October 12, 2024

ワウのトゥルーバイパス化でスイッチングノイズが大きくなった

 Voxのワウペダル「V847A」の切替スイッチをトゥルーバイパス化してインジケーターLEDを追加する改造をした。



 とりあえず上手くいったのでスタジオで使ってみたら、エフェクトのオンオフ時にスイッチを押すと、バチン!とかなり大きなノイズが出るようになってしまった。

 気になるので調べてみたら、これは3PDTスイッチをエフェクターに安易に使うと必ず出てしまう症状らしい。以下のWebページの解説がとても判りやすかった。



トゥルーバイパスについて

スイッチングノイズとは「ボフ」とか「バチッ」っと言うノイズになります。
このノイズはあまり大きいとスピーカーに負担を掛けて最悪スピーカーが壊れます。

では、スイッチングノイズは何故発生するのでしょうか?
ギターのジャックを抜き差しする状態と言ったら分かりやすいでしょうか?
原因は無接続状態の発生と電位の変化です。

 この問題の解決方法として、上記のページでは「カップリングコンデンサ」の導入や、より良質なスイッチ部品の採用を勧めている。しかし、今回の自分の場合は上記ページで「本来のトゥルーバイパスの意図からかけ離れたもの」と批判されている抵抗をスイッチに付ける配線を試みることにした。理由はといえば、単純に配線が簡単だから(笑)。

 検索で得た他の情報を参考にして、入力信号からグラウンド(アース)側へ1MΩの抵抗を介して結線してみる。試しにスイッチを切り替えてみると、これまでの「バチン!」という音から「パチン」程度に小さくなったような気がする。ただし、この配線が影響しているのかインジケーター用LEDの明るさが暗くなってしまった。

 残念ながら配線の現状を完璧には理解してないのでこの問題をスッキリと解決できなかったけれど、とりあえずはこれでしばらく使ってみることにしよう。いずれちゃんと勉強して完全な解決を目指したいと思いつつ、そんな日が来ることは永遠に無さそうな気もする……。

追記)
 その後になって冷静に考えればLEDが暗くなるということはLEDの回線に抵抗が入ってしまっているということなので、そもそもが結線が間違っているということになる。改めて配線を見直してみたところ、LEDの回線部分以外の場所に抵抗を追加することができたので、無事大きなスイッチングノイズをある程度回避しながらLEDの明るさは元に戻すことができた。やれやれ…。これでまたしばらく使ってみることにする。  

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Micro Q-Tronの改造:ボリュームポットを追加する

 ずいぶん昔からElectro-Harmonix製エンベロープフィルター「Micro Q-Tron」を持っているのだけど、エフェクトをオンにするとガツンと音量が大きくなるため、演奏の途中でオンオフを切り替えるのがかなり億劫なエフェクターだったりする。かといって、ずっとオンのままで使うと効果のかかり方が非常にピーキーでピッキングの強弱やボリュームノブの扱いに神経質にならないといけないので演奏がすごく難しくなる。このあたりは本機を実際に使っている人だと共感してもらえる話だと思う。

 当然世界中のユーザーからこの問題は指摘されていたようで、現行の後継モデルにあたる「Nano Q-Tron」だとちゃんとボリューム(VOL)ツマミが最初から装備されている。

 そんなわけで、今持っているMicro Q-Tronを改造して、エフェクトオン時の音量を調整できるようにボリュームツマミを追加しようと考えた。ネットを検索すれば簡単にやり方が見つかるかと思ったら、なかなか判りやすい情報がヒットしない。

 あれこれ検索していたら、ユーザーフォーラムの一つで、メイン基板からフットスイッチ用基板への配線の途中に10kΩのポットを追加するのが良いらしいという文章を発見。しかしその投稿には画像が無かったのでさらに画像検索で「micro q-tron volume pot mod」と検索してみたら、フランス語のユーザーフォーラムでかなり判りやすい画像が見つかった。

Audiofanzine
Mod Micro QTron => ajout potentiometre de volume

 こうした情報を参考に、もし作業に失敗したら復旧不可能になるのを覚悟しつつでフットスイッチのケーブルを切断して、余っていたギター用ポット(500kΩ)を試しに接続してみたところ、上手くエフェクトオン時だけ音量を調整できることが確認できたので、改めて小さなサイズの10kΩポットを入手して本格的な改造を実施した。

 追加するボリューム調整用ポットの位置をどこにするか悩んだのだけど、やはり他のツマミと同じように筐体トップに配置する方が操作性が良いだろうと思われたので、フットスイッチ左側の余白になっているところにドリルで穴を開けた。本当は他のツマミにできるだけ近い場所にしたかったのだけど、中の基板の構造上、どうしてもこのあたりにしかポットを配置できなかった。ちょっと中途半端な位置で格好悪いのは仕方なし…。

qtron.001

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 これで懸案だったエフェクトをオンにするとドカンと音量が上がってしまう問題は無事解決。もっとも、音量の問題とは別にエフェクトのかかり方を丁度良い具合に設定するのがなかなか難しい。どうしたらきれいに思い描いたような感じに鳴らせるのか…。このエフェクターに関してはまだまだ課題が山積みのままだ(笑)。


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エフェクター エンベロープフィルター Micro Q-Tron 【国内正規品】
ELECTRO-HARMONIX

小さなQ-Tron。ピッキングの強さに正確かつ素早く反応するエンベロープ・コントロールド・フィルターです。
入力信号の大きさに応じてカットオフ周波数が変化し、同時にフィルターのピッチも変化します。
LO/BP/HPの3モードに加えてQも調整可能で、コンパクトながら多彩なサウンドを実現しました。(製品紹介文より)

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NANO Q-TRON エンベロープフィルター オートワウ ギターエフェクター
ELECTRO-HARMONIX

Nano Q-Tron は、1970 年代からエンベロープ・フィルターを製造し、エンベロープ・フィルター・エフェクトのパイオニアであるelectro-harmonix の伝統あるサウンドを継承したペダルです。 ユーザーの演奏スタイルやピッキングの強弱に敏感に反応し、入力された信号のボリュームによってフィルター・スイープのカットオフ周波数や中心周波数をコントロールします。これにより繊細な表現からダイナミックなパフォーマンス、オートワウからウルトラファンキーなサウンドまで様々なトーンを作り出します。(製品紹介文より)

  
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October 02, 2024

ワウペダル(Vox V847A)のトゥルーバイパス化をしてみた

 ふと思いつきで長い間使わずにいたVoxのワウペダルをトゥルーバイパス化してみた。

IMG_0761

 ペダル自体は10数年前に入手した「V847A」という中国工場で製造されている普及モデルでとくに珍しいものではない。

 V847Aは元の「847」には無かったACアダプター対応機能が追加された一方で、基板が表面実装に変更されたために従来のように一つ一つのパーツを交換して改造するということが困難になったことから、エフェクター通の間では人気が無い。それでも一部のコンデンサー等を交換したりということは可能だ。

 今回のトゥルーバイパス化では、スイッチ変更のついでにLEDインジケーターを追加し、あとは基板上にあるコンデンサー交換も試みることにした。

 交換しようと思うコンデンサーはネット検索して色々調べてみると、スチロールコンデンサーがワウには向いているらしい。

エフェクターによく使われるコンデンサ【10種類】一覧

スチロールコンデンサ

ポリスチレン(スチロール樹脂)、もしくはアルミスチロールを誘電体とするフィルムコンデンサです。

個人的にフィルムコンデンサの中では音質は最高と感じているのですが、あまり容量が高いものがないのと熱に弱く壊れやすいのと、お値段も高く現在ではあまり製造されていないようです。

ワウのコンデンサに使うと最高とみんなおっしゃってますね。最高ですよ!!!

 残念ながら現在流通しているスチロールコンデンサーで簡単に入手できる種類は少ない。マニア向けじゃない手頃な価格で手に入りそうなのは小容量のものしかなく、V847Aで使われているコンデンサー全部を交換というわけにはいかないことが判明。とりあえずすぐに見つかった入手可能な容量(0.01μF)の2つだけを交換してみることに。電解コンデンサーの方もオーディオグレード品に変更を考えてみたけれど、音質がハイファイになってイナタイ感じのワウとかけ離れたものになると嫌なので今回は見送ることに。

 スイッチ交換とLEDインジケーター追加については以下のYouTube動画を参考にした。まったく同じV847Aの改造事例だ。この動画で抜けているのはLEDを付けるために必要な穴開けの工程ぐらいで、ほかに必要な作業はほぼ全部説明されているのでとても助かった。



 LED用の穴については自分の場合、直径5ミリのLEDを入手したので、電動ドリルで5ミリの穴をスイッチの側に開けた。

 また、付け替えた3PTDスイッチは、元に付いていたスイッチより長さが2ミリ弱短く、ペダルを踏み込んでスイッチを切り替えるのが困難になってしまったため、スイッチの頭に1ミリ厚のゴムを丸く切って2枚重ねてセメダインスーパーXで貼り付けて元の長さと同じ程度になるようにした。

 改造の結果、バイパス時のこもった音が解消され、エフェクトオン時にはLEDが赤く光ってくれるのでオン・オフの違いを一目で確認できるようになった。また以前のスイッチは固くて踏み込むときに大変だったけれど、新しいスイッチは適度な固さで切り替えやすくなった。

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 コンデンサー交換の効果としては、いくらか音に深みが出たような気がしなくもないけれど、これはプラセボ効果かも(笑)。あとはペダルを踏み込んで高音が強調されるときに出る不要なサーッというノイズが気持ち小さくなったようにも感じる。もっともこれらの変化は、改造前と改造後の音を録音して比べるというようなことはしていないので、あくまでも主観的な判断…。

 また色々な機会にワウを使ってみることにしようと思う。ただ、ワウペダルはデカいし重たいのであまり持って歩きたくないという問題があったりして(笑)。


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VOX ヴォックス ワウ・ペダル V847

プロ・ミュージシャンのサウンドに対する要求がそれまでに比べて一気にバリエーションを見せ始めた1960年代、世界に先駆けてWAH WAH PEDALをリリースしたのがVOXでした。その独特の効果はアーティストたちの圧倒的支持を集め、数々の名演を残し、それと共にVOXのWAH WAH PEDALもスタンダード・モデルとして、長い間支持され続けてきました。(製品紹介文より)


  
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