December 09, 2004

映画「End of the Century - The Story of the Ramones」を観た

 かなり暗い映画であるという事前情報は知っていたので、覚悟して映画館へ観に行った。



 で、感想を一言で表現するなら、確かに気の滅入る話も出てくるけれど、暗いというよりは、ひたすら「切ない」映画だった。この映画をレンタルビデオで家で一人で観てたらボロボロ泣いたかもしれない…。さすがにいい年こいたオヤジが映画館で泣く訳にもいかない(笑)のでグッとこらえたけれど。映画が終わってお客さんの顔を見てみると、男女問わず目が赤くなってる人が多かったな。

 ロックバンドなんて商売は、本当報われないことばかりなんだろうなぁ。そんなことを言うと夢も希望もあったものじゃないけれど。それでも、ロックしか出来ない奴がバンドを組んで活動を始める訳で、ラモーンズもそういうバンドの1つだったということ。

 余談ながら、ちょうど今、ライブハウス「CBGB」のドキュメンタリー本「THIS AIN'T NO DISCO: The Story of CBGB」を読んでいて、興味深い話がバンバン出てくる。ラモーンズは、どうやら練習の鬼だったらしい。日本語訳の「CBGB伝説―ニューヨーク・パンク・ヒストリー」もあるけれど、この邦題はなんだか大袈裟でCBGBっぽくないな(笑)。


追記:映画を観る以前に書いた関連エントリー(2004/9/18)

 日本でも公開予定があるらしいラモーンズの伝記映画。本国での宣伝用Webサイトのトップには先日亡くなったジョニー・ラモーンの言葉が大きく引用されている:

"It's a very dark movie. It's accurate. It left me disturbed."
「やたらに暗い映画。話は本当だ。オレは見てて嫌になった」

 いろいろ伝え聞くところによると、マジでかなり気が滅入る内容らしい。New York Timesの追悼記事「Johnny Ramone, Pioneer Punk Guitarist, Is Dead at 55」(閲覧には無料登録が必要)でも、メンバー間の確執に関する逸話が記されていて、その内容はちょっとばかりヘビーなものだった。

 たまたま時を同じくして日本でもチェッカーズのことでメディアが騒いでいるけど、プロで何年もやってるバンドなんて、皆同じような問題を抱えているのは当然。社会人なら誰でも経験するように、職場の人間全員を好きになるのは難しいし、中には心底嫌いな奴もいたりする。だけど、それだけで仕事を辞める訳にはなかなかいかない。ましてやバンドなんて、大抵はすごく気の合う友達同士から始まることが多いから、一旦仲違いをしてしまうと、かなり悲惨な状態に陥るのは想像に難くない。メンバー間で、プライベートに何をしてるかお互い全く知らないなんてのは割と普通の話だし。

 最後に、映画の話に戻って、ラモーンズのメンバー以外で登場する豪華な顔ぶれをLos Angeles Timesの記事から拾っておく:Nicolas Cage、Anthony Kiedis & Flea(Red Hot Chili Peppers)、Billie Joe & Mike Dirnt(Green Day)、Tim Armstrong(Rancid/Transplants)、Slim Jim Phantom(Stray Cats)、Steve Jones(Sex Pistols)、Joe Strummer(Clash)、等々。どうやら、ジョー・ストラマーのインタビューも生前最後のものらしい…。
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