事にトーン回路が復活したギターは、微妙にトーンのつまみをいじることでモッサリした音質と耳に痛いような高音が突き抜ける音質の中間をぬるぬると漂う感じで甘いのだけどキラキラしてるようなトーンが出るようになった。こういうのは勢いで弾いてカッコイイ若者には全く不要な音だろうけれど、もはや勢いなんてものと全然縁が無い老人ギタリストにはとても美味しい。ちょっと面倒だったけれど思い切ってトーン回路を復活させて良かった。


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SCUD マイラコンデンサー、0.047μF CR-473

本製品はリペアショップなど専門家による取り付けを前提として販売しております。ご自身で交換された際の破損、故障などのトラブル、事故などに関しましては自己責任とし、保証致しかねますので予めご了承ください。(製品紹介文より)


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