March 09, 2020
[ギター/エフェクター][音楽]
ギター用グラフィックイコライザーペダルが面白い
楽器用としてはイマイチ地味なエフェクターという印象があるグラフィックイコライザー。自分も遠い昔にマクソン製の「GE-500」というやつを持っていたけれど、ほとんど使わないまま誰かに譲ってしまった思い出がある。
グライコは他の歪み系やモジュレーション系、空間系のエフェクターに比べると、どうしても飛び道具的な派手さに欠けるので、積極的に使う人というのは少ない気がする。他に地味なエフェクターといえばコンプレッサー/リミッター系もそちらの部類になりそうだけど、グライコに比べるともう少し使い方をイメージしやすいのもあるのか、セッションなどに遊びに行っても使ってる人は時々見かけるのに、グライコを使っている人というのは一度も見た覚えがない。
で、普段からDAW上ではグライコをよく使うのに、ギター用エフェクターとしてグライコを使おうという発想は長らく無いままでいた。ところが最近YouTubeで以下のような動画を見てちょっと考え方が変わった。
ナッシュビルのセッションギタリスト、Tom BukovacがBoss製グライコペダル「GE-7」の具体的な使い方を披露している。そして注目すべきは、冒頭でGE-7はノーマルのままだとノイズが多いので改造してノイズを少なくして使っていると説明している点。
なるほど、そういうものかと思い、ネット検索してみると、日本語でも英語でもBoss GE-7のノイズ対策に関する改造情報はいろいろとヒットする。基本的には標準搭載のオペアンプの質があまり良くなくノイズが出やすいので、それらをもう少しノイズの少ないタイプに換装するのが基本らしい。あとはエフェクターの音質改善を狙う改造ではよくあるコンデンサー類の交換が挙げられていた。なかなか面白そうだ。
ということで、さすがに新品を買って改造に失敗するとかなり痛いので、安く出ている中古のGE-7を探して、さらに交換に必要なパーツ類を入手した。
改造作業は基板上のオペアンプとコンデンサーを載せ替えるだけ。半田ごて作業はあまり得意ではないので、ゆっくりと余裕をもってやったつもりだったけれど、それでもやはり半田が流れて接点がショートしてしまったのか、最初に組み上げたときはめちゃくちゃな雑音しか出なくなり、かなり絶望して落ち込んだ。
翌日、気を取り直して半田作業を丁寧にやり直したところ、幸運にもなんとか音が出るようになった。しかし、ノイズはほんの少し減ったかなと感じるぐらい。本当に改造の効果として想定されている性能が出ているのかどうかは怪しい(笑)。ただ、まぁ、ノーマルの時はずいぶんサーというヒスノイズが聞こえていた気がするけれど、改造後はそれほど気にならなくなったから、とりあえずは成功したということか…。
今のところ、ハムバッカーピックアップ使用時に、100、200、400、800Hzの中低音域を探りながら微妙にレベルを下げ(1メモリ未満程度)、1.6kと3.2kを逆に気持ちだけ探りつつで上げてやることで、ハムバッカー特有のモコモコする部分をわずかに削ってヌケを良くするのが効果的に感じる。いわゆるビンテージPAF系のような出力が低くて高音のヌケが良い雰囲気を、わざわざピックアップ交換することなく簡単に手に入れられるというと判りやすいだろうか。ただし、この手法では、ワウやファズのようなギターから直のハイインピーダンス信号状態で接続しなければならないエフェクターには使えないのが難点。この他にも微妙な音質調整が可能なので今後色々と実験してみようと思う。
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