February 23, 2007

どうでもいい話:日本の音楽の歌詞はなぜつまらないのか

 いとうせいこう氏のブログ「readymade by いとうせいこう」の2月22日付けエントリーで興味深い話が書かれていたので以下にそのまま引用:

ミドリカワ書房のニューアルバム『みんなのうた 2』を聴く。
 正月に会ったとき、「メジャーでは出ません」と言っていた意味がよくわかった。
 「腰の曲がったおばあちゃんを さっき僕らは轢き逃げした」で始まる『ドライブ』。
 「母さん とうとう来週の水曜日だよ 母さん とうとう法律に僕消される」と歌う『母さん』(つまり死刑囚の歌なのだった!!)。
 「文学で許されている表現が、なぜ音楽ではダメなのか」というミドリカワの真摯な世界構築は、音楽界的にはあまりにシニカルでブラックなのである。
 がしかし、ミドリカワの主張は正しい。
 音楽であらわされる世界観はもっと拡張されるべきである。

 ひき逃げというシチュエーションの曲はすぐに思いつかないけれど、単に「人を殺した」とか、「死刑になる」ということを示唆するような内容なら、世界的なヒット曲がすでに存在していて、それはまさにクイーンの「ボヘミアン・ラプソディ」だったりする:

Mama just killed a man,
Put a gun against his head,
Pulled my trigger,
Now he's dead
… … … … …
Goodbye, ev'rybody, I've got to go,
Gotta leave you all behind and face the truth
Mama, ooh, I don't want to die

 この曲がもし日本語の歌だったら、日本のメディアで放送されることはあまりないだろうし、それ以前に商品化されてないのかもしれない…。

 いとうせいこう氏が言うように、なぜ日本の商業音楽は文学と同等の表現が許されないのだろう? 文学なら商業作品と分類できるようなものでも、かなりきわどい表現が許されているし、また一般の書店でかなり「ヤバイ」内容の本だって、いくらでも入手できる。けれど、音楽の場合はそうじゃない。何か変だよね。まぁ、単にレコード会社のケツの穴が小さいということだけなのかもしれないけれど(笑)。

 もっとも、単にヤバイ内容を歌っていれば、それで良いのかと言えば、やはり音楽としても面白くないと聞きたいとは思わない。例えば、ボヘミアン・ラプソディは、歌詞が判らなくても、音楽としてのインパクトがスゴイ。だからこそ(勘違いして)日本でもヒットしたのだろうし。

 そういう意味では、アンダーグラウンドな世界で、ヤバイ歌詞だけど音楽的にはつまらないことをやっていてもしょうがないという話でもある。

 で、どうでもいい話なので、オチがないまま、これでおしまい。
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この記事へのコメント
たまたま見つけましたので足跡を。
ドライブも母さんも
「みんなのうた2」に収録されていますよ
Posted by 通りすがり at May 13, 2007 14:33