December 23, 2010
映画「ノルウェイの森」を観た
原作を読んだのは遠い昔のこと。今ではもう話のあらすじさえも憶えていないので、全くの素の状態で、一つの完全に独立した作品として楽しむことができた。
映画を見終わって直ぐに感じたのは、こんな話だったのかという驚き。原作が発表された当時、村上春樹が初めてセックスを描写したということで、世間が大騒ぎしたことを今さらのように思い出した。
しかし、この映画のレイティングが「PG12」ということで、劇場にはまさに中学生ぐらいの年齢にしか見えない観客も見かけたりしたのだけれど、ちょっとあれはどうなんだろう。確かに、全裸が見えるようなシーンは出てこなくても、表現としてはかなり露骨なセックスの描写があって(それは映像に限らず言葉も含めて)、できれば「R15+」ぐらいが妥当なのじゃないかなと感じたりした。ま、余計なお世話なのかもだけど…。
閑話休題、で、この作品、乱暴に要約すると、映画としてはSF的な要素がない「2001年宇宙の旅」のような作品だった。まさに、直子はHAL9000。そして、ワタナベは無限の宇宙の彼方へと放り投げられた後に地球へ帰ってくる主人公。たぶん、緑は地球なのだ。
最後にワタナベと緑が電話で会話するシーンの、あの微妙な間合いは、なかなかに良かったと思う。
そう言えば、この映画では何度か電話を使ったシーンが出てくるけれど、ケータイしか知らない今の若者に、あの電話をしてもつながらないという切実感は、果たして伝わるのだろうか? 留守電さえ存在せず、つながる、つながらないという極度の緊張感は、おそらく理解できないことだろう。逆に、そういうことが判り過ぎるほどにわかる自分としては、あの切ない感覚を久々に思い出して、なんだかとても懐かしかったりした。
あとは、この映画、やたらにアップが多かったりと、人間の自然な視野を完全に無視したフレーミングが多様されるので、何か肝心のものを見逃しているのじゃないかという、ちょっとしたフラストレーションを覚えるのだけれど、当然それこそが監督の狙った演出なのだろう。
他にこの映画の注目点は、小道具・大道具の類だろう。ピカピカで新品のように見えるスカイラインやコロナといった自動車、テスコやヤマハのエレキギター、そしてオビ付きのレコード、華奢ですぐに壊れそうな家具等、まさにタイムワープしたようで不思議な感じだった。
もっとも、個人的にこの映画で一番の収穫は、サウンドトラックに使われていた音楽の数々。特に、あるシーンの中で、突然にCANの「She Birings The Rain」がかかったときの衝撃はかなりのものだった。
CANなんて、自分の記憶の中ではもう聞き飽きて古くさくなってしまった音楽のはずだったのに、そんなことは全然なくて、今の時代でも十二分に通用するエッジがあった。このCANの再発見は、全く期待していなかっただけに、とてもうれしい。映画から帰宅して直ぐに、レコード棚で埃をかぶっていたアナログ盤を取り出してターンテーブルの上に載せたのは言うまでもない。ちなみに、映画の中でCANの作品は5曲も取り上げられている。監督の趣味なのだろうか? かなり意外な選曲だ。
CAN以外のサウンドトラックも良い感じで、ドアーズの「Indian Summer」はその歌詞が理由で選ばれたのだろうけれど、この曲で聴かれるギターの質感は、映画全編に流れるジョニー・グリーンウッドのギターのそれにも似ていて、まさにほんの僅かにアンプがオーバードライブしただけのナチュラルなエレクトリックギターの音色こそが、この映画全体の基調となっているのはちょっと興味深かった。
まぁ、かなり癖のある作品なので、とても万人にお薦めできるとは言い難いけれど、もし興味があるようなら、音の良い劇場で観るのがサウンドトラックも楽しめて良いのではという感じかな……。
PS. サウンドトラックと言えば、エンディングロールでビートルズのオリジナル音源「ノルウェーの森」が流れるのだけど、あれは意味がよく判らなかった。全く必然性が無いし、どうしても題名絡みで「ノルウェーの森」が必要だったというのであれば、劇中で歌われるあの部分だけで十分だったのじゃないかと思う。正直なところ、あのタイミングであの曲が使われるのは、逆に違和感ばかりが目立った。なんというか、まぁ、話題作りで配給側が必要だと考えたのだろうけれど、結果は単なる予算の無駄遣いでしかないなと思ったり…。ま、これも余計なお世話か(笑)。
PPS. ビートルズの「ノルウェーの森」は、小説「ノルウェイの森」の冒頭で印象的に使われているという指摘を、親切な知人が知らせてくれた。どうやら見当違いなツッコミをしてしまったようでお恥ずかしい。でも、それなら、あの曲の歌詞の訳を字幕で流すぐらいのことはしても良かったのじゃないかなと思ったり…。あ、これもまた余計なお世話か、やれやれ。
映画を見終わって直ぐに感じたのは、こんな話だったのかという驚き。原作が発表された当時、村上春樹が初めてセックスを描写したということで、世間が大騒ぎしたことを今さらのように思い出した。
しかし、この映画のレイティングが「PG12」ということで、劇場にはまさに中学生ぐらいの年齢にしか見えない観客も見かけたりしたのだけれど、ちょっとあれはどうなんだろう。確かに、全裸が見えるようなシーンは出てこなくても、表現としてはかなり露骨なセックスの描写があって(それは映像に限らず言葉も含めて)、できれば「R15+」ぐらいが妥当なのじゃないかなと感じたりした。ま、余計なお世話なのかもだけど…。
閑話休題、で、この作品、乱暴に要約すると、映画としてはSF的な要素がない「2001年宇宙の旅」のような作品だった。まさに、直子はHAL9000。そして、ワタナベは無限の宇宙の彼方へと放り投げられた後に地球へ帰ってくる主人公。たぶん、緑は地球なのだ。
最後にワタナベと緑が電話で会話するシーンの、あの微妙な間合いは、なかなかに良かったと思う。
そう言えば、この映画では何度か電話を使ったシーンが出てくるけれど、ケータイしか知らない今の若者に、あの電話をしてもつながらないという切実感は、果たして伝わるのだろうか? 留守電さえ存在せず、つながる、つながらないという極度の緊張感は、おそらく理解できないことだろう。逆に、そういうことが判り過ぎるほどにわかる自分としては、あの切ない感覚を久々に思い出して、なんだかとても懐かしかったりした。
あとは、この映画、やたらにアップが多かったりと、人間の自然な視野を完全に無視したフレーミングが多様されるので、何か肝心のものを見逃しているのじゃないかという、ちょっとしたフラストレーションを覚えるのだけれど、当然それこそが監督の狙った演出なのだろう。
他にこの映画の注目点は、小道具・大道具の類だろう。ピカピカで新品のように見えるスカイラインやコロナといった自動車、テスコやヤマハのエレキギター、そしてオビ付きのレコード、華奢ですぐに壊れそうな家具等、まさにタイムワープしたようで不思議な感じだった。
もっとも、個人的にこの映画で一番の収穫は、サウンドトラックに使われていた音楽の数々。特に、あるシーンの中で、突然にCANの「She Birings The Rain」がかかったときの衝撃はかなりのものだった。
CANなんて、自分の記憶の中ではもう聞き飽きて古くさくなってしまった音楽のはずだったのに、そんなことは全然なくて、今の時代でも十二分に通用するエッジがあった。このCANの再発見は、全く期待していなかっただけに、とてもうれしい。映画から帰宅して直ぐに、レコード棚で埃をかぶっていたアナログ盤を取り出してターンテーブルの上に載せたのは言うまでもない。ちなみに、映画の中でCANの作品は5曲も取り上げられている。監督の趣味なのだろうか? かなり意外な選曲だ。
CAN以外のサウンドトラックも良い感じで、ドアーズの「Indian Summer」はその歌詞が理由で選ばれたのだろうけれど、この曲で聴かれるギターの質感は、映画全編に流れるジョニー・グリーンウッドのギターのそれにも似ていて、まさにほんの僅かにアンプがオーバードライブしただけのナチュラルなエレクトリックギターの音色こそが、この映画全体の基調となっているのはちょっと興味深かった。
まぁ、かなり癖のある作品なので、とても万人にお薦めできるとは言い難いけれど、もし興味があるようなら、音の良い劇場で観るのがサウンドトラックも楽しめて良いのではという感じかな……。
PS. サウンドトラックと言えば、エンディングロールでビートルズのオリジナル音源「ノルウェーの森」が流れるのだけど、あれは意味がよく判らなかった。全く必然性が無いし、どうしても題名絡みで「ノルウェーの森」が必要だったというのであれば、劇中で歌われるあの部分だけで十分だったのじゃないかと思う。正直なところ、あのタイミングであの曲が使われるのは、逆に違和感ばかりが目立った。なんというか、まぁ、話題作りで配給側が必要だと考えたのだろうけれど、結果は単なる予算の無駄遣いでしかないなと思ったり…。ま、これも余計なお世話か(笑)。
PPS. ビートルズの「ノルウェーの森」は、小説「ノルウェイの森」の冒頭で印象的に使われているという指摘を、親切な知人が知らせてくれた。どうやら見当違いなツッコミをしてしまったようでお恥ずかしい。でも、それなら、あの曲の歌詞の訳を字幕で流すぐらいのことはしても良かったのじゃないかなと思ったり…。あ、これもまた余計なお世話か、やれやれ。
December 15, 2010
[ガラクタ]
さようなら、わんこ
今日でブログペットが終了した。
このブログでずっとつきあってきた「わんこ」もいなくなってしまった。
とても悲しい。
今朝、キャプチャした在りし日の最後のわんこの姿を。
どうも長い間ありがとう。
このブログでずっとつきあってきた「わんこ」もいなくなってしまった。
とても悲しい。
今朝、キャプチャした在りし日の最後のわんこの姿を。
どうも長い間ありがとう。
December 07, 2010
ユン チアン「ワイルド・スワン」を読んだ(BlogPet)
wmsの「ユン チアン「ワイルド・スワン」を読んだ」のまねしてかいてみるね
ツイッターの動揺が遭遇する♪
(訳)ワイルド・スワン(中で嫌疑をきたす。
*このエントリは、ブログペットの「わんこ」が書きました。
ツイッターの動揺が遭遇する♪
(訳)ワイルド・スワン(中で嫌疑をきたす。
*このエントリは、ブログペットの「わんこ」が書きました。