December 06, 2004

希望という名の…

 今の日本には、自分達が子供の頃にはあった「希望」という言葉への現実感が希薄だみたいな話をしていたら、突然、70年代初頭にヒットした岸洋子の「希望」という曲を思い出した。歌詞自体は、ネット検索すると色々拾えるみたいなので、ここではオレが子供心にもすごくショックを覚えた一節だけを以下に引用:

けれどあたしが 大人になった日に
黙ってどこかへ 立ち去ったあなた
いつかあなたに また逢うまでは
わたしの旅は 終りのない旅

 この歌の中で「あなた」と呼びかけられているのが「希望」なんだけど、結局「希望」には出会えないままで歌は終わってしまう。しかも、出会えそうな予感もあまり感じさせない、美しくも哀愁あふれるメロディーで、かなりヘビーだ。

 岸洋子で色々と検索したら、報知新聞のWebサイトで「芸能この日何の日」というコーナーがあり、そこで「12月11日:自分の歌いたいものだけを歌い続けた」というタイトルでシャンソン歌手・岸洋子の人生が簡単に説明されている。こんな苦労をしてまで歌い続けた人だとは知らなかった。

 岸洋子の「希望」を聴いてみたい人には、「ビッグスター1500シリーズ:岸洋子」あたりが安いのでお薦め。まぁ、今改めて聴くと古くさいだけかもしれないけれど…。ただね、こういう歌がちゃんとヒットして、テレビやラジオで何度もオンエアされたという事実を考えると、昔の日本の音楽シーンは今より大人だったし、ちゃんとしてたんだなと思ったりする。



 希望つながりでは、イギリスの詩人Anne Clarkの朗読で「Hope Road」というのがあって、これも結局Hope Roadは見つからないというオチだったっけ。この朗読はアルバム「Hopeless Cases」に収録されているのだけど、ラジオでオンエアされているのを聴いて、これもなんだかすごくショックだった思い出が残っている。
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