January 31, 2006

洋楽・邦楽論(あくまでも個人的な感覚なんだけどさ)

 最近、一部の人達の間で、レコード輸入権(正式には全然違う名前だけど、どうせ誰も普通には使わないような名前で、オレ自信どんなものだったのか覚えていない)に関連した話題として、「洋楽」と「邦楽」の区別はどこでなされるべきかという議論がある。

 まぁ、輸入権というルールの運用面を論ずるにあたっては、その線引きがどこでなされるかは明確にされなければならないことなのだけど、洋楽と邦楽の違いなんていう、こんなつまらないことをまじめに議論すること自体が徒労であり不毛だと感じてしまう。それぐらい、どうでもいい法律なんだよなぁ…。

 で、色々な人の意見を読んでいるうちに思ったのは、真の音楽好きならば、そろそろ洋楽と邦楽というジャンル分けはやめても良いのじゃないかということ。(輸入権の運用云々とは切り離して、一般論としてという意味で)

 こういう区別は、なんだかナショナリズムっぽいし、オレから見ると、明らかに国籍や人種等を根拠にした差別行為に見えてしまうのだ。まぁ、オリンピックと同じ感覚なんだろうけど、なんだか自分には馴染まない考え方になってきた。(もちろん、同じ日本人アーティストが世界を舞台に活躍をするようなことがあれば、それは見ていてナンダか妙に気持ち良いのだけど…)

 例えばぶっちゃけた話、某フランス人女性アーティストが日本制作でやってる音楽なんて、あれは「日本人が幻想を抱くお洒落でバーチャルなおふらんすの音楽」であって、フランス本国で歌われ聞かれるネイティブなものではなく、極論すれば、まさに「日本文化」の一つだったりする訳だし。ただ、ここで今こういう風に書いたこと自体が不毛な洋楽・邦楽区別論の一例でしかないのだけど…。

 あと、不毛な洋楽・邦楽区別論のついでに書いてしまうと、チボマットなんて、あれはやってる人達が日本人であっても、オレから見たら完全な洋楽だった。あれを邦楽と判断するとしたら、それは何がなんだかオレには理解不能な論理になる。もっとも、この辺りになると、もはや感覚論でしかなくなってくるから、まじめに議論しても疲れるだけだろうから、コメントはご遠慮ください(笑)。

 とにかく、百歩譲って、リスナーが洋楽・邦楽という区別をして音楽を聞くのは仕方ないことだとしても、音楽を作る側のクリエイターがそんなことを言っているうちは、100万年かかっても、世界に通用するような音楽を創造できるとは思えない。そういうのを、昔の人は「井の中の蛙大海を知らず」と上手く表現したものだ。

 ま、プロフェッショナルな人達からすれば、日本というマーケット専用に「もの」を作って売る方が採算をとりやすいというのもあるけれど、それはまた別の話。車で例えるなら、日本でしか売られていないクラウンとかがそう。ただ、あれもだんだんフェードアウトする時代になってきた感が強い。少なくとも、世界マーケットでやっているトヨタの立場にしてみたら、実は早く切り捨てたい「お荷物」なのかもしれないし…。
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この記事へのコメント
コメントありがとうございます。

突き詰めていくと、邦楽と洋楽の境界線は、普通の日本語で歌っているか否かという辺りなのでしょうね。

したがって、インストはもはやボーダーレス(境界線がない状態)であり、洋楽と邦楽を区別すること自体が意味をなさないような気がします。
Posted by wms at January 31, 2006 21:15
>チボマットなんて、あれはやってる人達が日本人であっても、オレから見たら完全な洋楽だった。

議論吹っかける訳ではありませんが、
禿同です。

逆説的に見て、一般のごく普通の邦楽(オリコン)のみ
聴いている人たちにチボマット聴かせたら
どこの洋楽?って聞かれそうですけどねぇ〜。w
Posted by hideaki at January 31, 2006 20:27