December 05, 2024

ワウのコンデンサーを全部入れ換えてみた

 ふと思い立ってトゥルーバイパス化したVoxのワウペダル「V847A」、使っていて改めて気づいたのはペダルをつま先側に踏み込んだときにサーというノイズが結構大きく聞こえる。




 もう少しノイズを小さくできないかと思い、かなり適当な感じで国内外のエフェクター改造情報を漁ってみたら、コンデンサーの品質がイマイチだとノイズが乗りやすいという話を見かけた。そこで思い切って、標準で装備されているコンデンサーを全部載せ替えてみることにした。とくに電解コンデンサーはノイズの元になりやすいということなので、少し高品質なものを選んでみた。

 で、いざ載せ換えようと思ったら、どれも最初に付いていたものよりもサイズがかなり大きくて、そのままだとうまく収まらない。なんとか工夫したけれどかなり無理な配置になってしまった(笑)。

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 結果は、あっさりノイズが減ったので大成功。ついでに、踏み込んだときの鳴り方も高音成分のヌケが良いのに耳には痛くない感じになったのはかなり好感触。入れ替え作業はかなり手間だったけれど、うまくいって良かった。ワウを使うのがこれまで以上に楽しいことになりそう。  

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November 28, 2024

最近気に入っているピック:JIM DUNLOP JAZZ III

 エレキギターを弾くときは長らく「Dunlop Primetone Small Tri」の1.3mmを愛用してきたのだけど、ここ数年は家で弾くときはピックを使わなくなってしまった。理由は、家で適当にダラダラ弾くときにピックで弾くのはなんだかシャカリキ過ぎるような気がしはじめて、試しに指で弾いてみたら悪くない感触だったというのがきっかけ。一度指で弾くようになると、家でわざわざピックを持つのは面倒くさくなってしまったというのもある…。

 ただ、外に出てセッションだったりスタジオ遊びで弾くときは、やはり他の面子の演奏が熱いとこちらも思わず力が入る。そんなときに指弾きだとまだまだちょっと負けてしまう気がしてピックで弾くことになる。でも、一度指弾きに慣れてしまうと、かなり小ぶりだと思っていたPrimetone Small Triでも、ちょっと大きくて持て余す感じになってしまった。

 それで、色々と小ぶりのピックを試してみたら、昔は小さすぎてとても自分には使いこなせる気がしなかったダンロップのJAZZ IIIが良い感じだった。素材や厚さの違う種類をあれこれ買ってきて、弾き心地や鳴り方を比べていったら、TORTEX素材の1mm前後が今の自分には合っていると感じた。

 最近はその日の体調や参加する演奏のノリに合わせて、0.88mm、1.00mm、1.14mmの中から今日はこれが調子良さそうかなと感じるものを使うようにしている。

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 写真の左端の0.88mmのピックは使っているうちに表示が全部剥げてしまったので、白のペイントマーカーで「8」と書いて間違わないようにした。そのうち他のピックも表示が見えなくなったら数字を書くことになりそう(笑)。

 本当は黒いのがタッチも好きなのだけど、なぜか1.14mmは黒いものが手に入らないので紫色のやつを使っている。ダンロップ以外からもJAZZ IIIタイプは色々出ているけれど、弦に当たる感触がダンロップの黒のTORTEXが一番好感触だったので、今はダンロップ製で揃えている。自分のような技量程度でもピックの素材の違いが弾き心地に影響することに改めて気づいてちょっと驚いたりもした。  
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November 05, 2024

ストラトタイプのトレモロユニットを手のひらビブラート対応のフローティング設定にする

 ストラトタイプのトレモロのセッティングは本当に悩ましい。これまで持っているストラトタイプのギターについては、トレモロユニットをベタ付けにしたり、フローティングにしてみたり、または疑似ハードテイル化してみたりと試行錯誤の連続。

 極端なアーミングはほとんどしないけれど、折角トレモロが付いているならたまにコードをジャラーンと鳴らした時に軽いビブラートをかけたいと思うことがある。アームを使って揺らすほどではない感じなので、弦をミュートさせないような感じで手のひらをユニット部にのせて軽く力を入れるてゆるゆると動く感じのフローティング設定にできると楽しい。そういう使い方が出来ると知ったのはGreg Kochがデモ演奏で多用しているのを見て。以下のデモ演奏はかなり誇張したやり方をしてるけれど、もっと微かで繊細な効かせ方もできるし、自分はアームを外した状態でこの奏法をやるのが好きだ。



 ということで、改めてフローティングのセッティングを詰め直すことにした。これまでスプリングの本数は4〜5本で真っ直ぐに張ることにこだわっていたけれど、考え方を全く変えて今回は3本斜め張りを試してみた。スプリングは4〜5本張りのときは弱めのものを選んでいたけれど、3本斜め張りでは標準装備されていた少し堅めのものに戻した。

 この状態で緩いフローティング状態にしてアーム無しの手のひらビブラートをやってみたところ、これまでよりもふんわりした鳴り方で気持ち良い。この状態でしばらく試奏しているうちにスプリングの共鳴音が気になってきたので、スプリングとボディの間にフェルト生地を挟み込んでスプリングを軽くミュートするような状態にしてみたら、アンプから出る音がクリアな感じになって、より自分好みの音になった。

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 ということで、一時は我が家にある3本のストラトタイプのギターはベタ付けか疑似ハードテイル化されていたのだけれど、今では全部がこの3本斜めがけスプリング&フェルト生地ミュート仕様のフローティング設定になってしまった。また、そのうち気に入らなくなって、違うセッティングになるのかもだけど(笑)。  
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October 12, 2024

ワウのトゥルーバイパス化でスイッチングノイズが大きくなった

 Voxのワウペダル「V847A」の切替スイッチをトゥルーバイパス化してインジケーターLEDを追加する改造をした。



 とりあえず上手くいったのでスタジオで使ってみたら、エフェクトのオンオフ時にスイッチを押すと、バチン!とかなり大きなノイズが出るようになってしまった。

 気になるので調べてみたら、これは3PDTスイッチをエフェクターに安易に使うと必ず出てしまう症状らしい。以下のWebページの解説がとても判りやすかった。



トゥルーバイパスについて

スイッチングノイズとは「ボフ」とか「バチッ」っと言うノイズになります。
このノイズはあまり大きいとスピーカーに負担を掛けて最悪スピーカーが壊れます。

では、スイッチングノイズは何故発生するのでしょうか?
ギターのジャックを抜き差しする状態と言ったら分かりやすいでしょうか?
原因は無接続状態の発生と電位の変化です。

 この問題の解決方法として、上記のページでは「カップリングコンデンサ」の導入や、より良質なスイッチ部品の採用を勧めている。しかし、今回の自分の場合は上記ページで「本来のトゥルーバイパスの意図からかけ離れたもの」と批判されている抵抗をスイッチに付ける配線を試みることにした。理由はといえば、単純に配線が簡単だから(笑)。

 検索で得た他の情報を参考にして、入力信号からグラウンド(アース)側へ1MΩの抵抗を介して結線してみる。試しにスイッチを切り替えてみると、これまでの「バチン!」という音から「パチン」程度に小さくなったような気がする。ただし、この配線が影響しているのかインジケーター用LEDの明るさが暗くなってしまった。

 残念ながら配線の現状を完璧には理解してないのでこの問題をスッキリと解決できなかったけれど、とりあえずはこれでしばらく使ってみることにしよう。いずれちゃんと勉強して完全な解決を目指したいと思いつつ、そんな日が来ることは永遠に無さそうな気もする……。

追記)
 その後になって冷静に考えればLEDが暗くなるということはLEDの回線に抵抗が入ってしまっているということなので、そもそもが結線が間違っているということになる。改めて配線を見直してみたところ、LEDの回線部分以外の場所に抵抗を追加することができたので、無事大きなスイッチングノイズをある程度回避しながらLEDの明るさは元に戻すことができた。やれやれ…。これでまたしばらく使ってみることにする。  
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Micro Q-Tronの改造:ボリュームポットを追加する

 ずいぶん昔からElectro-Harmonix製エンベロープフィルター「Micro Q-Tron」を持っているのだけど、エフェクトをオンにするとガツンと音量が大きくなるため、演奏の途中でオンオフを切り替えるのがかなり億劫なエフェクターだったりする。かといって、ずっとオンのままで使うと効果のかかり方が非常にピーキーでピッキングの強弱やボリュームノブの扱いに神経質にならないといけないので演奏がすごく難しくなる。このあたりは本機を実際に使っている人だと共感してもらえる話だと思う。

 当然世界中のユーザーからこの問題は指摘されていたようで、現行の後継モデルにあたる「Nano Q-Tron」だとちゃんとボリューム(VOL)ツマミが最初から装備されている。

 そんなわけで、今持っているMicro Q-Tronを改造して、エフェクトオン時の音量を調整できるようにボリュームツマミを追加しようと考えた。ネットを検索すれば簡単にやり方が見つかるかと思ったら、なかなか判りやすい情報がヒットしない。

 あれこれ検索していたら、ユーザーフォーラムの一つで、メイン基板からフットスイッチ用基板への配線の途中に10kΩのポットを追加するのが良いらしいという文章を発見。しかしその投稿には画像が無かったのでさらに画像検索で「micro q-tron volume pot mod」と検索してみたら、フランス語のユーザーフォーラムでかなり判りやすい画像が見つかった。

Audiofanzine
Mod Micro QTron => ajout potentiometre de volume

 こうした情報を参考に、もし作業に失敗したら復旧不可能になるのを覚悟しつつでフットスイッチのケーブルを切断して、余っていたギター用ポット(500kΩ)を試しに接続してみたところ、上手くエフェクトオン時だけ音量を調整できることが確認できたので、改めて小さなサイズの10kΩポットを入手して本格的な改造を実施した。

 追加するボリューム調整用ポットの位置をどこにするか悩んだのだけど、やはり他のツマミと同じように筐体トップに配置する方が操作性が良いだろうと思われたので、フットスイッチ左側の余白になっているところにドリルで穴を開けた。本当は他のツマミにできるだけ近い場所にしたかったのだけど、中の基板の構造上、どうしてもこのあたりにしかポットを配置できなかった。ちょっと中途半端な位置で格好悪いのは仕方なし…。

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 これで懸案だったエフェクトをオンにするとドカンと音量が上がってしまう問題は無事解決。もっとも、音量の問題とは別にエフェクトのかかり方を丁度良い具合に設定するのがなかなか難しい。どうしたらきれいに思い描いたような感じに鳴らせるのか…。このエフェクターに関してはまだまだ課題が山積みのままだ(笑)。


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エフェクター エンベロープフィルター Micro Q-Tron 【国内正規品】
ELECTRO-HARMONIX

小さなQ-Tron。ピッキングの強さに正確かつ素早く反応するエンベロープ・コントロールド・フィルターです。
入力信号の大きさに応じてカットオフ周波数が変化し、同時にフィルターのピッチも変化します。
LO/BP/HPの3モードに加えてQも調整可能で、コンパクトながら多彩なサウンドを実現しました。(製品紹介文より)

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NANO Q-TRON エンベロープフィルター オートワウ ギターエフェクター
ELECTRO-HARMONIX

Nano Q-Tron は、1970 年代からエンベロープ・フィルターを製造し、エンベロープ・フィルター・エフェクトのパイオニアであるelectro-harmonix の伝統あるサウンドを継承したペダルです。 ユーザーの演奏スタイルやピッキングの強弱に敏感に反応し、入力された信号のボリュームによってフィルター・スイープのカットオフ周波数や中心周波数をコントロールします。これにより繊細な表現からダイナミックなパフォーマンス、オートワウからウルトラファンキーなサウンドまで様々なトーンを作り出します。(製品紹介文より)

  
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October 02, 2024

ワウペダル(Vox V847A)のトゥルーバイパス化をしてみた

 ふと思いつきで長い間使わずにいたVoxのワウペダルをトゥルーバイパス化してみた。

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 ペダル自体は10数年前に入手した「V847A」という中国工場で製造されている普及モデルでとくに珍しいものではない。

 V847Aは元の「847」には無かったACアダプター対応機能が追加された一方で、基板が表面実装に変更されたために従来のように一つ一つのパーツを交換して改造するということが困難になったことから、エフェクター通の間では人気が無い。それでも一部のコンデンサー等を交換したりということは可能だ。

 今回のトゥルーバイパス化では、スイッチ変更のついでにLEDインジケーターを追加し、あとは基板上にあるコンデンサー交換も試みることにした。

 交換しようと思うコンデンサーはネット検索して色々調べてみると、スチロールコンデンサーがワウには向いているらしい。

エフェクターによく使われるコンデンサ【10種類】一覧

スチロールコンデンサ

ポリスチレン(スチロール樹脂)、もしくはアルミスチロールを誘電体とするフィルムコンデンサです。

個人的にフィルムコンデンサの中では音質は最高と感じているのですが、あまり容量が高いものがないのと熱に弱く壊れやすいのと、お値段も高く現在ではあまり製造されていないようです。

ワウのコンデンサに使うと最高とみんなおっしゃってますね。最高ですよ!!!

 残念ながら現在流通しているスチロールコンデンサーで簡単に入手できる種類は少ない。マニア向けじゃない手頃な価格で手に入りそうなのは小容量のものしかなく、V847Aで使われているコンデンサー全部を交換というわけにはいかないことが判明。とりあえずすぐに見つかった入手可能な容量(0.01μF)の2つだけを交換してみることに。電解コンデンサーの方もオーディオグレード品に変更を考えてみたけれど、音質がハイファイになってイナタイ感じのワウとかけ離れたものになると嫌なので今回は見送ることに。

 スイッチ交換とLEDインジケーター追加については以下のYouTube動画を参考にした。まったく同じV847Aの改造事例だ。この動画で抜けているのはLEDを付けるために必要な穴開けの工程ぐらいで、ほかに必要な作業はほぼ全部説明されているのでとても助かった。



 LED用の穴については自分の場合、直径5ミリのLEDを入手したので、電動ドリルで5ミリの穴をスイッチの側に開けた。

 また、付け替えた3PTDスイッチは、元に付いていたスイッチより長さが2ミリ弱短く、ペダルを踏み込んでスイッチを切り替えるのが困難になってしまったため、スイッチの頭に1ミリ厚のゴムを丸く切って2枚重ねてセメダインスーパーXで貼り付けて元の長さと同じ程度になるようにした。

 改造の結果、バイパス時のこもった音が解消され、エフェクトオン時にはLEDが赤く光ってくれるのでオン・オフの違いを一目で確認できるようになった。また以前のスイッチは固くて踏み込むときに大変だったけれど、新しいスイッチは適度な固さで切り替えやすくなった。

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 コンデンサー交換の効果としては、いくらか音に深みが出たような気がしなくもないけれど、これはプラセボ効果かも(笑)。あとはペダルを踏み込んで高音が強調されるときに出る不要なサーッというノイズが気持ち小さくなったようにも感じる。もっともこれらの変化は、改造前と改造後の音を録音して比べるというようなことはしていないので、あくまでも主観的な判断…。

 また色々な機会にワウを使ってみることにしようと思う。ただ、ワウペダルはデカいし重たいのであまり持って歩きたくないという問題があったりして(笑)。


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VOX ヴォックス ワウ・ペダル V847

プロ・ミュージシャンのサウンドに対する要求がそれまでに比べて一気にバリエーションを見せ始めた1960年代、世界に先駆けてWAH WAH PEDALをリリースしたのがVOXでした。その独特の効果はアーティストたちの圧倒的支持を集め、数々の名演を残し、それと共にVOXのWAH WAH PEDALもスタンダード・モデルとして、長い間支持され続けてきました。(製品紹介文より)


  
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August 26, 2024

ギター用ワイヤレスを試してみて感じたこと

 ギター用ワイヤレスシステムが安価になってセッション等の場でも使う人がすごく増えた。かなり前に一度借りて試したことがあるけれど、そのときは明らかなレイテンシを感じて自分はちょっとダメだなと思った。でも最近は中国製の廉価品でもかなり性能が改善しているという話を色々な場で聞いたので、物は試しということで国内外いずれのレビューでも比較的安定した評価のある製品を入手してみた。

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 2〜3mの範囲であればレイテンシを体感することはないし音切れなどの不具合も生じないことを確認。ケーブルをひっぱるのが嫌な人にはこれはかなり魅力的だと思う。

 音質に関しても、ただ音を鳴らすというだけであれば不満を感じるところはほぼ無い。

 けれど気になる点がある。ワイヤレスシステムでは従来のケーブルを使ってギターとアンプを繋いだときに生じる電気特性が失われる。どういうことかというと、通常のパッシブスタイルのピックアップを備えたエレキギターから出力される電気信号はハイ・インピーダンスという特性がある。この特性のおかげで、ファズやワウのようなエフェクターに接続した時に独特の鳴り方が成立している。

 ところが、ワイヤレスシステムを通すとその時点でギターの信号はロー・インピーダンスになってしまう。このため、ファズやワウはケーブル接続で聞こえたような鳴り方をしてくれなくなる。ギター側のボリュームを操作したときのアンプの反応も微妙にケーブル接続のときとは異なって感じる。

 なるほど、ギター用ワイヤレスシステムを使うということは、その時点である種のバッファー回路を通すことと同じなんだなと理解した。ワイヤレス接続時の方がケーブル接続時よりもハイ上がりなニュアンスに聞こえるのもそういうことなんだろう。

 メーカーや機種によってはケーブル接続したときのニュアンスを実現する「ケーブルトーン」機能みたいなものを搭載しているワイヤレス製品もあるようだけれど、そうしたモデルのレシーバー側の出力信号がパッシブ型ピックアップ搭載ギターの出力と同じようなハイ・インピーダンスにわざわざ変換処理されているとは思えないので、やはりファズやワウに接続したときの鳴り方は本来とは異なる感じになるのだろうと想像する。

 このあたりの問題を解消するためには、ロー・インピーダンス信号を改めてハイ・インピーダンスに変換するためのエフェクターを別途かませるしかなさそう。

 一つ、ワイヤレス接続で大きなメリットは、ギターとアンプをケーブルで接続したときに発生するノイズがほぼ無くなるというのがある。これはエレキギターの特性でついて回るグランド(アース)処理が発生しないからだろう。当然、グランドが繋がっていないのでグランドの極性があってないマイク等に触れて感電するということも防止できるはず。

 個人的にはケーブル接続でもとくに面倒と思うことはあまり無いし、よほど何かの事情でワイヤレス接続が望ましいというような機会以外は今後もケーブル接続でいこうと思う。

追記(2024/9/1):

 その後色々試してみて感じたのは、フェンダー系シングルコイルピックアップよりもギブソン系に限らずハムバッキングピックアップの方がワイヤレスで音質面に影響が出にくい印象。フェンダー系シングルコイルだと低音がごっそり削がれてしまい、アンプやオーバードライブ系エフェクターでプッシュすると倍音成分が汚い歪み方をするのがちょっと辛い。あとはインピーダンスをいじれるエフェクターをかませたときにどうなるのかは気になるけれど、当面そちら系の機材は安価では手に入らないので保留。  
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August 21, 2024

最近あまり話題にならなくなったSHOD系オーバードライブを試してみた

 個人的な体感としては10年ぐらい前にギター用エフェクトペダルと言えば、Mad Professorの「Sweet Honey Overdrive(略してSHOD)」が洋邦問わず人気のあるモデルの一つだった。でも最近はあまり騒がれなくなったように感じる。まぁ古くなったので当然もっと新しいモデルが注目されるというのはあるだろうけれど、SHODよりずっと古くさいTSとかはいまだにやたら人気があるのは不思議。

 それはともかく、あまり皆が使わないからかえって自分にとっては新鮮な気もして、でも正規のSHODは量産モデルでもそれなりに高価なので、クローン系で手が出しやすいJOYOの「Sweet Baby」を中古で探して手に入れてみた。このペダルが発売された当時は新品でも3000円台だったのに、今は中古でも4000円台中〜後半で、とにかく楽器の値段は上がるばかりだなとしみじみするばかり…。

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 実際に使ってみると、シングルコイルでもハムバッカーでも使いやすくて驚いた。ピッキングのニュアンスそのままにクリーントーンからちょっと歪んだぐらいまでを自由に行き来できるし、ギター側のボリュームやトーンのつまみに対して面白いように追随してくれる。自分の苦手なアンプのJCにつないでも真空管アンプぽい鳴り方をさせることができたのも良い感じ。

 ちなみに上の画像のSweet Babyのツマミ位置は、シングルコイルピックアップでガツンと鳴らすときに割と良い感じだったセッティング。もしかしたらDriveはもう少し下げて3時ぐらいが良いかも。

 実は過去に何度かMad Professorの本物や某日本製メーカーのクローン等々を試奏したことあるけれど、どれもいまいちピンと来なかったのは何だったのだろう。もしかしてJOYOの作り具合が今の自分の演奏に一番マッチしているということなのか?

 ここまで良い感じだと改めて本物を試してみたい気もするけれど、今が丁度良い感じなのだから、わざわざ無駄なことする必要もないだろうし、足りることを知るべきだろうと自分の物欲を戒める今日この頃(笑)。  
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July 10, 2024

ハムバッカーのポールピース調整はフラットが基本らしい

 ギブソン由来のハムバッキングピックアップには、ネジで高さを調整できるアジャスタブル・ポールピースが備わっている。動かせるパーツはいじってみたくなるのが人情ということで、これまで色々と高さを調整してきたけれど、どうもイメージするような感じにセッティングが決まったという印象がない。

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 そうしたら自分にとってはかなり衝撃的な情報がYouTube動画にあった。まずは、ギブソンでハムバッキングピックアップを開発したセス・ラバーは、そもそもあのポールピースを調整可能にするつもりはなかったようだ。調整を可能にするよう求めたのはギブソンのマーケティング担当者達で、要は見た目のギミックでセールスアピールしたかったということらしい。

 厳密にはポールピースを上下させればピックアップの磁界に影響を与えることは間違いないが、微妙な差でしかないという。そのあたりのことはセス・ラバー本人が色々とインタビューで答えているのだけど、すごく長文の英語記事なので自分も全部は理解していない。興味のある人は以下のSeymour Duncanのサイトにあるインタビューを読んでみると色々発見があるはず。



 で、先のYouTube動画の話に戻ると、ポールピースの高さを上げて弦に近づければ弦に対する磁力が強まって音が大きくなると考えがちなのだけど、ハムバッキングピックアップの場合、磁石はピックアップの最下部にあり、ポールピースを持ち上げればその分だけ磁石から遠ざかることになるため逆にポールピース自体が及ぼす磁力は弱くなるということが磁気測定器の値から判る。つまり、音を大きくしようとしてポールピースの高さをあげると、逆に磁力的には弱くなるから音が小さくなる可能性がある。問題の磁気測定シーンはYouTube動画では9分30秒過ぎから。



 弦のアールに合わせてポールピース毎に高さを調整するけれど、それはフェンダーのシングルコイルピックアップのようにポールピース自体が磁石の場合には効果があっても、ギブソンタイプのハムバッキングピックアップではあまり意味がないということになりそう。それよりは全部のポールピースを同じ高さに調整した上で、左右のピックアップ固定ネジを使ってピックアップ全体の高さを調整して音のバランスをとる方が理に適っているようだ。ピックアップ全体の高さは6弦側を少し低くして弦から遠ざけ1弦側を弦に近づけ、そうすることで弦の太さに起因する音の大きさのバランスをとるのが標準的なセッティングになる。

 今まで自分は弦毎にポールピースの高さをかなりバラバラに調整してきたのだけれど、試しに全部を同じ高さに揃えてみたところ、これまでどうも不満だった点が解消しすごくヌケの良い感じに鳴ってくれたので、ああこれまでの調整は無駄だったのだなとしみじみ思ったり。

 当然、各人によって求める音の好みは違うから、このポールピースの高さを全部同じに調整する方法がベストとは言えないけれど、これまでハムバッカーの鳴りがどうもイマイチと感じている人ならば一度試してみる価値はあると思う。  
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March 30, 2024

メモ:カールコードエミュレーションボックスの使い所

 実験としてカールコードエミュレーションボックスを作ったわけだけど、これをどこに繋ぐかで結構効果が違ったので簡単にメモしておく。



 まず、そもそもの発端であるジミヘン的なサウンドの要のFuzz Face系ファズの場合、やはりファズの前段にかませるのが妥当な印象。

 しかし、他のオーバードライブ系やディストーション系のペダルだと、前段にかませるとギター側のボリュームを落としたときのトーンの落ち具合が極端で、この場合は何らかのトレブルブリード回路、もしくは50sワイヤリングを施したギターが欲しくなる。普段の効率の良いケーブルを使っている状態だとそこまで自分は感じたことないので、昔の効率の悪いケーブルを使っていた時代はトレブルブリードは切実な機能だったんだろうなと想像する。

 一方で、オーバードライブ系/ディストーション系ペダルの後段にカールコードエミュレーションボックスを繋ぐと、耳に痛い成分がちょうどマスキングされるような感じで好印象。

 試しにワウで同じように後段に繋いでみたら、踏み込んだときの高音で耳に痛い成分が緩和されるのを発見。ワウは常時この効果が欲しいと思ったので、思い切ってワウの内部でスイッチのところに2200pFのコンデンサをかませて、ワウがオンになったときだけコンデンサが機能するように配線してしまった。もしかしてビンテージのワウが美味しい音なのはこういうことなんだろうか?(笑)

 家で鳴らせる音量が限度があるので、今度またスタジオかどこかのセッションに行った機会に実験してみようと思う。

 で、ちょっと違うけれど方向性としては似たような考え方の実験をしているYouTube動画があった。やっぱり皆考えることは同じぽい(笑)。

  
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