February 18, 2007

地上波テレビというメディアに国税を注ぎ込むだけの価値はあるのか?

 基本的に地上波テレビ番組を見ない身としては、地デジ関連のゴタゴタはどうでもいい話なのだけど、そこに貴重な国税がまた新たに投下されようというのであれば、文句の一つも言いたくなる。

地デジチューナー、低所得者に無料配布・政府と与党が検討」(日本経済新聞)

 政府・与党はテレビの地上波がデジタル放送に全面移行するのをにらみ、低所得の高齢者世帯などへの受信機の無料配布を検討する

 これ、「低所得の高齢者世帯」の定義をどうするかとか、そのほか諸々、ツッコミどころが満載のように感じる。例えば、低所得でも高齢者じゃなければダメなのかとか。あとは、無料配布されたチューナーがネットオークション等に大量出品されるだろうという予測もあったりして、これは最近の社会風潮を考えると、まず間違いなくそういう事態になるだろう。

 で、かなり杜撰な話だなと思っていたら、池田信夫氏がこの件に対して、「国営化される民放」というブログエントリーを書かれていた。同氏が指摘するポイントは以下の通り:

・政府が、2011年までにデジタル化を完了することは不可能だと公式に認めることを意味する

・チューナーが配布されることがわかっていれば、テレビを買い換えないで2011年を待つことが合理的になる

・政府が千万台単位のチューナーを調達することによって、家電メーカーがゼネコン化する

 これらはまさに的を射た指摘だと思うけれど、まぁ、政府がこんな考え方を認めるはずはないから、結局はまた無駄に税金が使われて、一部の利権者の懐だけが潤うということになるのだろうね……。
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この記事へのコメント
政府の立場から国民にあまねく知らしめねばならない情報があるからデジタルチューナーを無料で配る、というなら政府公報番組とニュース番組と天気予報だけ映るチューナーを配ればでいいんだと思いますね。
Posted by かうじ at February 19, 2007 00:08
話はちょっとずれますが、ショッピングはともかく、無料のテレビ放送なんて「政府公報番組とニュース番組と天気予報」だけ見ることができればそれで良いと思うので、NHKはそういうシステムにして、その分受信料を今の10分の1とかにするのが妥当かもしれないですね。
Posted by wms at February 18, 2007 22:15
まだ検討している、という段階なので何とも言えない面はありますが
税金で賄って無料で配るのはどう考えてもおかしいですね。
どういう理由で税金で賄おうというのでしょうか?

なんであれダタで配るんだったら買おうって人は減るのは明らか。
よっぽどの機能制限でも付ければ別でしょうけど。
例えば政府公報番組とニュース番組と天気予報とテレビショッピング番組とCMしか映らないとか。(笑)

実際の思惑は低所得者への救済ではなく世論操作のためには視聴率の高いメディアが有効だからなんでしょうけど。
Posted by かうじ at February 18, 2007 16:29