January 24, 2015
映画「100円の恋」を観た(毎度のことながらもしかしたらネタバレ)
映画に詳しい知人から面白いので観ると良いよと勧められて初めてその存在を知った作品。
ポスター写真を見てかなり腰が引けた。けれど、とりあえず公式サイトで公開されている予告編を見てみたら、なんだか興味がわいたので観てみることにしたという流れ。
で、結果的にはこの予告編を見ずに本編観れば良かったなと後悔もした。なにせ予告編を見てしまうと、かなりストーリーの展開が読めてしまって、折角のこれからどうなるんだろうというドキドキ感がちょっとばかり薄まってしまったから。まぁ、予告編を見なければ本編観ようとは思わなかったので、なかなか悩ましい話だったりもするけれど……。
この映画のすごいところは、登場人物がことごとくダメ人間ばかりというところ。そのダメさ加減も、よくありがちなウィットに富んだ人情劇みたいな感じではなくて、本当に社会の底辺のどん詰まりな感じをリアルに描き出す方向。それだけに登場人物達への感情移入もあまり簡単ではない。おそらく映画の始まりから終わりまで全編を通して、登場人物の誰かにずっと感情移入できる人というのはあまりいないのじゃないだろうか。それでも、後半に向かってどんどん突き進んでいく主人公の一子の姿にはいつの間にか感動せざるを得ない訳だけど。
個人的には風邪で寝込んで起きたときに差し出された巨大なステーキ肉を食いちぎれなくてばかばかしくて笑った後、なぜかオイオイと泣きだす一子の姿に一番泣けた。あの感情の流れの描写は相当にグッときた。
ボクシングを始めて主人公の身体の動きのキレがバシバシと決まっていくのは本当に格好良くて、映画が終わった後に、後ろの席に座っていた若い男の子が自分でも気付かずなんだろうけれどかなり大きな声で「すげー格好良かったよね!」と叫ぶように友達に向かって語っていたのが、まさに判る判るという感じだった。
この映画、普通の人なら女性版「ロッキー」に例えて語ったりするのだろうか。ただ残念なことに、自分はロッキーのシリーズを一つも観たことがないので、はたしてその通りなのかどうかはよく判らない。それよりも、映画を見終わった後に最初に感じたのは、なんだかスコセッシの「タクシー・ドライバー」のような映画だったなぁということ。そんな風にこの映画を観た人間はおそらく世界で自分一人だけかもしれないけれど(笑)。ファンタジーなんだけど、妙にリアルで、その幻想と現実の境界を行ったり来たりしながらも、エンディングはどん底のままなのに夜の澄んだ空気感が心地よいみたいな映画だった。
その後改めて作品についてちょっとネットで調べたりしたら、この「100円の恋」という映画の脚本は、2012年に新設された脚本賞「松田優作賞」の第1回グランプリ受賞作らしい。ということは、まぁやっぱりハードボイルドなんだよね。タクシー・ドライバーを感じた自分の感性はそれなりに間違っていなかったのかな。
とりあえず、こういう映画が面白いよと教えてくれる友人を持っている自分の人生は、それなりに悪くないのだろうと思ったり。
ポスター写真を見てかなり腰が引けた。けれど、とりあえず公式サイトで公開されている予告編を見てみたら、なんだか興味がわいたので観てみることにしたという流れ。
で、結果的にはこの予告編を見ずに本編観れば良かったなと後悔もした。なにせ予告編を見てしまうと、かなりストーリーの展開が読めてしまって、折角のこれからどうなるんだろうというドキドキ感がちょっとばかり薄まってしまったから。まぁ、予告編を見なければ本編観ようとは思わなかったので、なかなか悩ましい話だったりもするけれど……。
この映画のすごいところは、登場人物がことごとくダメ人間ばかりというところ。そのダメさ加減も、よくありがちなウィットに富んだ人情劇みたいな感じではなくて、本当に社会の底辺のどん詰まりな感じをリアルに描き出す方向。それだけに登場人物達への感情移入もあまり簡単ではない。おそらく映画の始まりから終わりまで全編を通して、登場人物の誰かにずっと感情移入できる人というのはあまりいないのじゃないだろうか。それでも、後半に向かってどんどん突き進んでいく主人公の一子の姿にはいつの間にか感動せざるを得ない訳だけど。
個人的には風邪で寝込んで起きたときに差し出された巨大なステーキ肉を食いちぎれなくてばかばかしくて笑った後、なぜかオイオイと泣きだす一子の姿に一番泣けた。あの感情の流れの描写は相当にグッときた。
ボクシングを始めて主人公の身体の動きのキレがバシバシと決まっていくのは本当に格好良くて、映画が終わった後に、後ろの席に座っていた若い男の子が自分でも気付かずなんだろうけれどかなり大きな声で「すげー格好良かったよね!」と叫ぶように友達に向かって語っていたのが、まさに判る判るという感じだった。
この映画、普通の人なら女性版「ロッキー」に例えて語ったりするのだろうか。ただ残念なことに、自分はロッキーのシリーズを一つも観たことがないので、はたしてその通りなのかどうかはよく判らない。それよりも、映画を見終わった後に最初に感じたのは、なんだかスコセッシの「タクシー・ドライバー」のような映画だったなぁということ。そんな風にこの映画を観た人間はおそらく世界で自分一人だけかもしれないけれど(笑)。ファンタジーなんだけど、妙にリアルで、その幻想と現実の境界を行ったり来たりしながらも、エンディングはどん底のままなのに夜の澄んだ空気感が心地よいみたいな映画だった。
その後改めて作品についてちょっとネットで調べたりしたら、この「100円の恋」という映画の脚本は、2012年に新設された脚本賞「松田優作賞」の第1回グランプリ受賞作らしい。ということは、まぁやっぱりハードボイルドなんだよね。タクシー・ドライバーを感じた自分の感性はそれなりに間違っていなかったのかな。
とりあえず、こういう映画が面白いよと教えてくれる友人を持っている自分の人生は、それなりに悪くないのだろうと思ったり。