July 02, 2006

映画「No Direction Home」を観て

 昨夜に引き続き、パート2を観る。

 後半は、予想した以上にヘビーな展開。スターになるということは、ある瞬間から苦行以外の何ものでもないということがよくわかる映画だった。その後、ジャニスやジミが死んでいったのも、同じような理由だったのかもしれないなと思ったりする。

 デヴィッド・ボウイが、いつでも好きなときに辞められる「ジギー・スターダスト」というキャラクターを纏ってスターの頂点を極めたのは、先達の苦労を十分に勉強していたからなのかもしれない。

 幸か不幸か、ボブ・ディランは生き残った訳だけど、それを「幸か不幸か」と表現するほどに、ファンという存在は残酷で無責任なのだ。そして、それでも、やっぱり、「Like A Rolling Stone」が生まれた瞬間は、背筋がぞくぞくするほどにカッコイイ瞬間だった。

 それにしても、日本の音楽ファン(もちろん自分自身も含めて)の最大の不幸は、ディランをはじめとした海外のアーティスト達の歌う言葉を、リアルタイムで聞き取ることが出来ないことだ。その歌われる言葉の意味をどう解釈するのかは個人の自由だけど、そういう解釈をする以前に、何を歌ってるのかがサッパリ判ってないというのは、あまりにもお馬鹿さんであまりにも悲しい。なんとかならないものかと思うけど、いかんともしがたいのだよなぁ…。
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