February 24, 2020

宮野真生子・磯野真穂「急に具合が悪くなる」を読んだ

 ツイッター上で好意的なレビューが流れてきたのを目にして興味を覚え読んでみた。


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急に具合が悪くなる
宮野真生子・磯野真穂
晶文社(2019/9/25)

もし、あなたが重病に罹り、残り僅かの命と言われたら、どのように死と向き合い、人生を歩みますか?もし、あなたが死に向き合う人と出会ったら、あなたはその人と何を語り、どんな関係を築きますか?がんの転移を経験しながら生き抜く哲学者と、臨床現場の調査を積み重ねた人類学者が、死と生、別れと出会い、そして出会いを新たな始まりに変えることを巡り、20年の学問キャリアと互いの人生を賭けて交わした20通の往復書簡。(製品紹介文より)


 著者2人に関する知識も無いまま、装丁がほんわかした雰囲気だったのもあってかなり気軽に読み始めたのだけれど、読み進めるにつれてこれはとんでもない本だということに気がつき、そのまま一気に最後まで読み終えた。こんな本が作られて普通に読めるというのはすごいことだと思う。

 読んだあとはしばらく、人が生きるということ、「偶然」と「運命」みたいなものをつらつらと考えなおしてみたりもしたけれど、簡単に何か答えが見つかるようなものでもない。

 万人に薦められる類の本ではないのだけれど、本を読むことが好きな人なら一度は読んでみると良いような気がする。とくに人生の中で「死」というものに否応無しに付き合わなければならないことに直面してなにか助言が欲しいと感じるようなとき、この本はもしかしたらちょっとしたヒントになるのかもしれない。
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