結構すごいことになってきたな…

May 26, 2007

結構すごいことになってきたな…

　またJASRAC絡みの興味深い訴訟で判決が下ったのだけど（詳細は「栗原潔のテクノロジー時評Ver2」の5月26日付けエントリー「副作用が大きすぎるストレージ・サービス違法判決」などを参照のこと）、こういう法解釈が為されてしまうと、もはや全ての著作物はデジタルメディア上で扱うことを法律で禁止するぐらいの措置が必要な時代になりそうだな（笑）。

　自分としては、それなりに大人な態度で日本の音楽ビジネス状況を見るように努めてはいるのだけど、それでもやはり、日本の音楽著作権にまつわる諸問題の多くを、単なる楽曲使用料徴収代行屋ごときの思惑だけにまかせてしまって本当にそれで良いのだろうかと思わずにはいられない……。

│comments(5)│trackback(0)│

この記事へのコメント

突き詰めて考えれば、立法の問題ということは、イコール選挙で投票する国民の意思ということになる訳ですが…。個人的には、現行の著作権問題に関しては、一部の既得権益者にとってのメリットが大きくなりすぎていて、ややバランス感覚に欠けるのかなという気がしています。

Posted by wms at June 01, 2007 07:31

なるほど、僕が思ったよりも奥が深い出来事のようですね。CDをrip & 携帯にcopyができない人向けのサービスと言われれば、なんとなく納得。(笑)

TV番組を留守録できないオバちゃんの代わりに録画してあげるサービスが違法かどうか、というアナロジーで考えるべきかもしれません。そうすると、ちょっと行き過ぎなんじゃないかという評価もありですね。

しかし、現行法に照らすと著作権侵害に当たるというのは、裁判所として当然の判断かと思われますので、変な違和感についてはどう手当てするかはまさに立法問題でしょう。

Posted by 極論 at May 31, 2007 23:51

色々とコメントをいただきましたが、今回の問題点は、原告側が特定条件下での著作権侵害を理由に告訴したのに対して、司法側が広く汎用性のある条件（つまりは音楽に限らず著作物全般とか…）を対象にすると共に、ネット上のストレージサービス全般が違法対象になるような見解の判決を下したことにあると思います。つまり、JASRACが当初意図した思惑よりも、JASRACにとって美味しい判決だったということでしょう（笑）。

また、携帯電話にCDをリッピングして取り込む云々という話に関しては、まさにその通りなんですが、判決内容からすると、一般の人はとてもそんな難しいデータ処理が出来ないので、今回の被告のようなサービスを利用することになり、そういう形こそが著作権侵害であるということになっているようですね。まさに噴飯ものの論理展開ですけれど、もしかするとリテラシーが低い世界では本当にそうなのかもしれません…。

Posted by wms at May 31, 2007 22:14

（連続ポストで失礼します）

それよりも、自分の所有するCDを自分の携帯で再生するために、わざわざネットにアップする必要がどこにあるのでしょうか？今どきの携帯にはデフォルトで音楽取り込み用のソフトがついて来ますよね。

　①CDをrip→ネットにupload→携帯にdownload
　②CDをrip→携帯に蓄積

いずれが手間も暇も少ないかは一目瞭然なのですが．．．。

Posted by 極論 at May 31, 2007 21:57

参照されているコメントの方が地裁判決よりも極論のような気がします。

例えば、文房具店やコンビに設置されているコピー機を利用して自分の所有する本をコピーするのは私的複製にあたります。一方、結果的には同じであっても、お店がコピー代行サービスを行うのは私的複製の範囲外です。（Kinko'sなどの印刷サービス屋では、書籍持ち込みで丸ごとコピーを依頼しても断られます。）

今回の判決は、上記とのアナロジーで考えれば当然と思われます。ま、話題の高部判事による判決ということで盛り上がっているのかもしれませんが。(笑)

Posted by 極論 at May 31, 2007 21:56

名前:
メール:
URL:
情報を記憶:
コメント:

このページの上へ▲

what's my scene? ver.7.2

May 26, 2007

結構すごいことになってきたな…

「音楽」カテゴリの最新記事