January 22, 2006
[マンガ・本]
どうでもいい話
以前から気になっていたのだけど、ネット検索で調べてみたら、MYCOM PC WEBに連載されていた福冨忠和氏によるコラム記事「東京バイツ」の第107回(2002年11月27日)「作品の成功如何は「圧力をかけた」過去の技術と関係があるという一部の主張」で、その経緯がかなり詳しく説明されていた。以下、その部分を引用してみる:
このゴシック/アンチックの定型化は、写植よりも前の時代、活版印刷用の活字を清刷り(活字をきれいに紙に刷ったもの)にして使ったことからはじまっているらしい。当時も、また写植を使うようになってもしばらくは、漫画の印刷は1ページ全体を1枚の凸版(活版印刷に使う図版部分のハンコ)に製版して印刷する通称「全凸版」という方法が採られていたが、まだ製版の精度がさほど高くない時期に、紙に圧力をかけてインクを刷る活版印刷の方法だと、細かな文字は判読できなくなったり、絵の線と混同したりしやすかった。そこで、活字の中では比較的一般的で、線も太い、太ゴシック体とアンチック体が使われるようになったらしいのだ。
つまり、いまでは雑誌印刷にはほとんど使われていない活版印刷の技術的な制約が、漫画の吹き出しのスタイルを決めているのだ。
ということは、オレが生まれて初めてマンガを読んだ時には、すでにこの書体の組合せだったということになりそうだ。本当につい最近まで、この事実に気がつかなかった自分が情けない。
世の中のことを、自分ではちゃんと見ているつもりでも、何も見ていないことばかりなんだなぁと改めて反省。
あとは、技術的な話になるけれど、かなの部分の書体は「明朝」じゃなくて「アンチック」というらしい。色々と勉強になりました。