October 17, 2018

ストラトキャスターのネックポケットに入っているシムの話

 うちにあるストラトは88年にFender USAで製造されたという刻印がついていて、ネックポケットには茶色い紙とごく薄い透明なプラ製(?)のシムがはさまっている。たまにトラスロッドの調整でネックを外すたびに対面していたけれど、かなり適当な感じの造作でこれがまぁいわゆる米国製のノリなんだろうと理解することにしていた。

shim

 ただ最近になってPRSのジョン・メイヤー・シグネチャーモデルのSilver Skyでトレモロブリッジの設定を説明する動画を見ていたら、フローティングをするかどうかでネック側のシムの有無が変わることを知った(シムの説明は3分5秒ぐらいから)。



 シムを使うのはブリッジをフローティングするとき用で、フローティングしないのであればシムは必要ないということになるらしい。自分はトレモロブロック自体を割り箸(本来はちゃんとした木のブロックが望ましいはずだけど…)を使ってブロックしてしまっているので全くフローティングしていない。つまりPRSの設定にならえばネックポケットのシムは不要ということになる。厳密にはPRSのSilver SkyはFenderのストラトとは異なるけれど、まぁSilver Sky自体がジョン・メイヤーの希望でほぼストラトと同じに作ってあるわけだから、おそらくストラトでも同じような案配になりそう。

 ということで、うちのストラトのネックポケットからシムを外して試してみた。結果としては、巷でよく言われるところのシムの有無で音質が変わるという部分はあまりよく判らなかったけれど、弾き心地がずいぶんと変わってしまった。わずか1ミリもない厚さのないシムの有無によってこれほど演奏性が変わるとは想像もしなかったけれど、これがとんでもなく弾きにくい。普段の慣れた手癖で適当に流し弾きをしてみてもミスタッチが異様に多くなる。最初は体調が悪いのかそれとも気分の問題かと思い、1日置いてから弾き直してみてもしっくりこない。

 これは明らかにシムの有無の違いでネックの感じが変わってしまったんだなということで、外したシムのうち茶色い紙のほうだけを入れなおしてみると、今度はこれだともうシムが厚すぎるような気がする。いささか神経質すぎるとは思いながらも紙を薄く剥いで半分ぐらいの厚さにして試してみたら、これが大正解。

 人間の感覚の鋭さというか、おそらくは単なる勘違いに近い自分の神経質さに呆れつつも、ネックポケットのシムの厚さはギターの弾き心地に相当影響するアイテムであることを思い知らされた。まー、おそらくは多くの人の場合シムの有無は音質変化を気にするのだろうけれど、そちらはギターアンプのセッティングで微調整できる範囲なんじゃないかと思うし、おそらくはストラトの場合トレモロユニットのスプリングの裏蓋の有無の方が影響大きいはず。自分は裏蓋外す派だけど、その理由は完全に音質の問題で、弦のはりやすさはオマケ程度のメリットだと思っている。裏蓋を外すと音のヌケがよくなる。一方で蓋をしたままだとちょっとセミアコぽいこもったニュアンスになるような気がする。まー、これも個人差の大きい気分の問題かもだけど(笑)。
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