July 02, 2006

ラジカセ・デイズ――ただのオヤジの回想

 色々とリンクを辿っていたら、「初期ラジカセの研究室」という個人ホームページを発見。懐かしい…。

 生まれて初めて手にした自分用のオーディオ機器は、ソニーの「スタジオ1700(CF-1700)」だった。とにかく当時としては画期的なほどに音で遊べる機能がてんこ盛りで、ミキシング機能を使って訳のわからないノイズばかりを作っていたっけ。あと、変な小冊子が付録で付いてきて、これに「キュー」だとか「フェード・イン/アウト」だとか、そういったスタジオ用語がたくさん紹介されていて、音楽制作現場への憧れをむやみにかき立ててくれるバイブルだった。今から考えると、このラジカセとの出会いが、一人のガキの夢を飛行機エンジニアから音楽エンジニアに変えてしまった訳だ(もっともどちらの夢も実現しないままだけど…)。

 で、スタジオ1700が壊れて、次に手にしたのが「スタジオ1775(CF1775)」。こいつは、当時「LL(「Language Laboratory」の略、死語だな)」と呼ばれた語学学習用モデルなんだけど、要は2トラックを独立して録音可能な一種のマルチトラックレコーダー。バックトラックを録音した後に、そのままリードトラックを録音するみたいな使い方に対応した。今じゃそんなことは当たり前のように簡単だけど、当時はまさに夢のよう。で、完成したミックスを他のテープにダビングしなおして、さらにまた音を重ねるなんてことばかりやっていた。あと、再生時のみだけど、テープ速度を変更できるのも画期的だった。結局、カセット4トラマルチが出てくるまでは、このラジカセが自分のレコーディングスタジオそのものだったな。

 今やカセットテープ自体が滅びようとしている時代になってしまったけれど、こうしてガキの頃を思い返すと、自分にとってラジカセはものすごく大きな存在だったんだなぁと改めて気がつく。なんだかちょっと感慨深い。あの頃、いっしょに遊んでくれてありがとう。

 それにしても、「ラジカセ」って言葉はパイオニアの商標なんだね。今初めて知った。そういえば、当時のパイオニアのラジカセは、なんだかやたらに高級品ってイメージだった。確か、ジャックマン・ウルフウルフマン・ジャックがCMキャラで登場したような、違ったっけかな? あれは松下か? ま、パイオニアのCMと言えば、ライ・クーダーが登場した「Lonesome Carboy」が白眉なんだけど、それはまた別の話…。

 PS. 「初期ラジカセの研究室」の いた さんから、パイオニアのCMに出ていたのは「ウルフマン・ジャック」だったというご指摘をいただきました、ありがとうございます。自分では、そのつもりで書いていたのに、完全に間違った表記してた…(大汗)。
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この記事へのコメント
おぉ、しゅみもんさんもLLラジカセでしたか。一度、ソニーのスタジオシリーズ使用経験者を集めてオフ会とかやってみると、面白いかもしれないですねぇ。

ところで、某A社パソコンのオマケソフトの不満点は、ロケーション指定でパンチインアウトができないことです。もっとも、そういう使い方自体がかなり時代錯誤的なのかもしれませんが(笑)。
Posted by wms at July 03, 2006 23:05
わたくしもCF1980と思われるもの(多分)を所有していました。

なにせクイーンの子なのでやるこたひとつ。

CF1980(仮)で多重(と言っても二重)録音→外部小型テレコに結果を録音→CF1980(仮)の片チャンに戻す→CF1980(仮)で多重(と言っても二重)録音、以上のループ=ワウフラッターふにゃふにゃ自動フランジャーで音程のヤバくなった録音物、でしたけど。

その後アナログ時代に4tr→8trで録音機器に散財しましたが、今やパソコンのオマケアプリケーションであんなことやらこんなことやらができてしまうわけで、、、
Posted by しゅみもん at July 03, 2006 12:08
あの頃は、ビデオデッキなんて存在は、想像上の夢の機械でしかなかったから、好きなテレビ番組とかは、音声だけを録音して、後から聞き直して、頭の中でシーンを再現したりしてました。はじめて、テレビからライン録り出来ることを発見したときはうれしかったなぁ…。

あの頃録り貯めたカセット、全部引っ越しで捨てちゃったのは、今から考えるとかなり痛い。ま、今でもベストテープの一部は、頭の中のラジカセで再生できるのだけど、できれば本物を聞き直してみたいものです。
Posted by wms at July 02, 2006 23:50
ををっ。うちにもありましたよ>スタジオ1700
写真見て思い出しました。もしかしてまだ実家にあるかも知れません(笑)
しかしこんなに持ってる人が大勢いたなんてびっくり。

僕はここからBCL,Hamに逝っちゃったので自分持ちとしてはスカイセンサー5900。ラジカセとしてはテレビの前に置いて、音楽番組を録った想い出があるくらいかなあ。
Posted by ivanov at July 02, 2006 18:01
そうですね、ダイヤルいじって、短波から入る謎の音は、まさにプアマンズ・シンセサイザーでした。あとは、マイクのハウリング。フィードバックなんていうカッコイイ名称も知らないままに、ピーガーやってましたっけ。

確かに、ホルガー・シューカイのやってることは、何の違和感もなくすぐに理解できました。というか、個人的には何の新鮮味も感じず、ただ、やり方が非常にスマートだったので、さすがプロは違うなと感心しました。…って、えらく尊大な話になってますね、すいません(笑)。
Posted by wms at July 02, 2006 12:47
スタジオ1700>
これ子供の頃家にありましたようっわー。
ノイズ作成マシンとしては「短波が入るとこ」も大きなポイントだったように思います。ホルガー・シューカイのやってることがすぐ理解出来たという・・・.
Posted by tami606 at July 02, 2006 12:20